【企業インタビュー】多様性のある働き方をカタチする——773spot(ナナミスポット)

複業実践インタビュー

妊娠・出産・育児……女性のさまざまなライフステージを乗り越えて、クリエイターとして活躍するママたちがいます。

フリーランスで仕事をしている牧ひとみさんもその1人。2人のお子さんの病気をきっかけに、今の働き方をはじめられたそうです。

773spot 代表 牧ひとみさん

——牧さんはどのようなお仕事をされているのでしょうか?

「ドキドキワクワクを成果に繋げるモノづくり」をコンセプトに、WEBやDTPのディレクションやデザインを手掛けています。「成果のでない、伝わらない」モノでは、どんなに多くの人の目に止まっても、心にまでは響きません。例えば、バナーひとつにしても、どんなにデザインが優れていても、ユーザーの購買意欲が上がらなければ、成果としては残りません。ですので、しっかり成果に繋げるために、ヒアリングから納品まで一貫したサービスを提供し、お客様と「ドキドキワクワク」を楽しみながらゴールを目指しています。

——なるほど。ユーザーの心に届くモノづくりを大切にされているんですね。

最近はチームでの仕事にも力をいれているとか。

そうなんです。ありがたいことにナナミスポットでは、順調に受注案件が増えてきました。多くの人の視点からモノづくりをしていくことで、メンバー間のスキルアップにも繋がります。また、多角的なビジネスの観点からお客様にお仕事のご提案ができることから、チームでの活動にも力を入れています。

——多様なメンバーとのモノづくりを大事にしながら、顧客への提案に活かしてらっしゃるんですね。チームにはどのようなメンバーがいますか?

動画撮影や編集、デザイナー、ライター、エクセルを使った事務作業ができる人など、男女関わらず様々なメンバーがいます。わたしも子どもが2人いますので、割合的には子育て中のママさんが多いですね。

——みなさん得意分野があるんですね。

  子育て中のママさんもチームで働けるのは素晴らしいですね。

はい、稼働できる時間もそれぞれですが、限られた時間の中で専門分野を活かしてご活躍されています。

——チームで仕事をしてよかったことは?

チームワークを発揮することで、作業効率が上がることです。わたし一人では受注できなかった大きい案件も、チームなら分担して作業ができるので、以前よりも積極的にお仕事のご提案ができるようになりました。また仲間がいることによって、仕事のノウハウの共有ができたり、時には他愛ない会話をすることで、精神的にもプラスに働いたりと、メリハリをもって仕事をすることができますね。

——チームの仲間たちとシェアすることが、思わぬ相乗効果をもたらしているんですね!

——牧さんが在宅ワークをはじめたきっかけは?

元々は新卒で13年間デザイン会社に勤務していました。その間に結婚、妊娠、2人の子育てを経験しましたが、2人共「てんかん」という病気を発症し、入退院を繰り返すようになってからは、外勤は厳しいかもしれないと思うようになりました。

そして徐々に、「もっと子ども達との時間を大切にしたい」「できる限りのことをしてあげたい」という気持ちが強くなり、独立することを決意したんです。

——病気をかかえる子ども達への思いがきっかけになったんですね。

実際に在宅ワークをはじめてみたことで、生活に変化はありましたか?

一番よかったのは、子ども達のスケジュールに合わせて仕事の予定が組めるようになったことです。もちろん仕事を優先しなければならない時もありますが、子ども達は常日頃からわたしの働き方を見てきているので、そんな時は「お母さん頑張って!」と背中を押してくれます。

子ども達の理解があるからこそ、今日まで働き続けることができています。

——牧さんご自身が多様性のある働き方を実現しているんですね。

773spot(ナナミスポット)という名前の由来を聞かせてください。

773spotという屋号の由来ですが、773(ナナミ)は、わたしと子ども達の名前からそれぞれ一文字ずつとり、spot(スポット)は場所で、この事業が「3人の居場所」になるようにと願いが込められています。

もしも将来、「てんかん」のせいで思うように働けなかったり、周りから差別中傷を受けて、自分の居場所がなくなってしまった時に、子どもたちの居場所を、先に自分が作っておけばいいんだと考え、773spotを立ち上げました。

——大きな愛に満ちた素晴らしい屋号ですね。

773spot(ナナミスポット)の今後の展開で考えていることはありますか?

事業のきっかけは子ども達ですが、ゆくゆくは法人化も視野に入れ、育児や介護、病気や障害のある人でも、安心して得意分野を発揮できる、多様性のある働き方をカタチにしていきたいと考えています。

——牧さんがおっしゃるように、様々なライフステージや困難さを抱えた人でも気兼ねなく働ける社会に私たちもしていきたいですね。

インタビューを終えて・・・

——多様性のある働き方の受け皿。

  

牧さんは最初は病気を抱えた子ども達の「居場所」を創り出すため、在宅ワークを通して独立を決心されました。いまでは、その居場所は、妊娠・出産・育児・介護など様々な事情を抱えながら働く女性たちのための「居場所」にもなっています。インタビューをさせていただいた私自身も小さなこどもを持つ親ですが、育児をしながら仕事をするのは予定通りには進まず大変な時もあります。私のようなママでも自分の都合にあわせて、限られた時間の中で働くことができるのは本当にありがたいと思いました。

773spot(ナナミスポット)——この名前に親としての愛が込められていることを知って、とても感動しました。

牧さん、お忙しい中ありがとうございました!

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