フリーランスが健康的に働くためには?メンタルヘルス調査結果

複業ニュース

ビジネス系フリーランス女性と企業とのマッチング事業「Warisプロフェッショナル」と、女性のための再就職支援事業「Warisワークアゲイン」を通じ、多様な生き方・働き方を創出する株式会社Waris(以下Waris)は、「フリーランスのメンタルヘルスに関する調査」*¹を2019年1月~2月に実施し、この結果を公表。

今回は産業医の先生方のご協力*²を得て、仕事と生活の両面に関する設問項目を通じてフリーランスのメンタルヘルスの実態を明らかにしました。その一部をご紹介します。

*¹ インターネット上で2019年1月30日~2月20日に実施。有効回答数370名。男性32%、女性68%と女性が多く、年収は時間単価3000円以上が50%、年収500万円以上が44%を占め、比較的高単価なフリーランスが中心

*² くまもと産業医サービス顧問産業医の中田博文氏、医療法人桜十字産業医の田村拓也氏が協力。詳細なプロフィールは本記事下部にある調査結果レポートP29をご参照ください

フリーランスのメンタルヘルスは会社員よりも良好

フリーランスのメンタルヘルスは会社員より良好

フリーランスと会社員*3とでメンタルヘルスはどちらが良好かを比較しました。結果、フリーランスの方が会社員よりメンタルヘルスが良好で、メンタルヘルスが良好なフリーランスは69.5%に対して、会社員は56.9%でした。

 

メンタルヘルスの状態を細分化した「疲労感」「ミス増加」といったストレス反応項目で比較してみても、フリーランスは会社員と比べて疲労感、ミス増加といったストレス反応が出ている人は少なく、メンタルヘルスが良好でした。疲労感があると回答した人は、会社員71.3%に対してフリーランスは52.7%。ミスが増加していると回答した人は、会社員は40.6%に対してフリーランスは25.9%でした。
*3 監修の産業医である中田氏より提供のさまざまな業種職種をふくむ会社員データとの比較。詳細は本記事下部にあるレポートP13をご参照ください

時間単価や仕事満足度が高いフリーランスほどメンタルヘルスも良好

時間単価や仕事満足度が高いフリーランスほどメンタルヘルスも良好
仕事の成果を示すものとして他者評価である「時間単価」、また自己評価である「フリーランスになったことへの満足度」について、メンタルヘルスとの関係については、時間単価は高い方が低い方に比べてメンタルヘルスが良好。細かく分けてみると「疲労感」「ミス増加」も良好でした。
疲労感があると回答した人は、3,000円未満が58.7%に対して3,000円以上は46.8%。ミスが増加していると回答した人は、3,000円未満が32.6%に対して3,000円以上は19.4%でした。

 

また、フリーランスとして働くことに満足かどうかを5段階に分けて回答してもらったところ、満足度が4以上の方が3以下に比べてメンタルヘルスが良好という結果でした。

メンタルヘルスが良好なフリーランスは生活習慣や仕事スタイルに工夫あり

メンタルヘルスが良好なフリーランスは生活習慣や仕事スタイルに工夫あり
生活習慣(食事・運動・睡眠)については、特に睡眠に気を付けることで、良好なメンタルヘルスがもたらされるという結果に。同時に、健康問題を抱えていることで、仕事上のストレス反応を大きくすることもわかりました。
健康問題自体が、身体的にストレス反応を生じさせていること、また健康問題を抱えていることで、将来の仕事等への不安等から、ストレス反応につながっている両面の可能性が想像されます。

 

さらに、仕事の負荷を低減するには「(仕事上の)マイルールの確立」と「人的ネットワークの拡充」が有効であることも、今回の調査で伺えました。
ストレス反応の低いフリーランスの方に個別に行ったヒアリング調査では、クライアント企業との契約基準や自身の働くスタイル(稼働時間、稼働場所)を明確化し、自身で受注する内容をあらかじめ決めておく「マイルール」を確立していました。例えば、過去の案件で方針が二転三転したクライアントからの新規の仕事は断る、子育て中のため基本的に日中しか打ち合わせ時間は設けないといったことです。
また、仕事上で必要な協力を周囲から得られるといった人的ネットワークを持っていることが、仕事の負荷を緩和している結果も出ました。

 

こうしたマイルールや人的ネットワークは、フリーランスになる以前に従業員として勤務した経験によって、培われることが想像されます。実際、従業員勤務経験年数が長いフリーランスほど人的ネットワークが充実していました。

 

今回の結果から「周囲との協力関係を持つこと」「前向きな気持ちを持つこと」がストレス反応の低減に特に有効のようです。この2つは、行動すること自体に喜びを感じる「内発的動機」を高める要素と言えます。そういったモチベーションを自己管理する方法を持つことで、良好なメンタルヘルスをもたらす可能性が示されています。

 

本調査結果の全文はこちらをご覧ください。
「フリーランスのメンタルヘルスに関する調査」結果レポート

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