フリーランス歴16年の大ベテランが教えるフリーランスが肝に銘じるべき「営業」の心得

複業ナレッジ・ノウハウ

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。

複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。

フリーランスは、エンジニアでありクリエイターであり、経営者であり経理でありマーケターであり法務部であり、ようは何でも自分でこなさざるをえない一面があります。

そして営業ももちろん自分自身でこなす必要があります。
(営業代行というサービスにアウトソースするという選択肢も無くはないですが・・・あまりおススメできません。)

自分もフリーランスとして独立する前にWeb制作の知識やスキルに関しては必至に勉強して蓄積してきましたが、この「営業」という自分でビジネスをする上で、もっとも必要とも言えるスキル・知識の獲得に関しては、ずぶの素人の状態で独立をはたした訳です。

本業のスキルさえあれば、仕事は成り立つと考えていたわけです。

そしてこの考えは、完全なる誤りであり、この「営業」のスキルや知識が無いおかげで多くの苦労を強いられる羽目になります。

今日はフリーランスとして独立して16年目の超ベテランである自分が、これまでのキャリアできづいた「営業」に関する確信を紹介していきたいと思います。

フリーランスが肝に銘じるべき「営業」の心得

ちなみにここでいう「営業の心得」とは、

テレアポとか、ダイレクトメールなどの小手先の営業手法を紹介するという事ではありません。

フリーランスがいかに長期的に健全に活動するための、小手先のTipsではなくもっと原則的なマイルールといえるものです。

独立してから16年もフリーランスとして仕事を獲得することに試行錯誤を繰り返してきた訳ですから、多くの失敗(苦しい思い出)と引き換えに、にぶい自分でもさすがに間違った「営業」と正しい「営業」というものがわかってきたのです。

お金(仕事)の獲得よりもはるかに大事な事がある

独立したての自分にもっとも教えてあげたい営業の心得です。

独立したての時は、ただ単純に儲かればいい・・その一点で内容をよく吟味せずに、来る仕事来る仕事に飛びついていました。

その挙句に案件が炎上し、精神的にも身体的にも時間的にも多大なダメージを被ってきました。

若い時は、身体も健康で体力もありあまり、金銭欲も旺盛で、心も成熟していない状態なので、今思えば本当に無茶をしましたし、バカだったなと反省しきりなわけです。

大前提として、「お金を稼ぐ」事以上に大切なものがある・・・こんな当たり前のようなことがわからなかったのです。

まず、自分の人生で何が大切で何を守るべきかを整理しました。

・充分な休息時間&余暇の時間
・自分と家族の健康(身体的にも精神的にも)
・良質な人間関係(仕事もプライベートも)
・自己裁量の大きさ(仕事もプライベートも)

ざっとあげると、こんな感じです。

上記の条件が仕事で阻害されるのであれば、お金などいくら稼げても、やる価値はありません。

ようやくそのことに気づき、自分のフリーランス人生は劇的に改善しました。

いかに仕事を獲得してお金を稼ぐということだけが「営業」ではありません。

いくらお金を稼いでも、そのせいで健康が阻害されたり、不幸せになったりしては本末転倒なんです。

良客を徹底的に探し、徹底的にアタックする

皆さんはパレートの法則をご存知でしょうか?

パレートの法則(またはパレートの法則、パレートの法則とも呼ばれる)は、経済学および社会科学において広く認識されている原則です。イタリアの経済学者ヴィルフレード・パレートによって提唱されました。
パレートの法則によれば、ある特定の事象や要素の間には、一部の要素が大部分の結果を生み出すという非対称性が存在するとされます。具体的には、「パレートの法則80/20」とも呼ばれることがあり、これは次のように要約されます。

経済では、パレートの法則は「富の80%は富を持つ人々の手に集中し、残りの20%の富が他の人々に分散する」という意味で解釈されることがあります。つまり、富の分布は不均等であり、一部の富裕層が大部分の富を所有しているということです。
この法則は経済だけでなく、他の領域にも適用されることがあります。たとえば、ビジネスにおいては、80%の売上が20%の顧客から生み出されるとされることがあります。また、時間管理においては、80%の成果が20%の重要なタスクによって生み出されるとも言われます。

フリーランスとして長年、営業活動をしていると感じます。

このパレートの法則はガチです、フリーランスの営業にも当てはまります。

付き合いのあるお客さんの中の20%の良質なお得意さんからの売り上げが全体の売り上げの80%をもたらすというわけです。

つまりやみくもに、営業をかけるのではなく、潜在的な良顧客(ビジネス的にも誠実さなども考慮して)を徹底的に見極めて、そのお客さんに対する営業にリソースを一極集中することが求められるわけです。

