Webマーケターなら絶対に知っておくべき行動心理学応用テクニック

複業ナレッジ・ノウハウ

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスの山崎レモンサワーです。

複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。

昨今の広告媒体には、Webサイトに限らず、テレビCM、チラシや店頭のPOPまで行動心理学を駆使した表現のオンパレードなのは皆さんご存知でしょうか?

FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSでは、いかに人間を熱中させられるか(ドーパミンを放出させられるか)という脳科学の知見をもった科学者が開発に参加しています。

現代のビジネスシーンではいかに人の心を惹きつけられるかは行動心理学や脳科学などの知識を持っているかいないかで大きな差がついてきます。

クライアントの利益にコミットしなければならない、Webマーケターであれば、行動心理学や脳科学などのリテラシーを高めておくのは必須の要件と言えます。

今日は特に重宝されるWebマーケティングに応用可能な行動心理学の応用テクニックをいくつか紹介してまいります。

マーケティングに応用できる行動心理学応用テクニック

カクテルパーティ効果

カクテルパーティー効果とは、パーティのような騒がしい状況や多くの人が雑談をしている中でも、自分に必要な声はしっかりと聞き取れるようになる効果のことです。
話している人が自分と関係の深い人だったり、「この人ならこういうことを言うのではないか」という予測が働きやすい人物だったりすると、脳の補完が利きやすくなると考えられています。

また注意を払っていない音声に被験者の名前を混ぜると、被験者の注意が移ることも実証されています。

この効果は聴覚だけでなく視覚でも同様におこる効果で、Webマーケティングに応用する場合は、どのようなテクニックが考えられるでしょうか。

カクテルパーティ効果をWebマーケティングに応用するためには、Web上で自分に関係があると思ってもらうきっかけを作ることが効果的だと考えられます。

例えばコンテンツに
ターゲットのの住所、周辺環境、勤務地などを含める
例:例えば「中野区へお住まいのあなたへ」や「都心へ通勤されている方へ」などの見出し

ターゲットの年齢、性別、職業、役職、学歴、家族構成などを含める
例:「技術職の人が知っておきたいコミュニケーションスキルとは?」「平日休みな方にぴったりな旅行プランとは?」など

ターゲットの目標、現状、悩み、信念などを含める
例:「早期リタイアを目指している方へ」や「将来の薄毛が気になっている人へ」

などがあげられます。

より詳細な属性をピンポイントに指定すればするほど、属性に合致する人の興味は増していきます。

スノップ効果

スノップ効果とは、ある商品やサービスが人気でたくさんの人に利用されると、ありふれて希少価値がなくなるため購入意欲が下がったり、他の希少価値の高い商品やサービスを求めるようになったりする心理効果です。

人間には、他所と自分とを区別する心理が働くためと言われています。キャラかぶりを避けてキャラを立てるということですよね。

ではこのスノップ効果をWebマーケティングに応用するとすれば、どのようなテクニックになるでしょうか。

簡単です。

売りたい商品やサービスが「オリジナリティ」と「希少性」があることをPRすればいいのです。

オリジナリティを高める具体的な施策としては

・オーダーメイドサービス
・一点物のデザイン
・オプションを増やしてカスタマイズ可能

などが挙げられます。

希少性をもたせるのによい具体的な施策としては

・数量限定商品
・期間限定商品
・会員限定商品
・地方限定商品

などのように商品の販売を限定します。
これも、多くの通販でよく見る手法ですよね。

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは、ある商品やサービスが多数の人に支持されていることで、より一層、指示が多くなる効果のことです。
目玉商品とか人気No.1とかポップのついている商品は間違いないということで、ついつい注文してしまうというやつです。

行列のできるラーメン屋には、行ってみたくなる心理も同じことですよね。

ラーメン屋の中には行列を作り出すために、わざと席数を少なくしたり、行列ができるようラーメンを提供する時間をコントロールしたりするそうです。・・・確かに良い戦略です。

