フリーランスが仕事をうける際に考慮すべきタイムパフォーマンスとリスクパフォーマンス

複業ナレッジ・ノウハウ

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。

複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。

いきなりですが、フリーランスの皆さんは、規模が大きく高度で、社会的な意義もあり、多くの人が利用するWebシステムを高額な報酬で受注できるとしたらすごく嬉しいんじゃないでしょうか?

しかしこれには当然大きな責任と多くの労力がともないます。

納期までに完成させることに死力を尽くすことになります。

工数が大きなシステムの作りこみでは想定外の事態の発生がつきものです。
絶対に当初の見通しでは想定していなかったことが起こりうるものです。

そして死力を尽くして納品までたどり着いたとしても、完全に手離れというのは現実的には難しく、その後の安定稼働に神経を尖らせることになります。

バグがあってシステムがダウンしたりデータが喪失や漏洩したりすれば・・・血の気がひきますよね。
契約にもよりますが、責任問題にも発展しかねません。

作り手の過失が影響して、クライアントに多くの損害が出れば、契約次第とはいえ損害賠償問題にも展開することだってありえます。

もちろんやりがいや報酬の大きさ、社会的意義などを考慮すれば、大きな案件はチャレンジしがいがあるとは思いますが・・。

自分だったらリスクにより脅かされる精神的安寧と中長期で奪われる自由な時間を報酬としっかり天秤にかけた上で判断しますが、やはり請けないでしょう。

それほどまでに、自分は精神的安寧と自由な時間に価値を置いているのです。

お金なんて二の次です。

今日は、フリーランスが幸せな人生を送るために考慮すべき「タイムパフォーマンス」と「リスクパフォーマンス」について話しをしていきたいと思います。

あなたはじぶんの時間をいくらで売る?・・絶対考慮すべきタイムパフォーマンス

いかに少ない時間でお金を稼げるか、これがタイムパフォーマンスの考え方です。

「楽して稼ぐ」みたいな若干良く無い響きですが・・・少ない時間で効率よく収入を得るのは何も悪いことではないですし、じぶんの限りある貴重な時間を仕事以外の別の事に使えるようになるので、絶対に重要視すべき指標です。

若いうちほど自由な時間の価値を低く見積もる

このタイムパフォーマンスを軽視しがちなのが、若い年代です。

若いうちは健康と時間は有り余るほどあるけど、お金が無いという傾向があるためでしょう。

しかし、若いうちは健康も時間も豊富なので、有限で貴重なものである事を気づきにくいだけで、全ての人にとってお金よりもはるかに大事なもののはずです。

旅行するにしろ自己投資するにしろ恋愛をするにしろ若いうちの方が感受性が豊かでより多くの感動が味わえるので、むしろ若い人の方にこそ自由な時間が貴重だと認識を改めるべきだと思います。

学生のうちのバイトなどは、良い社会勉強になるとは思うのですが、あっという間に過ぎ去る若いうちの時間を最低時給のような二束三文のお金で切り売りするのはいかがなものなのか・・・。

若いうちから健康と時間の大事さに気づけているフリーランスとそうでないフリーランスで、40代・50代以降の人生に大きな差が現れてきます。

あなたは時給単価をいくらで見積りしていますか?

フリーランスは依頼に対して見積りをするときに、提示された要件からどのくらい時間がかかりそうか工数を算出し、それに自ら設定した作業単価(時給)をかけて報酬金額を見積りします。

この設定作業単価(時給)は人によってまちまちですが、ここにフリーランスとしての知恵・スキル・価値感などが反映されます。

高ければ高いほど、タイムパフォーマンスが高いという事になりますが、高くしすぎると失注しそうという恐怖でなかなか高く設定できないでいるフリーランスが多いです。

ただ、フリーランス歴15年のこれまでの経験の中で、高くしても安くしてもトータルの収入はほとんど変わらないという事がわかりました。

要は高くすれば多少、受注率は下がるけど、その分、単価は良いので結局トータルではとんとん、それどころか高いほうが若干儲かる・・・みたいな現象です。(もちろんさじ加減次第なところもありますが)

結論としては安くすると高くするより思ったより稼げないわりに、時間だけは消耗するという現象に陥ります。

じぶんの貴重な時間を安く売りすぎるのは禁物という事です。

早くできるから安く見積もるは間違い!?

もしあなたのスキルが高く、作業スピードが早い場合、他のフリーランスより早く制作を完了できるので、工数を少なく見積もることが多いのではないでしょうか?

