サラリーマンとフリーランスはどっちがリスキー?フリーランスのリスクヘッジ戦略

複業ナレッジ・ノウハウ

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスの山崎レモンサワーです。

複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。

皆さんはサラリーマンとフリーランスであれば、人生においてどちらがリスキーだと思いますか?

ある日唐突に仕事がなくなったら?

病気やケガで働けなくなったら?

職場の人間関係でストレスがたまり精神的におかしくなったら?

転勤を命じられたら?

などなど・・・。

サラリーマンにはサラリーマンの、フリーランスにはフリーランス特有のリスク要因があったりします。

しかし、これまでの日本では、サラリーマンという働き方が安定の代名詞で、フリーランスは不安定の代名詞で、フリーランスという働き方といえば世間の認識はリスクそのものでした。

特に日本人は安定志向が顕著で、自営業よりサラリーマン、さらに安定が望める大企業・公務員などへいかに進むかという成功者のロールモデルが示されてきました。

自分も人生も半ばにさしかかり、数々の大企業や中小企業の就業環境を見聞きし、実際にフリーランスとして働いてきて様々なものが見えてきてわかったことがあります。

たしかに大企業や公務員などの、就業環境は実に恵まれており、福利厚生も分厚く、そこで働くサラリーマンはフリーランスの平均生涯獲得金額に比べて、はるかに多くのお金を獲得できているのも間違いないでしょう。

ただ人生のリスクというのは何も給与が安定して支給され、福利厚生がしっかりしているだけでは測れないものがあります。

さらに昭和や平成ならいざ知らず、日本の最も成功している大企業のトヨタですら、もう終身雇用は維持できないと公言している現在において、人生のリスクにいかに対峙すべきか、サラリーマンとフリーランスの働き方を比較して見て行こうと思います。

お金の安定に対するリスク

今でこそフリーランスという働き方は、世間に浸透したので、お仕事何されてるんですか?という質問に対しフリーでWebの仕事をしていると答えても、おー!そうですか!となりますが、10年以上も前になるとフリーランスの社会的な認知・評価はかなり低いものでした。

どんな仕事か、いまいち理解してもらえず、フリーターみたいなものだと捉えられて、近しい人からはちゃんと定職就いたらと促されたものでした。

その背景には安定至上主義的な日本人の社会通念があるでしょう。

そしてその価値観で言えば、大企業のサラリーマンもしくは公務員が正義で、不安定の象徴であるフリーランスは悪なのです。

しかし本当にサラリーマンは安定で、フリーランスは不安定なのか、さまざまな視点から見ていきたいと思います。

収入はひとえにサラリーマンは安定していて、フリーランスは不安定と言えるのか?

サラリーマンが毎月同じ程度の金額の給与が振り込まれ、フリーランスの収入は毎月かなり変動するというのは事実です。

しかし、毎月一定額の給与が支払われるというのは、完全に正義と言えるでしょうか?

言い方を変えると、どれだけ仕事で結果を残しても、毎月の給与は一定程度に抑制されてしまうという見方もできないでしょうか?

落とし穴・・・サラリーマンが安定と引き換えに失うもの

サラリーマンのデメリットはまさにここだと思っています。

どれだけ仕事で成果を上げても、その期のボーナスに多少反映される程度のインセンティブしか与えられていません。

むしろ仕事を時間内で片付けられず、だらだら残業した人の方が給与が上がるような、給与体系になっている会社がほとんどです。

世界的に見て日本の生産性が圧倒的に低い理由ですよね。

フリーランスの収入は青天井で仕事で成果を出せば、全て自分の収入に跳ね返ってきます。

自分のビジネスで1億円利益を上げれば、それは、全て自分のものです。

サラリーマンであれば多少ボーナスは増えるかもしれませんが、給与は毎月ほぼ同じです。

生産性についても同様です。

サラリーマンは仕事をテキパキとさばき定時で切り上げた人より、ダラダラと仕事をして残業を行う人の方が給与が多い意味不明な給与体系の会社がほとんどです。

フリーランスであれば圧倒的な効率化・仕組み化を実践し、生産性を高めれば、日中、2~3時間だけ働いて充分なお金を稼ぎ、あとは自由な時間を謳歌するといった働き方も可能です。

どうでしょうか?