実際には味は関係なく行列があるというだけで、並びたくなる。それに実際に美味しく感じてしまう・・・それもこのバンドワゴン効果というやつです。

ではこの「バンドワゴン効果」をWebマーケティングに応用するとすれば、どのようなテクニックになるでしょうか。

やはり、売り出したい商品やサービスがいかに圧倒的に人気があるかというのをPRするという事になるでしょう。

「人気No.1」という文言を入れたり、「開店10分で売り切れ必至」や「2ヶ月予約待ち」などのコピーを入れるのが効果的です。

ハロー効果

ハロー効果とは、人間の心理の1つで、対象物に対して後光を感じ取ると、対象の印象を歪めてしまう心理現象を指します。

ここでいう「後光」は、「権威」とか「影響力」という言葉に置き換えても良いと思います。

たとえば自分が心酔しているアーティストやアスリートが好きだと公言している商品やサービスだと自分もひっぱられて好きになってしまう・・・のような効果です。

ハーバード大学とかオックスフォード大学の教授とかNASAの研究者など権威ある機関の人物が発言したことには、どう考えても正しいんだろうなぁと思ってしまいますよね。

ではこの「ハロー効果」をWebマーケティングに応用するとすれば、どのようなテクニックになるでしょうか。

ハロー効果は「誰が」言及しているかで効果に差が出ます。

テクニックは非常にシンプルです。

より影響力のあるタレントやインフルエンサーに売り出したい商品やサービスのプロモーションをしてもらうということになります。

より多くの人にリーチできるという理由だけでなく、人の心をつかむ力が大きいから著名人やインフルエンサーになれたわけですから、その宣伝効果は絶大です。

ザイオンス効果

別名「単純接触効果」とも呼ばれています。
このザイオンス効果とは、相手に何度も繰り返し接触することによって、だんだん好感度や評価などが高まっていくという効果です。

この「単純接触効果」をもとに、よく恋愛を成就させる際のテクニックとして、好きな人の近くにいつづけることというアドバイスがされることがありますね。

ではこの「ザイオンス効果」をWebマーケティングに応用するとすれば、どのようなテクニックになるでしょうか。

2つあげるとすれば「メールマガジン」と「リターゲティング広告」の活用です。

「メールマガジン」をもともと興味を持ってくれているターゲットに登録してもらう事で、一定の頻度でお客さんとの接触機会を得ることができるので、ザイオンス効果を高めつつ、定期的に購買に結びつけられることが狙えます。

「リターゲティング広告」とは、広告主のWebサイトを訪問したターゲット顧客の行動を追跡し、他サイトの広告枠上でも自社のWeb広告を表示させる手法です。
ターゲティング広告で何度も同じ内容を見かけることにより、ターゲット顧客はザイオンス効果も手伝って、その広告をクリックする可能性が高まります。

ウィンザー効果

クチコミやレビューなどの第三者から間接的に情報が伝達することによって、より信憑性や信頼感が増すという心理効果です。

褒められるときに、誰かを経由して、○○さんが褒めてたよと言われると、本人から直接褒められた時よりも嬉しく感じるなどもこの、ウィンザー効果が効力を発揮していると言えるでしょう。

ではこの「ウィンザー効果」をWebマーケティングに応用するとすれば、どのようなテクニックになるでしょうか。

最も一般的なのはクチコミやレビュー、お客様の声を自社のWebサイトに掲載することになります。

ただ自社サイトに掲載する場合、これらのクチコミやお客様の声がサクラ(偽物)ではないと信じてもらうようにリアリティのある本物のコンテンツを集める工夫が必要になります。

コンコルド効果

コンコルド効果とは認知バイアスの1つでサンクコスト効果とも呼ばれ、ある対象に対して時間・金銭・努力などを投資している時、このまま続けると損失が出るとわかっているのにそれまでの投資を惜しいと感じて、投資を継続してしまう心理効果のことです。

