生涯1社で働く「終身雇用」という制度は、今となっては少し昔話のように聞こえるかもしれません。

政府は年度内に、副業(複業)や兼業に対して事実上の解禁を執行しようとしています。現在、すでに国が着手している内容は「就業規則の副業禁止規定を改定」「長時間労働が起こらないように労働時間や健康管理の指針を盛り込んだガイドラインの策定」です。こうした動きから、まさにいま「働き方改革」の手段のひとつに「副業」や「複業」などが必要であると読み取ることができます。


副業(複業)を企業はどの程度認知しているのか

2017年に、ソフトバンクやディー・エヌ・エー(DeNA)などの大手企業が副業解禁を発表。ここで注目された言葉が「複業」。自分のキャリアやスキルを本業以外でも同様に発揮する働き方です。

一方で、8割以上の企業が社員に副業(複業)を認めていないのも現状で、企業は副業(複業)を解禁するための様々な課題をズルズルと引きずっているとも言える状況です。

そこで政府は、副業・複業・兼業を容認して企業に推進することで、多くの企業や働き手に「新しい働き方」を考えさせるきっかけを作ろうとしています。

AI(人工知能)元年、VR(仮想現実)元年、仮想通貨元年と注目キーワードが世間を賑わせてきましたが、2018年はまさに「複業元年」が日本で働く人々に大きな影響を与えると断言しても間違いではないでしょう。

なぜ政府が複業(副業)を容認するのか

この背景には、ズバリ「少子高齢化による労働力不足」という問題があります。問題といっても”危機的なレベル”ともいえます。このように、日本は人口減少の傾向にあるため、企業は優秀な人材の獲得だけでなく、人材流出や離職などをとにかく止めたいという一心であるのが事実。

一方、個人レベルで見ても、会社が自分の人生の責任をとってくれるわけではないため、人生100年時代という思考を持った複業(パラレルキャリア)という選択肢を持つ必要があるとも言われています。

しかし、このような現状でも、8割以上の企業が副業(複業)を禁止しています。その根拠のひとつが、厚生労働省が策定する「モデル就業規則」。ここには原則的に、副業の禁止が明示されているわけです。

(遵守事項)第11条⑥許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。

(懲戒の事由)第62条⑦第11条、第13条、第14条に違反したとき。

※ 厚生労働省モデル就業規則より抜粋

そこで厚生労働省は、この副業禁止の記述を見直し「原則的に副業・兼業を容認」の内容へ改定する方向で動いています。そもそも、モデル就業規則に強制力はないのですが、問題はこれを参考にして自社の就業規則を策定してしまっている企業があるということなのです。そのため、国が主導して行う改定は、多くの企業の「副業禁止規定」が再度見直される機会になると同時に、いま必要な就業規則を新たに策定するチャンスにもなると言えるのです。

複業(副業)解禁に懸念材料は?

当然ながら、副業(複業)にはメリットだけではなく、懸念材料もあります。代表的な懸念材料は「長時間労働」。正社員であれば、本業として勤めている1社で働いた時間や給与などを算出して、雇用保険や社会保険が決められるため、当然ながら副業(複業)を行うと算出が難しくなります。

このような長時間労働化に伴う様々な問題に対して、厚生労働省は「副業(複業)を禁止するガイドライン」ではなく「政府として容認姿勢を明確にし、副業・複業・兼業を推進していく」というニュアンスのガイドラインを盛り込み、一歩ずつ働き方改革を前進させているのです。

“真の働き方改革”へ

以上のことから、副業(複業)は国で禁止しているわけではなく、むしろ”副業・複業・兼業を推進”し、日々試行錯誤を続けて”真の働き方改革”を実現させようとしていることが、ご理解いただけたかと思います。

少子高齢化は止まりません。できることは”一人ひとりの存在価値”をいかに今まで以上に高められるか。皆さんも、今一度じぶんの働き方を見つめ直してみてはいかがでしょうか?

 

 

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