効率よく生産性を高めた方が優遇されるフリーランスの方が公平で素晴らしいと思いませんか?

もちろんサラリーマンという働き方すべてがフリーランスという働き方より劣っていると言いたい訳ではありません。

ただ、サラリーマンの働き・努力がきちんと正当・公平に給与に反映されるホワイトな企業はごくごく・・・・・・・・ごく少数なのです。

また、サラリーマンの平均給与以上の報酬を獲得し続け、勤務時間も短く悠々自適に活躍できるフリーランスというのはそこまで多くはありません。

ただ、自分のスキルや努力できる才能に恵まれている方であれば、フリーランスという働き方を選んだ方が、多くの報酬を得られ、さらに自由な時間も獲得できる可能性は間違いなく高いと考えています。

病気や事故(ケガ)、介護などで働けない期間を想定してみる

こればっかりは、サラリーマンに軍配が上がりそうですが・・・。

サラリーマンの最大のメリットは病気や事故(ケガ)で働けない期間も有給消化で、収入が補填される点でしょう。

有給は多くても20日~40日程度しか期待できませんが、企業独自の休業補償制度を活用すれば、想定外の病気や事故(ケガ)でも、すぐに収入が途絶えるという事態は回避できます。

さて、フリーランスについてですが、もちろんフリーランスにも急な病気や事故(ケガ)・介護に対応する所得補償制度というのは存在します。

要は保険に入るという事ですね。

ざっと調べてもいくつかフリーランスの所得補償に関する保険サービスが登場しています。

・フリーランス協会の所得補償制度

・フリーランス協会の所得補償制度


・FREENANCEのあんしん補償プラス


サラリーマンのように会社に入社したら自動的に、福利厚生が用意されている安心さには、及びませんが、フリーランスでも自ら情報を収集しこれらのセーフティネットを活用することでリスクヘッジは可能です。

また、フリーランスについては基本的に働く場所や時間は、全て自分で選択・コントロール可能ですので、多少の病気やケガであれば、サラリーマンよりははるかに柔軟に働き続ける事が可能と言えるでしょう。

老後のお金の心配を考えてみる

サラリーマンであれば定年退職時に退職金という大きなお金をあてにできると考えている人も多いでしょう。

たしかにフリーランスには退職金はありませんから、老後の不安を考えた時にサラリーマンの方が安心なんじゃと考えるひとも多いかと思います。

しかし、退職金というのはそもそも、本来、人生の早い時点で支払われるべき報酬を少しずつ先送りストックされたものであるという見方もできます。

社員を長くつなぎ留めておくための制度という見方も出来なくはありません。

また年々、支払われる退職金の額も減少傾向が続いており、今後はその流れが加速し、退職金はさらに減少することが予想されます。

参考:退職金平均額、20年で1,000万減少 退職金が減り続ける理由とは?
https://the-owner.jp/archives/7163

サラリーマンの退職金制度が、本来即時支払われるべき報酬の先送りストックという見方をしてしまえば、報酬から天引きされることのないフリーランスの報酬の方がはるかに良いという見方もできます。

またフリーランスにも、「小規模企業共済」や「iDeCo」といった、節税しつつ老後のためにお金を積み立てておける強力なバックアップ制度があります。

大企業の福利厚生や厚生年金に多少及ばないまでも、フリーランスにも日々の生活や老後の不安を和らげる数々の制度が整備されているわけです。

社会的信用に対するリスク

フリーランスのセーフティネット的な制度の整備が年々進んできており、かつて不安定の象徴と見られていたフリーランスという働き方も日の光があたるようになってきました。

ただ依然としてフリーランスという存在の社会的信用は低いままです。

それを感じる一番のシーンは、住宅ローンを組む際です。

フリーランスでは大きな金額のローンを組むことは非常に難しくなっています。

住宅ローンだけではなく、事業用の借り入れや車のローン審査、クレジットカードの審査なども非常にからく審査されます。

住宅ローンはサラリーマン時代に組んでおけと言われる理由がわかります。

じぶんも10年前に一戸建てを購入しましたが、結局自分ひとりではローンを組むことができず、嫁さんの力を借りてペアローンという形で何とかローンを組むことができました。

