『マイケル・ポーターの競争戦略』を学んで考える今の世でフリーランスがとるべき戦略
100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。
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みなさんは、『マイケル・ポーターの競争戦略』をご存じですか?
『マイケル・ポーターの競争戦略』とは、米ハーバード大学のマイケル・E・ポーター教授が提唱した、「企業が競合他社に勝ち、持続的な利益(競争優位性)を生み出すための経営理論」のことです。
……と聞くと、「企業の経営者が学ぶべき経営学かぁ」なんて思われるかもしれません。私も最初はそう思っていました。
フリーランスとして数字とにらめっこする日々を送るなかで、「これは大企業の話で、自分には縁のないものだ」と。
でも、読み進めるうちに気づいたんです。これは一人の人間がよりよく生きるための人生戦略の内容と言っても過言ではない、と。
経営者でもあり、一個人でもある・・・組織図もなければ、後ろ盾もない。
すべての意思決定を自分一人で背負う、ひとりのフリーランスとして——これ以上の良い戦略指南書はないと、今は断言できます。
今日は『マイケル・ポーターの競争戦略』の内容をめちゃくちゃわかりやすく、要点のみを解説し、そこからフリーランスの行動にどう落とし込んでいけば、これからの人生を賢く立ち回れるかを考察していきたいと思います。
『マイケル・ポーターの競争戦略』の要点
なぜ人は、同じ方向へ走ってしまうのか
誰かが「これが正解だ」と言うと、なぜかみんなが同じ方向へ走り出す。
そんな光景を、見たことがないでしょうか。
SNSの世界でも同じです。
「バズるにはこのフォーマット」
「稼ぐにはこのジャンル」
「売れるにはこの価格帯」
成功者の振る舞いがひとつ見えると、後続のプレイヤーは一斉にそれをマネします。
フリーランスの世界も例外ではありません。
誰かのポートフォリオが評判になれば、似たようなデザインのポートフォリオが量産される・・・。
誰かの価格設定が「相場」として広まれば、みんながその相場に揃えていく・・・。
ポーターはこれを、企業同士が互いの「ベストプラクティス」を模倣し合う構造として説明しました。
競合の良いところを真似し、自分の弱いところを埋めていく。
一つひとつの判断は合理的に見えます。
けれど、その積み重ねの先で起きることは——みんなが、同じ顔になっていくことです。
差別化のつもりでやった改善が、いつのまにか「業界標準」に吸収されていく。
これがポーターの言う「同質化」の正体です。
そして、これは企業だけの話ではありません。
SNSで他人の成功パターンを真似し続け、いつの間にか「自分らしさ」を失っていく個人にも、まったく同じことが起きています。
なんか味気ないし、つまらないし、怖い世界だなぁという気がしてきませんか?
しかし誰しもが疑わずに同じ道を辿ってしまうんです。
「最高」を目指す競争が危険な理由
「最高」を目指す競争がなぜ危険なのか?
結論から言います。最高を目指す競争は、やがて消耗戦になります。
ポーターはこれを「オペレーショナル・エフェクティブネス(業務効率性)の競争」と呼びました。
「もっと速く」「もっと安く」「もっと品質を上げて」——これらはすべて、同じ物差しの上で他者と優劣を競う競争です。
問題は、この物差しの上での「最高」は、誰にでも模倣できてしまうということです。
皆さんが工夫して生まれた効率化の手法は、半年後には競合も取り入れています。
皆さんが頑張って下げた単価は、もっと余裕のある誰かにさらに下げられます。
同じ土俵で「最高」を競い続ける限り、その優位性は決して長続きしません。
フリーランスの世界で言えば、これは「対応の速さ」「価格の安さ」「修正回数の多さ」だけで勝負しようとする状態です。
短期的にはお客様に選ばれるかもしれません。
しかし、これらはすべて模倣可能で、いずれ価格競争に巻き込まれ、削れるのは自分の時間と心、そして利益だけ。
これこそが、消耗戦の正体です。
同じ土俵で戦う限り、勝者は常に「もっと無理ができる人」になる。
そしてその椅子に、永遠に座り続けられる人間はいません。
“独自性”を持つ人が強い理由
世間一般の価値観では、“勝つこと”が尊しとされ、称賛の対象となります。
しかし、マイケル・ポーターは“勝つこと”ではなく“「違い」をつくること”がもっとも重要だと説きます。
これは決して「個性を出せばいい」という安易な話ではありません。
ポーターが語る独自性とは、「誰にも真似されにくいポジションを、意図的につくること」です。
たとえば、同じWebデザイナーでも、「とにかく安くて早い」を武器にする人と、