安さを武器にしない方が良い

いままで、営業活動をしてきてようやく感じた事ですが、仕事を獲りたいがための値引きはあまりしない方が良いという結論に達しました。

もちろん見積りの金額が高ければいいというわけでもありません。

見積りの金額は、あくまでもじぶんのサービスに見合った、自分が満足できる金額を提示する・・これだけです。

Web系のフリーランスは、とくに仕入(原価)があまりかかっていないので、目先の仕事欲しさにびっくりするような低い金額を提示しがちです。

しかしこれでは、フェアトレードになっておらず、フェアな取引ではない案件は、いずれどこかに無理が生じてきます。

その言葉を端的に表しているのが、「貧乏暇なし」ではないでしょうか。

安く見積りを出すという事は、それだけ自分のサービスは他に代替えできるということをあらわしていますし、自分自身(じぶんの時間)に高い価値が無いと言っているのと同義です。

安く見積りを出したところで、そのぶん、お客さんからの要求が低くなるわけでもありませんし、その分、お客さんがより誠実になってくれるわけでもありません。

もし低価格しか自分の武器が無く、安くしないと仕事が取れないのであれば、まずは安い仕事をするのを止め、高単価の仕事が獲れるようにスキルを身につけ、戦略を見直すことからはじめるべきです。

キャパに余白を持たせる

どれだけ、順調に仕事が舞い込む状況にあっても、自分のキャパ限界まで仕事を受けるのは悪手です。

理由は、

1.じぶんにある程度の余裕が無いと、より大きなチャンスが舞い込んだときに対応できないため
2.余暇などプライベートがおろそかになることで、サービスの低下につながるから
3.お金のために、お金より価値のある自由な時間と健康を犠牲している状況になりかねないから

よほど、仕事をしているときが人生で一番幸せというような、極度なワーカホリックではない限り、仕事でスケジュールをパンパンにするというような自体は極力避けてください。

即レスは最強の営業スキル・・・デメリット無し

即レス・・・一見簡単そうで誰にでもできそうなものですが、これが出来る人が意外に少ない。

即レスはもっとも簡単で、もっとも効果があるといってもいい、営業スキルのひとつです。

即レスができないというのは、そもそも普段の仕事の仕方が間違っているか、判断を即決できない人です。

タイムイズマネー・・・ぜひ即レスを実践してみてください。

新規の案件は、小さく受ける

フリーランスのもとに依頼に訪れるクライアントは、全員が全員、良いお客さんばかりではありません。

じぶんの経験上、10人のうち、3人程度は招かれざるお客さんです。

「招かれざるお客さん」とは、性格が誠実では無かったり、パワハラなどハラスメントをしてきたり、お金の払いが悪かったり、発言がコロコロ変わったり、プライベートの時間を奪ってきたり、法律やルール・常識を破ったり・・・などなどなどです。

「招かれざるお客さん」とは、絶対に仕事を回避すべきです。

そして、その招かれざるお客さんかどうかを初見でバッチリ見極めることは非常に難しいのです。

そこで、「新規の案件は、ごくごく小さく受ける」ということです。

まずは小さい仕事をする中で、お客さんが「招かれざるお客さん」だと判断出来たら、その小さな仕事で終わらせ、その後は仕事を請けない・・・そんなリスクヘッジが重要になります。

新規案件獲得の営業マンはWebサイトとSNSだけでいい

いままで新規のお客さんはすべてWebサイト経由か知り合いからの紹介でつながってきました。

DMをしたり電話営業をしたり、アポをとって営業したり、飛び込み営業をしたりなど、非効率的すぎると考えています。

そもそも、もし自らのWebサイトで仕事が取れないのなら、Web制作屋としてはいかがなものかと思います。

徹底的にWebサイトを練磨すれば、じゅうぶん優秀な営業マンとして仕事を獲ってきてくれることでしょう。

自分の価値観をベースに理想の働き方に落とし込む

フリーランスが最高だと思うのは、仕事(働き方)を選べる点につきると思います。

毎日の通勤が嫌であれば、どこでも働ける仕事のみ請ければいいですし、

毎日、長時間働くのが嫌であれば、そもそも請ける仕事の量を減らせばいい

当たり前のことなんですけどね・・・。意外にこれができないフリーランスが多いんです。

ちなみに自分は

・慌てたくないので納期がシビアな案件は請けない

・仕事の量自体、上限を設ける(1日8時間程度の仕事でさばける量まで)