しかしこのケースでは、作業単価が同じなら、早く制作を完了できる優秀なフリーランスの方が安い金額で仕事を引き受けるという事になります。

サラリーマンの世界でも能率よく仕事が出来る優秀なサラリーマンが早く仕事を終わらせて定時上がりの残業代無しに対し、仕事が遅い能力の低いサラリーマンが終電ギリギリまで残業して、多くの残業代をもらえるので優秀なサラリーマンより給与が高くなるというような、意味不明で不条理な現実が散見されます。

まずは自分が人よりも早く制作できるスキルを持っているなら、そこの付加価値に対して報酬を設定しなければ、じぶんに対して失礼です。

また人より優秀なスキルということは、獲得するのに人より苦労していることが考えられるので、その苦労コストの分も見積りに必ず反映させるべきです。

自分を安売りしない事が、結局は自分の自由な時間を安売りしない事につながります。

自由に仕事ができる案件か否かで単価を変える

好きな場所で好きな時間に、好きなやり方で仕事を進めさせくれる案件というのは、逆に条件に縛られて不自由極まりない案件と同じ作業単価であっていいはずがありません。

条件が自由であればあるほど、自分のプライベートを犠牲にせずにすみます。

通勤時間を節約したり、スケジュールを柔軟に組めたり、家族に協力したり協力を仰いだり、何よりストレスが段違いです。

案件の要件による作業工数だけでなく、働き方に裁量を持たせてくれているかどうかで、作業単価をバリバリ変えちゃいましょう。
(そもそも自分は働き方が不自由な時点で、仕事は断わりますが。)

脱!時間の切り売りビジネス

受託制作などで自分の時間を切り売りしている以上、稼げる金額の上限にはおのずと限界がありますし、稼げば稼ごうとするほど自分の自由な時間も失われていきます。

自分の時間を確保するだけでなく、フリーランスとして大きな稼ぎができるとすれば、自分の時間を切り売りする受託制作や常駐勤務型のビジネスモデルから脱却しなければなりません。

ビジネスを完全に仕組み化し、その仕組みを回してくれるスタッフを雇う。

いったん仕組みを構築してしまえば、あとは本人が働かなくてもお金が入ってきますし、規模を大きくすれば収入も青天井です。

まぁ、これは相当に難易度が高く、再現性は高くありませんが・・仕組みを作って自動化するという発想は常に持っていたいところです。

自由な時間を創るスキル

タイムパフォーマンを意識して行動できるというのは人生を豊かにできる確かなスキルです。

チラシを見て10円安い卵を買いに、近くのスーパーではなく、隣町のスーパーまで遠出する人はタイムパフォーマンのスキルが極めて低いと言わざるをえないでしょう。

自分の自由な時間を捻出するために時短家電を買ったり、積極的にタクシーを利用したりする人は、自分の自由な時間というものの価値を良く知っていると思います。
(その家電の購入費やタクシー代を稼ぐのに、短縮した時間以上を費やしては、本末転倒ですが・・)

要は大切なことは人生は短いものだと自覚し、自分の時間の価値を高く見積り、自由な時間を確保するためにあらゆる工夫を駆使するという事です。

すべてのリスクを漏れなく見積もれ・・絶対考慮すべきリスクパフォーマンス

橘玲さんは著書の中でリターンが同じであればリスクは低い方が良いと主張しています。

この考え方は非常に重要で、リスクが少しでも高いならそのリスク分を必ず報酬に転嫁しなければなりません。

しかし工数(作業時間)は見積もれても、隠れたリスクを漏れなく見積もれる人は多くはありません。

大規模で複雑な案件はシンプルにリスクが大きい

大規模で複雑な案件は、大きな金額で受発注が行われますが、受注側が大きな得となったケースをあまり見たことがありません。

基本的には、最終的な工数の見積もりが甘く、納期も最終的にかかった経費(人件費)も見積り金額を大幅に超えて大赤字になることがほとんどです。

日本のオリンピックや万博の関連施設建設の最終金額が、当初の見積もりの何倍にも膨れ上がったのは、皆さんも記憶に新しいと思います。
(結局は、見積りの甘さで出た赤字を業者が補填せずに、国民の税金で補填していますが・・)