株式投資で悪いニュースが出た銘柄を、一刻も早く損切りすべきなのに、評価損が大きくなってしまったのでいつまでたっても損切りできず、時間経過とともにさらに損失が大きくなってしまったときの心境もこのコンコルド効果で説明がつくでしょう。

ではこの「コンコルド効果」をWebマーケティングに応用するとすれば、どのようなテクニックになるでしょうか。

たとえば、ソシャゲのガチャやUFOキャッチャーなど、いくらかければ確実に手に入るというわけではない不確定要素が存在するサービスなどがこれに該当するでしょう。

サービスや商品にこの不確定要素を導入することにより、今まで課金したお金がもったいないという気持ちとどうしてもその商品がほしい気持ちから手に入れるまでお金をかけ続けてしまうことを狙う訳です。

他にもスタンプカードの発行や、タイムセールも買っておかないともったいないという気持ちにさせるコンコルド効果を利用したWebマーケティング戦略の1つです。

決定回避の法則

決定回避の法則とは、選択肢が多すぎると人間は決断力が低下し1つのものを選べなくなるという心理法則のことを言います。

スーパーに売っているジャムの種類が6種類程度であれば、ストレスなく選択して購入できるのに対し、24種類ものジャムが陳列されている場合、購入率ががくんと下降することが実験で明らかになりました。

選択肢が多いと、いっけん親切で購買意欲が掻き立てられるように感じますが、まったくの逆で、人間は候補が多すぎると選べなくなってしまうようです。

ではこの「決定回避の法則」をWebマーケティングに応用するとすれば、どのようなテクニックになるでしょうか。

多くの選択肢がある場合は、商品群をいくかのカテゴリに分けて一回に見せる商品数を減らし、購入者に選択する際の心理的ストレスを感じさせないなどが挙げられます。

アンケートなども選択肢を多くしすぎると回答するのに疲れて離脱してしまうなども考えられるので、極力、閲覧者の選択の負担を軽減することを意識したサイト作りを心掛けると良いでしょう。

シャルパンティエ効果

シャルパンティエ効果とは、同じ重さで体積の異なる2つのものを比較した時、体積が大きい方を軽く感じてしまう心理効果を言います。

ビタミンC 2g 配合より
ビタミンC 2000mg 配合のほうが、圧倒的に効くように錯覚してしまうのもシャルパンティエ効果になります。

ではこの「シャルパンティエ効果」をWebマーケティングに応用するとすれば、どのようなテクニックになるでしょうか。

先述の例えのように、まったく同じ量を指していても、単位を少し変えるだけで印象はガラリと変わります。

商品説明でビタミンや乳酸菌の配合量を表記する時は、シャルパンティエ効果を意識した表記を用いるべきでしょう。

カリギュラ効果

カリギュラ効果とは、禁止されるほどやってみたくなってしまうという心理効果の一つです。

ではこの「カリギュラ効果」をWebマーケティングに応用するとすれば、どのようなテクニックになるでしょうか。

わかりやすく具体例のみで紹介します。

「ドモホルンリンクルは、初めての方にはお売りできません」

「絶対、ひとりでは見ないでください」

「正直、人には教えたくないのですが」

「本気で稼ぎたい以外は、申込をしないでください」

などなどです。
多くの広告に掲載されていますよね。

ツァイガルニク効果

ツァイガルニク効果とは、中途半端に終わってしまった物事については、キレイに完了した物事についてよりも、記憶に残りやすいという心理効果のことです。

簡単にいうとおあずけけを食らうと、強く印象に残って頭から離れなくなるという心境ですね。

マンガもキリの良いところで、1話を終わらすのではなく、中途半端で次回どうなるのぉというキリの悪いところで終わらせますよね。

そうなるといつまでも気になってしまい、次回も必ず観ようとなるわけです。

ではこの「ツァイガルニク効果」をWebマーケティングに応用するとすれば、どのようなテクニックになるでしょうか。

・まずは無料で導入を促す
・キリの悪い状態で終わらせる
・必ず次回に期待させる

ようは情報の出し惜しみをするということですね。

アンカリング効果

最初に印象的な情報を与えることにより、その後の意思決定に影響を及ぼす効果を指します。
人は情報が揃っていない時、特定の情報に頼ってしまい、それを基準としてしまう場合があります。