・ストレスを感じさせるお客さんとは仕事をしない

・自分の最低作業単価(時給)を設定してそれより低くなる仕事は請けない

・仕事が楽しくやりがいがあり、社会貢献にもなる仕事はお金は関係なく打ち込む

こんな感じで充分です。

同業フリーランスの「営業」についての声を聞いてみる

まとめ

フリーランスになるためにWeb系のスキルを頑張って身につけていた昔・・・「営業」に関してはまったくの素人のまま独立しました。

何とかやってこれたものの、営業の心得が無いことで多くの犠牲を支払いました。

営業とはお客さんのニーズと自らの価値感のすり合わせだと思っています。

ぜひ、信頼のおける良いお客さんを見つけ、Win-Winの関係を築くために営業活動に励んでみてください。


この複業ワーク推進メディア「ウィズパラ」を運営する株式会社パラワークス(Wantedly
ページはコチラ
)では、優秀なスキルを持つ複業志向を持つ方からのコンタクトを常に募集しております。

デザインスキル・プログラミングスキル・マーケティングスキル・広告運用スキル・ディレクションスキル・ライティングスキルなど必要としているスキルは多種多様。

転職ではなく複業ワークという働き方に興味があるエンジニア・デザイナー・マーケター・ディレクターの方は、ぜひ問い合わせフォームからお声がけください。

ParaWorks社長中村さんの「ウィズパラを運営する僕の”建前”と“本音”」もぜひ合わせてお読みください。思わず連絡したくなりますよ。

ウィズパラを運営する僕の”建前”と“本音”


この記事を書いた人

山崎岳史

東京都中野区のフリーランスでWeb制作を行っております。
Web制作会社から独立してから、13年が経ちます。

おもにマークアップやJavascriptのコーディング、Wordpressのカスタマイズなどフロント回りの開発が得意ですが、PHPとMySQLを連携させたシステム開発もよく行います。
ビジネス系メディアへの寄稿などライターとしても活動しています。

自分の最大の売りは、即レススキルと誠実さ(自分で言うなw)だと思います。

最近は、フリーランスや複業(複数の生業を持つ)という働き方の素晴らしさに気づき、この新しい時代の働き方の普及活動をしています。

このメディアでこの変化の早い世の中で、いかにすればフリーランスとして活躍していけるか有益な情報を発信していきます。

この記事を書いた山崎岳史個人に仕事のご依頼やご相談、世間話や飲みのお誘いなどがある場合は、コチラまでお気軽にご連絡ください。

この記事がためになったなぁという人は、SNSで紹介いただいたり、下記のSNSアカウントをフォローしていただけると嬉しいです。

寄稿・取材協力を頂ける方はこちら ワーカー登録ボタン 企業ご担当者様へボタン
ワーカー登録バナー ワーカー登録バナー
あなたにオススメの記事
複業ナレッジ・ノウハウ
フリーランス再就職天職複業
2022.05.14
技術をつけるには就職が一番!?フリーランスの再就職戦略

フリーランスはスキルを高い水準で維持するのが大変です。
いつの間にか知識やスキルが陳腐化し、まるで浦島太郎状態と呼べる状態になります。
フリーランスとして活躍し続けたいのであれば、逆に再就職はアリというテーマで今日は話していきたいと思います。

複業ナレッジ・ノウハウ
2023.11.24
先進国転落!?辺境の貧しい国になりさがる日本でフリーランスは…

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。 複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必 […]

複業実践インタビュー
パラレルキャリア美容師複業複業実践インタビュー
2020.02.04
【複業実践者インタビュー】「手仕事×IT」で職人を未来へ繋ぐ…

フリーランスや複業・副業をいう働き方が社会に浸透してきていますが手仕事系の技術者の理美容師にもその流れが起き、正規雇用、業務委託に次ぐ第三の働き方として注目を集めています。 「複業美容師.com」はそんな時代背景を元に多 […]

複業ナレッジ・ノウハウ
2022.11.25
サラリーマンとフリーランスはどっちがリスキー?フリーランスの…

皆さんはサラリーマンとフリーランスであれば、人生においてどちらがリスキーだと思いますか?
ある日唐突に仕事がなくなったら?病気やケガで働けなくなったら?職場の人間関係でストレスがたまり精神的におかしくなったら?転勤を命じられたら?などなど・・・。
今日は人生のリスクにいかに対峙すべきか、サラリーマンとフリーランスの働き方を比較して見て行こうと思います。

ページの先頭へ