大規模で複雑な案件は、基本的には割に合わない仕事になるリスクが高いという事です。

新規のクライアントはシンプルにリスクが大きい

付き合いの古い既存のクライアントから毎月もらう案件と、新しいクライアントからの案件をまったく同じ条件で見積りするのは止めた方がよいです。

新しいクライアントとの仕事は非常にリスクが高いと認識をしてください。

飲食店でもお得意さんを予約優先にしたりするのは当たり前の事情ですし、その究極が一見お断り形態のお店ですね。

まったく同じ要件を提示されたとしても、お得意様(付き合いの古い既存のクライアント)からの依頼は見積り金額を安く、新規のクライアントの場合はまだ信頼関係が構築できていないのでリスクが高い分、見積り金額を高くする。

これがリスクパフォーマンスを高くするという発想です。

枕を高くして寝れないなら仕事は断わる

投資をしている人で、あまりに短期間に多く儲けようとする欲が大きすぎて、レバレッジなどのリスクを取って過剰なポジションをとる人が多くいます。

上手くいけばリターンも大きいのですが、逆に値が動いた場合、多くの損失、下手すれば全財産を失うどころか借金を追うようなトレードになります。

これは、お金に対する欲が大きすぎて、逆にお金を失うという典型的なパターンなのですが、当然、日々の値動きが気が気ではなくなる状況となり、毎日値動きが気になって寝るに寝れない日々が続きます。

仕事でもまったく同じことが言え、報酬金額の大きさに目がくらみ、リスキーな案件に手を出すと、日々大きなストレスにさらされ、睡眠に支障が出て健康も脅かされ、日々幸せに過ごせないという状況に陥ることになります。
そんなフリーランスも実に多いです。

お金とはそんなに大事なものでしょうか?

自分の精神の安定と、健康を少しでも脅かすリスクがあれば、仕事自体請けないという姿勢が賢明なんです。

安定!?不安定!?一社依存・継続案件のリスク

売り上げの70%以上を1社からあげているフリーランスは非常にリスキーです。

ちなみにサラリーマンは売り上げの100%を1社に依存しているので、自分的にはぜんぜん安定の働き方と考えてはいません。(副業を行っていれば別ですが)

また、継続案件の場合も、一見、安定して継続収入が見込めるので安心したくなりますが、ある日唐突に終わりをつげるのが継続案件というものです。
継続案件にフルコミットし、新規の単発案件を得る機会を逃していると、いつか継続案件が突然終了したときに詰むことになります。

単発の仕事は一見、不安定で歓迎されないですが、ある程度の割合で単発案件を抱えておくことは逆に事業を安定させることになります。

一社依存・継続案件は意外にリスクが高いということを肝に銘じておきましょう。

リスクを報酬金額に反映する

高すぎるリスクの案件は基本的に請けずに断ることをおススメしますが、それでもすべての案件である程度のリスクは覚悟しなければなりません。

皆さんには案件に潜在しているリスクを正確に見積もれるようになってほしいと考えています。

そして見積もったリスクをきちんと見積り金額に反映させることが重要なんです。

リスクを見積もれない人は、そのぶん安く見積りを安く出し、仕事は取りやすくなるかもしれませんが、リスクを見逃している以上、いつか必ず落とし穴に落ちます。

そのリスクが顕在化したときに、リスクヘッジとなるのはリスクを報酬に反映させているリスクパフォーマンスの高いフリーランスなんです。

みんなの声

まとめ

フリーランスだけでなく最近の若いジェネレーションの間では、会社に入社しても出世は望まず、重い責任を回避し、給料は最低限で良いから、残業や休日出勤することなく、じぶんの自由な時間を確保するという価値観の人たちが増えてきているようです。

この傾向は自由な時間やリスクによる精神的不健康からの回避を非常に重要視しているのだと思います。

これがまさにタイムパフォーマンス・リスクパフォーマンスが高い思考です。

リスクも時間もじぶんで調節できるのフリーランスは、やはり幸福度の高い働き方であると言えそうです。


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この記事を書いた人

山崎岳史

東京都中野区のフリーランスでWeb制作を行っております。
Web制作会社から独立してから、13年が経ちます。

おもにマークアップやJavascriptのコーディング、Wordpressのカスタマイズなどフロント回りの開発が得意ですが、PHPとMySQLを連携させたシステム開発もよく行います。
ビジネス系メディアへの寄稿などライターとしても活動しています。

自分の最大の売りは、即レススキルと誠実さ(自分で言うなw)だと思います。

最近は、フリーランスや複業(複数の生業を持つ)という働き方の素晴らしさに気づき、この新しい時代の働き方の普及活動をしています。

このメディアでこの変化の早い世の中で、いかにすればフリーランスとして活躍していけるか有益な情報を発信していきます。

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