2026年はどういう年になる?フリーランス目線で考える2026年の立ち回り戦略

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100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。

複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。

もう一年が終わる・・早い・・・毎年言っている気がする。

これはジャネーの法則ってやつですね。
ジャネーの法則っつーのは、「人生のある時期に感じる時間の長さは年齢の逆数に比例する」という法則で、年を取るほど1年が短く感じられる現象を心理学的に説明したやつです。
子どもの頃は1年という時間が今までの人生の大きな割合を占めるわけですが、大人になるとその割合が小さくなることや、新しい体験が減って脳の活動が低下することで、時間の経過が早く感じられるようになっちまうメカニズムのことです。

時間が早く過ぎる感覚になったところでフリーランスとして毎年、無難に活動するというのは本当に大変ですよね。
今年も1年なんとか無事にやってこれた・・ほっ。

来年も無事生き残れるかどうか、今から2026年はどんな年なのかを整理して戦略を練っていきたいと思います。

2026年はどういう年になりそうか(概観)

2025〜2026年にかけての大きな流れをさらっておきましょう。

(1)政府の「フリーランス保護・促進」整備

(2)税制・社会保障の見直し(中間層への配慮や制度調整)

(3)金融政策正常化(利上げ・金利上昇)

(4)AI・データインフラ整備の加速

の四点です。

これらはフリーランスの収入・コスト・業務形態・顧客との関係に直接効いてきます。

具体的に深掘りしてみましょ。

重要な制度・法改正(フリーランスに直接影響するもの)

1) 「フリーランス関連法」の施行(既に動いている)

企業とフリーランス間の取引の公正化(書面の義務化、支払ルール、長期案件での保護など)が強化されました。

支払遅延や不当な契約変更に対する事業者側の義務が明確化されているため、契約書(書面)と支払条件の明記が標準になります。

所見・・・素直に良い流れ。
今まで多くのフリーランスが悪質なクライアントの不義理に泣き寝入りをしてきたことを思うと良い時代になったなと感じます。
ただ、どこまで実効性があるかは経過観察しないとといったところでしょう。

2) 所得税・控除の調整(2026年度の税制枠組み)

政府の税制改正の枠組みで、課税最低ライン(税負担がかかる最低所得)や中間層向けの控除が引き上げられる方向が示されています(2026年度の枠組みに反映される見込み)。

これは中低~中所得のフリーランスにとって税負担軽減の好材料ですが、恒久措置かどうかは年度ごとに確認が必要です。

所見・・・増税ばかりの今の日本で手放しで喜んでよいのか、なんか裏がありそうです。

3) 年金・DC/iDeCo関連の変更(実施予定)

企業の確定拠出年金(DC)制度の一部制限の撤廃など、制度改正が段階的に行われる予定です(一部は2026年4月からの実施予定)。

フリーランスが利用する私的年金(iDeCo等)の制度拡充や加入条件緩和の予定もあるため、退職・老後資金の設計を見直す良い機会です。

4) インボイス・消費税まわりの経過措置(これは要注意)

「適格請求書(インボイス)制度」による経過措置が2026年に切り替わるなど、消費税の事務・仕入税額控除の扱いが変わる期間があります。

小規模フリーランス/個人事業主は課税事業者登録や請求書の様式対応を確認しておきましょう。

税制・社会制度は「追い風」もあれば「事務負担増」も

税の一部緩和(中間層の控除増)や企業側の投資促進策はある一方、行政のデジタル化(マイナンバー連携等)やインボイス対応は事務負担を増やします。

「手取り改善」と「事務処理コスト」両方を見ながら動く必要があります。

フリーランスも一経営者としてマクロ環境(経済・金利・物価)の動向を読んでおく

2025年末以降、日銀は正常化(利上げ)へ進んでおり、金利上昇・資金調達コスト増が見込まれてます。

借入の利率やカードローン・事業ローンのコストは上昇する可能性があるため、設備投資や短期借入などやるなら計画は慎重にといったところ。

コアインフレ率は2%前後で推移する見込みで、異常とはいえない、むしろ健全レベル。

ただフリーランスはやはりインフレとの相性は非常に悪い。

物価上昇が続くと「生活コスト(家賃・光熱・材料)」が増すため、料金設定にインフレ分を転嫁していかないと、じわじわと自分の首を絞めることに。

テクノロジー(AI・インフラ)の状況とチャンス

日本政府はAI促進の包括法を整備し、産業利用を後押しする方針です。

企業側のAI導入が加速すると、業務の自動化支援、AIを活用した企画や生成コンテンツ作成、データ整備サービスといった分野でフリーランスの需要が伸びます。

またデータセンターや半導体などインフラ投資の強化(地域データセンター拡充等)が進むため、AI関連の設計・運用・コンテンツ制作・翻訳・プロンプト設計などを早めに学んでおくと有利です。

2026年の立ち回り戦略

では優先度(高→低)をつけた具体的な「2026年の立ち回り戦略」と具体的アクションプランをまとめてみます。

◆優先度:高(すぐやる)