最初に極端に高い料金の商品を案内し、そのあとにそれよりも安い商品を案内すると、後者の商品がリーズナブルに感じるなどです。(後者の商品を最初に提示してしまうと、最初の高価な金額がアンカリングとして作用せず、後者の商品にリーズナブルさは感じません)

ではこの「アンカリング効果」をWebマーケティングに応用するとすれば、どのようなテクニックになるでしょうか。

ECサイトなどでよく見かける、

参考相場価格 ¥600,000 → 今だけ価格 ¥280,000

のような記載が例として挙げられます。

参考相場価格に根拠に乏しい金額であったとしても、アンカリングとして作用して、減額された価格が安いと感じてしまいます。

フレーミング効果

フレーミング効果とは、物事を表現する枠組み(フレーム)を変えて見方や基準をずらすと同じことでも読み手が違う印象を持つという心理効果を言います。

簡単な例を挙げると

「この手術では10人中1人が亡くなりました」

「この手術では9割が成功しています」

では同じ意味だとしてもだいぶ印象が異なってくるという事です。

また、フレーミング効果にはメリットを強調するなどポジティブな表現を用いた「ポジティブフレーム」と損失を協調するなどネガティブな表現を用いた「ネガティブフレーム」の2種類があります。

ではこの「フレーミング効果」をWebマーケティングに応用するとすれば、どのようなテクニックになるでしょうか。

ランディングページで商品の良さをアピールする時はポジティブフレームを使用します。

例:
〇 98%もの方がこの商品をリピート購入されています
× 2%の方のみが、この商品の購入は1回のみでした

ネガティブフレームを用いるケース
例:
〇 白アリ対策をしなかったばかりに不動産価値が半減
× 白アリ対策をしていたのでキレイな家が維持できました

まとめ

すでに世間に出回っている商品やサービスのプロモーションには、これまで挙げてきた手法が、ふんだんに駆使されています。
優秀なマーケターや、広告マンになるには、これら行動心理学のリテラシーは必須と言えるでしょう。

また一般消費者目線でも、行動心理学のリテラシーを身につける事によって、人間には脳の構造上、認知のゆがみが生じてしまい合理的な判断ができなくなる事を肝に銘じる事によって、不必要な出費を抑える防御策にもなります。

これ以外にも、まだまだ行動心理学で学ぶべきことはたくさんあるので、優秀なWebマーケターになることを目指す方は、ぜひ研究してみてください。


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この記事を書いた人

山崎岳史

東京都中野区のフリーランスでWeb制作を行っております。
Web制作会社から独立してから、13年が経ちます。

おもにマークアップやJavascriptのコーディング、Wordpressのカスタマイズなどフロント回りの開発が得意ですが、PHPとMySQLを連携させたシステム開発もよく行います。
ビジネス系メディアへの寄稿などライターとしても活動しています。

自分の最大の売りは、即レススキルと誠実さ(自分で言うなw)だと思います。

最近は、フリーランスや複業(複数の生業を持つ)という働き方の素晴らしさに気づき、この新しい時代の働き方の普及活動をしています。

このメディアでこの変化の早い世の中で、いかにすればフリーランスとして活躍していけるか有益な情報を発信していきます。

この記事を書いた山崎岳史個人に仕事のご依頼やご相談、世間話や飲みのお誘いなどがある場合は、コチラまでお気軽にご連絡ください。

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