「中小企業の二代目経営者に絞り、事業承継のストーリーをブランディングに落とし込む」を武器にする人がいたら、後者の方が圧倒的に模倣されにくい。
なぜなら、それは単なる技術力の差ではなく、「誰に向けて、何を、どう提供するか」という、その人自身の選択と経験の積み重ねでしか作れないからです。
独自性のある人は、価格で比較されません。
「他にいないから」という理由だけで選ばれます。
比較される土俵から自ら降りること——これが、独自性を持つ人が強い、本当の理由です。
戦略とは「何をやらないか」を決めること
人生はトレードオフです。
人はお金、成功、名誉・名声、人格、家族、健康、娯楽、趣味ほか、
多くのものを手に入れたがりますが、何かを手に入れるということは、それ以外の何かを手放さなければならないことと同義です。
すべてのものを手に入れようとする行動そのものが疲弊・消耗・破滅へとつながります。
そして何を手に入れようとするかよりも、「何をやらないか」を決めることが、もっとも難しく、もっとも重要だと説いています。
戦略とは「何をやらないか」を決めることなんです。
フリーランスとして独立すると、最初は「全部できます」と言いたくなります。
仕事がない時期はなおさら、どんな依頼でも引き受けたくなる。
自分自身、その気持ちはとてもよくわかります。
けれど、すべてを受け入れるということは、実は何も選んでいないということと同じです。
何でもできる人は、結局「特に何が得意な人なのか」が誰にも伝わらず、選ばれにくくなってしまう。
「この案件は受けない」「この時間は仕事を入れない」「この客層は相手にしない」——そう決めることこそが、実は最も攻撃的で、最も戦略的な一手なのです。
“自分の場所”で生きるという考え方
ポーターが説く戦略の最終的な行き先は、「自分だけが立てる場所(ポジション)を見つけ、そこに根を張ること」です。
これは、誰も狙っていない隙間を探すという小さな話ではありません。
「自分の強み」
「お客様が本当に求めていること」
「競合がやっていないこと」
この三つが重なる場所を見極め、そこに自分の活動のすべてを一貫させていくということです。
たとえば、価格、提供スピード、コミュニケーションの取り方、得意なジャンル、発信内容・・・
これらがすべてバラバラに「いいとこ取り」をしていると、お客さんにも、自分自身にも、「結局、何をしてくれる人なのか」が伝わりません。
逆に、それらすべてが一本の軸でつながっている人は、簡単には他者に取って代わられません。
これをポーターは「活動システムの適合性(フィット)」と呼びました。
“自分の場所”で生きるとは、誰かと比べて優れているかどうかを気にしなくていい場所に立つということです。
そここそが、消耗から自分を守り、長く続けられる唯一の場所なのだと思います。
『マイケル・ポーターの競争戦略』をもとにフリーランスが取るべきアクションプランに落とし込んでみる
ここからは自分なりの解釈です。
AI時代においてフリーランスが取るべき戦略は、「競争に勝つこと」ではなく「競争から半歩ずれること」だと思います。
① 流行のど真ん中を避ける
人が殺到する市場は、基本的にレッドオーシャンになります。
もちろん需要もありますが、供給も増えます。
むしろ、
・ニッチすぎる分野
・地域密着分野
・趣味性の高い分野
・人間関係が重要な分野
のほうが長期的には安定する可能性があります。
② スキルではなく組み合わせを作る
AIは単一スキルを急速に代替しています。
だからこそ、
・Web制作 × 地域活動
・デザイン × コーチング
・AI活用 × ライティング
・営業 × コミュニティ運営
のような掛け算が重要になります。
希少性は能力の高さよりも組み合わせから生まれることが多いのです。
③ 人間関係資本を育てる
AIが発達しても、
「この人だから頼みたい」
という価値は残ります。
実際、多くのフリーランスの仕事は検索結果ではなく紹介から生まれています。
信頼はコピーできません。
人との縁はAI時代になっても強力な競争優位性です。
④ 収入最大化より人生最適化を考える
これが最も重要だと思っています。
多くの人は収入最大化を目指します。
しかしポーターの考え方を人生に応用すると、
「自分は何のために働くのか」
という問いに向き合うことになります。
お金なのか。
自由なのか。
家族との時間なのか。
健康なのか。
創作なのか。
社会貢献なのか。
その答えによって取るべき戦略は変わります。
戦略とは競争に勝つためのものではありません。
自分が望む人生を実現するためのものです。
まとめ
『マイケル・ポーターの競争戦略』を学んで感じるのは、
