長年フリーランスをしながら見てきてわかった転落していくフリーランスの特徴・共通点

複業ナレッジ・ノウハウ

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。

複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。

じぶんは若い時にブラック企業を渡り歩き、多くの時間と健康を失い、このままでは人生が終わってしまうと、決死の覚悟でフリーランスに転生しました。

それ以来、15年以上もフリーランスとして活動し続け、今でも心の底からフリーランスに転職して良かったなとしみじみ思います。

もちろんブラック企業でなければ、勤め人としての別の生き方もあったかと思いますが、やはり個人の適性・キャラクターを考慮すると勤め人はもともと向いていなかったのだと感じています。

昔は一般的ではなかったフリーランスという働き方も今では一般的になってきて、最近はフリーランス志望の若い人が急増しています。

それほどまでに日本の企業組織には不条理な現実が多いのかなと感じています。

じぶんは命と引き換えくらいの覚悟で今の理想の働き方を手に入れる事ができたので、これからも命がけで守っていきたい働き方ではあるのですが、フリーランスはフリーランスで簡単に続けていけるほど甘い世界ではありません。

フリーランスの廃業率を調べてみると、1年以内に廃業に追い込まれるフリーランスは約30%ほどで、3年まで期間を延ばすと60%以上のフリーランスが廃業へと追い込まれているようです。

そして、10年間フリーランスとして活動できるのは、「10%いるかいないか」ともいわれています。

つまりフリーランスになってから15年経過し、いまなお仕事にありつけている自分は、かなり数少ない部類だということです。

15年以上もフリーランスとして働いていると、廃業に追い込まれた知り合いのフリーランスを数多くみてきました。

しかし廃業に追い込まれた彼らには多くの共通点がある事に気がつきました。

今日は、転落して廃業に追い込まれるフリーランスの特徴・共通点について紹介していきます。

転落・廃業していくフリーランスの特徴・共通点

はじめに結論を言うと、長期視点で言えばいかに成功や名声を手に入れたとしても、長くなった人生の前ではそれは一時のものに過ぎず、胡坐をかいていると簡単に転落をしてしまうという事です。

大きなリスクやポジションを取り続けて、大きな成功を目指すというスタンスも時に必要かとは思いますが、あくまでも廃業をせずにフリーランス人生をまっとうしたいのであれば、一時の名誉や大金に目をくらませることなく、学び変化しつづけていく事が何より重要です。

それでは、どんな人がフリーランスを転落・廃業していくのか特徴や共通点を具体的に見ていきましょう。

現状がいつまでも続くと錯覚する人

わたしはWeb系のフリーランスなのでWeb系の仕事をしているわけですが、テクノロジーの進化の早さにもろに影響を受けます。

数年前まではメシのタネになっていたサービスが、たった数年で無用の長物になります。

たとえば、今ではウィザードを流すだけで無料で高品質のホームページが持てる時代が到来し、ホームページ制作というサービスもかなりニーズが少なくなってきた印象があります。

これはWeb系の業界を問わず、ここまで変化が激しい世の中では、一生食えるという「手に職」というものは存在しないと言って良いでしょう。

たとえば医者や政治家、税理士・弁護士であったとしてもAIに代替えされる日が近いうちにくるかもしれません。

フリーランスとして頑張って活動していると、ときに比較的順調に稼げるタイミングというものが訪れます。

そして、その順境がいつまでも続くと錯覚し、利益を熟慮せずに大きな投資に突っ込んでみたり、プライベートでの散財や固定費の増加など、ついつい大切なお金を失ってしまうものです。

かくいう自分もそのクチです。

何度、事業が順調のときに調子に乗らずに次の手を打っておけばと後悔したことか・・。

ビジネスが好調の時こそ、その好調が終わる事を想定して次の一手を打っておけるか・・・この点が転落するフリーランスかそうでないかをわける分水嶺となります。

「損して得取れ」が出来ない人

「損して得取れ」の意味は、「一時的には損をするかもしれないが、将来の大きな利益になることをしよう」という意味になります。
商売用語で特に使われ、投資の大切さを教える言葉でもあります。