社会的信用という意味では、結婚する際も、相手の娘さんのご両親がフリーランスに理解がなければ、結婚を反対されるなんてこともあるかもしれません。

正直自分はフリーランスになってから収入も段違いに増えましたし、働き方もだいぶホワイトになりましたし、人生のリスクからだいぶ遠のいた自覚はあるのですが、社会的信用に関しては、残念ながらサラリーマン時代の方が大きかったといえるでしょう。

ただ、社会的な信用は大事なファクターではあるとはいえ、社会的信用など、結局は他人の目・・・実利を取るのであれば、フリーランスとして成功をおさめる方がはるかにうまみが大きいと確信を持って言えます。

幸福度に対するリスク

いかに大企業が収入が安定していて、入社できれば社会的な承認欲求を満たせるとしても、激務の末、じぶんの幸福度を大きく棄損してしまっては本末転倒です。

パワハラ・モラハラ・セクハラ・サービス残業に強制転勤、リストラ、無駄な会議、付き合いの無駄な飲み会など・・・

しかし、会社を選ぶ際に、これら幸福度の事を考える事は少なく収入の多寡や、社会的認知度の大小などでなんとなく選んでしまうことがなんとまぁ多い事多い事。

確かに幸福度の高い働き方を実現できる会社かどうかは、実際には入社してみないとわからないことが多く、会社ガチャなどと言われている所以です。

とくに日本では入社したら定年まで働くというのが長らく常識になっていましたから、転職の機会は世界的に見ても少ない方でしょう。

たまたま入社した会社が理想のホワイト企業である確率は相当低いと思われます。

その意味では、この幸福度激低リスクの落とし穴に陥るのは、圧倒的にサラリーマンと言えるでしょう。

フリーランスは能力さえあれば、仕事の内容も付き合うクライアントや仕事仲間もすべて自分で選択でき、働く時間や場所も自由、仕事は成果を出せばその分リターンに跳ね返ってきます。

たかだか給与の額がほぼ一定だというだけで、安定した人生が送れると考えサラリーマンの道を選ぶのは、少々短絡的と言っても良いでしょう。

その他フリーランス特有のリスク/サラリーマン特有のリスク

その他、フリーランスのリスクとしては

  • 油断するとすぐに社会的に孤立する
  • スキルの維持が難しい
  • すべてが自由の為、自分を律し続けるのが難しい
  • 大規模な業務に携わる事ができない
  • クライアントとのトラブルにひとりで対応・解決しなければならない

サラリーマンのリスクとしては、

  • 源泉徴収され放題(節税することができない)
  • 上司ガチャ・部下ガチャで大ハズレを引いてしまう
  • 行きたくもないゴルフ・飲み会での出費
  • 長い通勤に時間と労力を奪われるリスク
  • 転勤・サビ残・やりたくない職場への配置換え等のリスク

などが挙げられます。

サラリーマンもフリーランスも一長一短で、必ずしもどちらが良いという訳ではありませんが・・・。

フリーランスという働き方は、決して不安定ではなく、自分自らの努力を正当に反映させることができ、多用な価値感、多用なライフスタイルを実現させることができる選択肢であると確信しています。


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この記事を書いた人

山崎岳史

東京都中野区のフリーランスでWeb制作を行っております。
Web制作会社から独立してから、13年が経ちます。

おもにマークアップやJavascriptのコーディング、Wordpressのカスタマイズなどフロント回りの開発が得意ですが、PHPとMySQLを連携させたシステム開発もよく行います。
ビジネス系メディアへの寄稿などライターとしても活動しています。

自分の最大の売りは、即レススキルと誠実さ(自分で言うなw)だと思います。

最近は、フリーランスや複業(複数の生業を持つ)という働き方の素晴らしさに気づき、この新しい時代の働き方の普及活動をしています。

このメディアでこの変化の早い世の中で、いかにすればフリーランスとして活躍していけるか有益な情報を発信していきます。

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