・「フリーランス関連法」の施行に応じた契約書と請求書のテンプレの整備はやっといたほうがいいです。
(書面必須・支払期限・遅延損害金・契約変更ルールを明記)

フリーランス関連法に対応し、自らの「書面+支払条件」を標準化しておく。
未着手ならテンプレを作る、というよりテンプレ・フォーマットはいろいろなところに落ちていると思います。

・キャッシュの備え(生活費6か月分+事業資金)を確保

金利上昇期は借入コストが上がります。
Web系フリーランスであればあまり事業資金や設備投資を借り入れで賄うというのは少ないと思いますが。
余力で事業を回せるよう流動性を厚くしておくことが望ましいです。

・請求・インボイス対応の見直し
必要なら課税事業者登録/適格請求書の発行準備をしておく。
事務処理を会計ソフトで自動化できるようにしておく。

・顧客への値上げ・契約見直しの準備

インフレ分や増加コストを説明できる資料(過去の見積・仕入増)を用意し、契約更新時に段階的に反映させる。

もし応じてもらえない場合は、契約終了もやむなしのスタンスが良いと考えます。

◆優先度:中(3〜6か月)

・料金体系を「時間単価+成果報酬+保守費」などに分ける

継続収入(保守・サブスク)を用意して金利変動や景気の影響を受けにくい収益構造にしておく。

・AIツール導入とスキル投資(プロンプト設計・AI監修)

単純作業はAIでやれるようにする、積極的に単純作業はAIまかせて効率化。
その分、価値の高い仕事(設計、戦略、クリエイティブの最終調整)に集中できるようにする。

・退職金・年金プランの再設計(iDeCo/確定拠出等)

改正に合わせて私的年金の活用を検討する。
税制優遇を最大限使う。

◆優先度:低(半年〜1年)

・法人化の検討(節税・信用)

ただし、収入と経費のバランスによる。
社会保険や事務コストを含めて試算する。

・ビジネスの多角化(国内×海外、リアル×デジタル)

日本は市場規模はいまだ大きいものの、国自体の衰退は進行中。

海外のクライアント・案件を積極的に開拓。

またWeb系フリーランスであってもWebやデジタルではなくリアルのビジネスの種まきも必要に応じて行う。

■実務チェックリスト

・全クライアントとの契約を「書面(PDF可)」で揃え、支払条件を明記しておく。

・会計ソフト(インボイス対応)を導入し、自分の請求書フォーマットを「適格請求書」に対応させる。

・生活費6か月分+事業資金(運転資金2〜3か月分)を確保する。
借入は極力しない方向でビジネスを回していく。

・料金を3案(現行・インフレ反映・プレミアム)用意して差別化提案を準備する。

・AI導入ロードマップを作る(使うツール、守るべき品質基準、最終チェックの仕組み)

・iDeCo/確定拠出の活用可否を必要に応じてFPや税理士とも相談し、長期目線で財産形成戦略を練る。

・価格交渉・顧客対応をしてみる(下記はクライアントへのお願い・交渉の仕方サンプル。)

「近年の人件費・材料費の上昇、および事務処理コストの増加を踏まえ、来年度より料金を○%改定させていただきたく存じます。契約更新の際に詳細をご相談させてください。」

「お支払いは請求書受領後30日以内を標準とします。長期案件は前払いまたは分割前受金をお願いしています。」
(フリーランス法の文脈で書面化・支払期日の明確化は有利に働きます。)

リスクと備え(要注意ポイント)

・事務負担の増加:インボイス等で事務コストが上がる。
→ 会計ソフト・外注で吸収する作戦を練る。

・金利上昇と為替:借入や海外クライアント支払の影響が出る可能性。
→ 為替リスクは決済通貨で交渉したり、外貨・海外資産投資などでヘッジする。

・AIによる価格競争:単価の下落リスク。
→ 高付加価値/監修・戦略スキルにシフトする。
リアルビジネスの種まきにも光明あり。

まとめ

2026年は「フリーランスを保護する制度や法律が生じつつも、外部環境が目まぐるしく速く変わる年」になると思われます。

法制度(取引の公正化)や税制の一部緩和はフリーランスにとってプラスですが、インボイスや行政手続き、金利上昇、AIの普及といった変化は現場の負担や競争を強めます。

というわけで、防御(契約・現金・事務の安定化)と攻撃(AI活用・料金設計・継続収入化)を同時に進めるのが現実的かつ効果的かなといったところです。

皆さんにとって2026年が素晴らしい1年になることを願っております。まずは健康第一。

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この記事を書いた人

山崎岳史

東京都中野区のフリーランスでWeb制作を行っております。
Web制作会社から独立してから、13年が経ちます。

おもにマークアップやJavascriptのコーディング、Wordpressのカスタマイズなどフロント回りの開発が得意ですが、PHPとMySQLを連携させたシステム開発もよく行います。
ビジネス系メディアへの寄稿などライターとしても活動しています。

自分の最大の売りは、即レススキルと誠実さ(自分で言うなw)だと思います。

最近は、フリーランスや複業(複数の生業を持つ)という働き方の素晴らしさに気づき、この新しい時代の働き方の普及活動をしています。

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