そしてこれが出来ないフリーランスは、大きなビジネスや長期的なビジネスに発展しにくい傾向があります。

どんな状況下であっても、損をしたくないというスタンスは、ときにビジネスチャンスを逃しかねません。

この言葉の真意としては、長期視点になれないフリーランスはあまりも請けられないよと言い表せるかもしれません。

すぐにクライアントからお金をいただこうとせずに、まずはじっくりと信頼関係を構築したり、お客さんに喜んでもらうサービスや商品の練磨に時間をかけることが重要です。

時には数か月どころか数年間、準備のために先行投資が続くこともあるかもしれません。

確かに周りを見渡すと、賢いなぁと思うフリーランスは、短期視点ではなく、長期視点にもとづいて行動しているふしがあります。

人格度外視でお金払いの良いクライアントに媚びる人

人格が破綻しているけど、金払いだけは良い・・・そんなクライアントに媚びへつらうフリーランスって嫌ですよね。

見ていて気持ちの良いものではありませんよね。

まぁ生活費を稼ぐために、ついついお金に目がくらんでしまうというのも人のサガではあるのですが・・。

こういう人たちの顛末を見ていると、お金を稼ぐという意味では最初は多く稼げています。

しかしお金や権力に媚びへつらう人たちの末路は、だいたい似通ったものになります。

じぶんのサービス・スキル・人格をもとに構築した関係ではないので、関係が崩れ去るのは一瞬です。

また確かなスキルに基づく正当な対価ではなく、媚びへつらう事で得ていたお金なので、仕事を失った後は潰しがききません。

同業を蹴落として仕事を取る人

ドライにライバルを蹴落とす戦略・・・法律にさえ違反しなければ戦略的には間違いとは言えません。

ただライバルを蹴落とすというシビアな戦略は、当初はお金に結びつくことが多いとしても、長期視点ではやはり悪評がまわりはじめたり、いざという時に同業に頼れなかったりと、デメリットも非常に大きいです。

周りが全部敵だったり悪評が回るなど、ストレスフルで不毛な生き方でも良いなら、そういった戦略を取れば良いのですが、基本的には同業とは良好な関係をキープする戦略が最適解だと言えます。

長期的に生き残る人は、商売敵ともうまく調和できる、誠実な人が多いです。

相手の弱みにつけこんだり、足元を見て商売する人

クライアントはWebの知識が乏しいため、我々Web系フリーランスに仕事を頼んでくれるわけですが・・クライアントが知識がないことを良い事に、根拠のない法外な値段を提示してお金をせしめる姿勢はほめられたものではありません。

とくにクライアントがトラブル発生時に、足元をみて法外な値段をふっかける・・・このような仕事をしていると短期目線では多くのお金を取ることができるかもしれませんが、そんな商売はやはり長続きはしません。

例えば家のリフォーム事情にうとい人に、白アリに食われているから資産価値が落ちますよと適当な言葉でリフォームを持ち掛け、適性金額や相場がわからない人から大金せしめる悪徳業者みたいなものです。

お客さんに喜ばれ、金額もフェアである・・・そんな商売をしているフリーランスがやはり最後は生き残ります。

悪銭身に付かずという格言は本当に合っていると感じます。

プライベートの生活スタイルが破滅的な人

フリーランスは働き方でもあり、生き方でもあります。

仕事とプライベートは密接に絡み合っており、分けて考えず一体のものとして見直していく必要があります。

仕事が破滅的にひどい状況ではプライベートに支障が出るように、プライベートがずたずたでは仕事に身が入らないのも当然のことです。

仕事で成功させる事を考えるのであれば、プライベートを盤石のものにする必要があるという事です。

特にお酒・女・バクチ・投機にのめり込んでいる人は、仕事でいかにお金を稼げていたとしても、簡単にお金・時間・健康・信頼が棄損されていきます。

逆に質素・倹約で欲が少なく規則正しい生活を送っている人は、多少仕事が少なくヒマになったとしても、簡単には廃業に追い込まれず息長く活動できます。

転落せずに長く生き残るための心構え

前述で、転落・廃業コースをたどるフリーランスの特徴を挙げていきました。

前述の特徴に当てはまらなかったとしても、10年生き残るフリーランスは10%いくかいかないかと言われているくらいですから、大半のフリーランスは10年以内に廃業してしまうわけです。

では、転落・廃業せずに、この自由でかけがえのないフリーランスという働き方を死守するにはどうしたらよいか挙げていきます。

生活固定費・ビジネス固定費を徹底的に抑えられる人

ビジネスを飛躍させるために、ときに強気な投資が必要な事は言うまでもありません。

しかしビジネスが順境で気持ちが大きくなっている時にする投資は見立てが楽観的で、回収できずに終わる事も多く、過剰な投資が廃業のきっかけとなるケースが多々見受けられます。

ただひたすら倹約につとめ、死ぬときに一番の大金持ちになるというような、極端な姿勢は推奨していませんが、やはりビジネスでもプライベートでも固定費を徹底的に低く抑えて活動している限り、息長く活動できる基盤となります。