「人と同じことをして勝とうとするほど苦しくなる」
ということです。
特にAI時代のフリーランスは、巨大企業やAIと正面から競争する必要はありません。
大切なのは、
・自分だけの組み合わせを作ること
・やらないことを決めること
・自分が輝ける場所を探すこと
です。
競争社会と言われる世の中ですが、実は本当に強い人は競争に勝った人ではなく、競争しなくてもよい場所を見つけた人なのかもしれません。
そしてそれこそが、マイケル・ポーターが私たちに伝えたかった競争戦略の本質なのではないでしょうか。
みんなの声
マーケティングの教授に「必ず読んどけ」と言われた本。帯に「マイケル・ポーター、クリステンセンに並ぶ」と書いてますが、誇張なしでその通りの本でした。 pic.twitter.com/fE3L2lb9mP
— もとやま (@ysk_motoyama) August 12, 2025
戦略では「何をするか決める」よりも「何をしないか決める」ことが大切と言われています。だから「今年は何をするか」ではなく「今年は何をしないか」を決めた方がいいと思います。やらないことを決めた方が明確になりますよ。
— ぱやぱやくん (@paya_paya_kun) January 1, 2022
マイケルポーターは記事の中で「日本企業には戦略がほとんどない」と言っている。
戦略で重要なのは「何をやらないか」だが、その選択には多くの摩擦が生じる。
一方でカイゼンは誰からの反対もなく、競争優位を獲得できる。
厳しい言い方をすれば、日本企業は戦略の代わりにカイゼンへ逃げ続けた。 https://t.co/p7sSv5r1hu pic.twitter.com/XKP9tu4HfO— 和田らいら@Tabelia代表 (@musicprocession) April 9, 2026
【マイケルポーターの競争戦略はもう古い】
マイケルポーターの競争戦略はもう古い。今の時代は競争より共創です。共創戦略をうまく活用できている人が成功している。いかにみんなで価値創造し、共有しあうか。それがこれからの風の時代の勝ち方です。みんなで成功してハッピーになりましょう!
— なおし | AIレバレッジxグローバルトライブ戦略家 (@uchida704) September 19, 2021
利益を生まない拡大には意味がない。競争優位の目的はライバルを倒すことではなく独自の価値を生むこと。意図して一部の顧客を不満にさせるのが優れた戦略の特徴。やらないことを明確にする。優れた戦略は複数の選択の掛け算に支えられる。#マイケルポーターの競争戦略
— マコなり社長 (@mako_yukinari) December 24, 2017
「戦略とは競争から身を守るための防御手段である。」マイケル・ポーター
戦略というと、いかにも「攻め」のイメージだが、実は他社との差別化を図り利益を確保する事が重要軸。いわば「守り」こそが戦略のあるべき姿。
この考え方を常にベースとして持っている事で、戦略の質が変わると思う。
— 前大信(だいまえ) / SNS×店舗集客 (@Jplat_mae) May 30, 2020
星野リゾートの経営戦略はマイケルポーターの戦略論が根底にあるようです。
如何にコモディティ化を避けて、差別化し、価格競争から脱するか。
全てのビジネスでの共通課題ですね! https://t.co/5JzegSA764— 稲荷のコン🍥 (@konkon2540) July 2, 2022
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この記事を書いた人


山崎岳史
東京都中野区のフリーランスでWeb制作を行っております。
Web制作会社から独立してから、13年が経ちます。
おもにマークアップやJavascriptのコーディング、Wordpressのカスタマイズなどフロント回りの開発が得意ですが、PHPとMySQLを連携させたシステム開発もよく行います。
ビジネス系メディアへの寄稿などライターとしても活動しています。
自分の最大の売りは、即レススキルと誠実さ(自分で言うなw)だと思います。
最近は、フリーランスや複業(複数の生業を持つ)という働き方の素晴らしさに気づき、この新しい時代の働き方の普及活動をしています。
このメディアでこの変化の早い世の中で、いかにすればフリーランスとして活躍していけるか有益な情報を発信していきます。
この記事を書いた山崎岳史個人に仕事のご依頼やご相談、世間話や飲みのお誘いなどがある場合は、コチラまでお気軽にご連絡ください。
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