ロールプレイングゲームで言えば、ヒットポイントと防御力がチート状態といったところでしょうか。

見栄を張って、一等地に事務所を構えるなどをせず、実家に住みながらフリーランスの仕事をこなすだけで、月に数十万単位で固定費が変わってくるわけですから。

稼ぐスキルも大事ですが、固定費を抑えるというのもフリーランスにとって稼ぐ以上に必要なスキルと言えるかもしれません。

報酬の多さではなく人で仕事を選ぶ

前述で、人格は破綻しているが金払いだけは良いクライアントに媚びへつらうフリーランスというのを挙げましたが、それはやはり悪手です。

数年単位で見れば、お金を手に入れられるかもしれませんが、長期視点で見れば、そんないびつな仕事づき合いが長続きするところを自分は見たことがありません。

その他精神的な安定や、有意義な時間も奪われますし、そんな人と付き合えば精神的身体的健康も失います。自己肯定感も失います。

とにかくお金以外にも大事なものを失います。

独裁者や権力者に媚びを売って得たお金や地位が長続きしないのは、歴史や海外の独裁国家を見ていればわかりますよね。

多くのコミュニティに所属して存在感を発揮できる人

自分がフリーランスとして活動していて、仕事を得る経路として一番嬉しいのは知人からの紹介です。

ネットから集客するよりも良客である確率が高く、リスクがとても低いからです。

おそらく、知人を介している手前、変なクライアント・変な業者は紹介できないというバイアスが働いているからと考えられます。

そしてこの知人からの紹介を得るには、より多くのコミュニティに所属して、それぞれのコミュニティにおいて頼りになるキャラクターとしての存在を確立しておくことが、仕事を紹介される可能性を高めてくれる手段となるのです。

趣味のコミュニティであったり、町内会など地域のコミュニティであったり、同じ考え・属性を持つ人たちの集まりであったり、仕事のためだけではなく多くのコミュニティに所属しておくことは、自分の生活やメンタルを守るためのセーフティネットの側面から見ても効果的です。

酒・女・バクチにのめり込まない人

じぶんの周りで、お酒や異性・投機やバクチなどにのめり込み、身を持ち崩す人を何人も見てきました。

この手の人は周囲に多くの迷惑・被害をまき散らすので、周囲にこの手の人がいたら、あまりお近づきにならない方が良いでしょう。

自分の自由な働き方を手放したくない人は、過剰なお酒・異性遊び・バクチなどには間違ってものめり込まないようにしましょう。

柔軟に仕事内容を変えられる人

人生100年時代と言われる昨今、長生きはリスクともなりうります。

ただでさえ変化の激しいWeb・インターネット業界、一度身につけたスキルで働けなくなるまでの何十年も仕事にありつけるものなのでしょうか?

もちろん答えは否です。

同じフリーランスとして活動するにしても、仕事内容的には時代の変化に応じて変えていく必要があり、同じサービスだけではいつかはニーズが鳴くなり稼げなくなります。

変化に適用できない人は淘汰されてしまうということです。

一度身につけたら一生メシには困らないというスキルは、変化の激しい今の世の中では幻想なのでしょう。

何歳になったとしても新しい「メシのタネ」のために学びの姿勢は持ち続けたいものですね。

それでも最後は運しだい?

成功や失敗がすべて本人の努力次第でどうにかなるという思い込みはかなり危険だと思います。

アメリカの哲学者、政治哲学者、倫理学者であるハーバード大学教授マイケル・サンデルは、著作「実力も運のうち 能力主義は正義か?」の中で、成功者は努力の結果というより運の良し悪しで選ばれたことを示す客観的データをいくつも提示してくれています。

そのデータをもとに我々の行動にフィードバックするとすれば、失敗して転落したとしても必要以上に卑屈にならずに再起に備え、成功しても運が良かっただけととらえ奢らずに足を踏み外さないように備える・・・そんなスタンスが大切なのではないでしょうか。

みんなの声

まとめ

大学を卒業して、数々のブラック企業を渡り歩いてきた身からすれば、はじめてフリーランスとして独立し、フリーランスの働き方を知ってからが本当の人生が切り開けたという実感があります。

それまでは自分の人生を生きていませんでした。

傲慢で非合理な上司や経営者の道具として日々、理不尽な指示に耐えるだけの人生でした。

だからこそ、今のフリーランスの働き方を死守するために、日々あらゆる努力ができるわけです。

自分の価値観で言えば、大きな成功などまったく興味が無く、死守すべきは理不尽なブラック企業の上司などに翻弄されない、自分の人生を自ら設計できるフリーランスという働き方を、廃業・転落せずに守り続ける事。

これ以上のものはありません。


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この記事を書いた人

山崎岳史

東京都中野区のフリーランスでWeb制作を行っております。
Web制作会社から独立してから、13年が経ちます。

おもにマークアップやJavascriptのコーディング、Wordpressのカスタマイズなどフロント回りの開発が得意ですが、PHPとMySQLを連携させたシステム開発もよく行います。
ビジネス系メディアへの寄稿などライターとしても活動しています。

自分の最大の売りは、即レススキルと誠実さ(自分で言うなw)だと思います。

最近は、フリーランスや複業(複数の生業を持つ)という働き方の素晴らしさに気づき、この新しい時代の働き方の普及活動をしています。

このメディアでこの変化の早い世の中で、いかにすればフリーランスとして活躍していけるか有益な情報を発信していきます。

この記事を書いた山崎岳史個人に仕事のご依頼やご相談、世間話や飲みのお誘いなどがある場合は、コチラまでお気軽にご連絡ください。

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