ある日急に収入が途絶えたら・・・フリーランスがとるべき対応と日ごろの備えまとめ

複業ナレッジ・ノウハウ

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。

複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。

最近、かつて天下を獲ったと言わしめた大御所芸能人や有名経営者、大物政治家の失脚などを見ていると、改めて諸行無常という世の常を思い出させられます。

そんなことはある程度、人生経験を経た人ならわかるのですが、若い人、とくに自分事となると自分だけは天才だしいつまでも上手くやれると思いがちです。

大きな力を持つ企業、国ですらひょんな拍子で滅ぶわけですから、フリーランスである一個人の順境が長期間続くと考える方が不自然です。

というわけで、今日はフリーランスがある日、突然やってくる収入ゼロ状態にいかに立ちふるまうべきか、また普段どのような備えをしておけばリカバリー可能であるかを考察していきたいと思います。

ある日突然にやってくる収入がゼロになる日・・

みなさんフリーランスになる前は、夢と希望、気力と体力に溢れています。
そして苦労の末で徐々に収入が増えていき、ひとりの力で生活できるようになるところまでは、多くの人が達成できます。

それどころか人によってはサラリーマン時代の何倍もの収入に達し、なぜもっと早く独立しなかったのかと悔やむこともあります。

そしてじぶんは特別な人間で、この順境がいつまでも続くと錯覚しがちです。

しかし、順境というのはいつまでも続きません。
いつまでもどころか、すぐに逆境が訪れます。

精一杯仕事に打ち込んでいても逆境というのは誰にしも訪れるんです。

たとえば、大口のお得意さんから急に仕事を切られてしまった。
たとえば、自分が急な事故や病気となり仕事がストップしてしまった。
たとえば、テクノロジーの進歩で今自分が行っている仕事が全部AIでできるようになってしまった。

などなどいくらでも収入ゼロになる可能性はあるんです。

これまで他の記事でもさんざんフリーランスの廃業率を紹介してきました。

フリーランスの廃業率は、一般的に1年以内に約30%。
3年以内に60%以上、10年間継続できるのは10%程度と言われています。
廃業の主な原因は、収入の不安定さ、仕事の継続、交渉スキル、税務処理などです。

このように10年続けるだけで至難の業なんです。

ほとんどのフリーランスが廃業を余儀なくされるんです。

そしてその原因の大半は収入が途絶えたという理由です。

収入が多く儲かっているのに廃業するフリーランスは稀でしょうから。

普段から想定して備えていなければ廃業やむなし

このようにほとんどのフリーランスが10年以内に廃業するデータを、常日頃から頭の片隅においておけば、危機に備えることができるというものですが、これも大半の人ができていません。

フリーランスになって順調に収益を上げられるとついつい気が大きくなり、自分には才能がありこれからも稼ぎ続けられると錯覚してしまうようです。

またパーキンソンの法則(第二法則)で「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」とある通り、せっかく収益をあげることができ、それがサラリーマン時代の給料に比べて大きな金額となっても、それにともない支出が大きくなってしまうのです。

年収1千万を超えるようなフリーランスであっても、貯蓄はほとんど無いというフリーランスも多く見受けられます。

今ある収益はたまたまでいつかビジネスが上手くいかなくなり収入が途絶えるときがくる・・・この心構えができていて、具体的にその備えをしているフリーランスは圧倒的少数でしょう。

そして収益が途絶えるタイミングというのは何の前触れもなく突然やってくるものです。

いつか突然収入がゼロになるときがくるという心構えと具体的な備えができていないフリーランスは、正直、廃業以外に取るべき選択肢はないというのが結論です。

最後の命綱・・貯えはいくらあれば良いか?

いつか突然、収入が途絶えたとしても備えがあれば正直耐えられます。

そして再起のための行動をおこし、フリーランスを廃業せずに別の生業をスタートさせることができるでしょう。

では実際にどのくらいの貯えがあれば、こうした危機からリカバリができるでしょうか?

人によって生活費・固定費も違いますし、スキルや年齢・家庭環境なども違うのでまちまちになりますが、目安としては、生活費の2年分といったところでしょうか?

たとえば生活費が20万円の人であれば480万円はほしいところです。

人によっては生活費の1年分や6か月分という人もいますが、余裕が無さすぎるかと思います。

まったく別の生業をスタートさせるためには、相応の準備や試行錯誤も必要となりますし2年は無収入を覚悟して貯えておく方が良いでしょう。

逆に無収入で2年生活できるくらいの貯えが無いのであれば、収入の時点でおとなしくフリーランスは廃業して転職なりバイトを見つけるなどした方がよいでしょう。

貧すれば鈍する、余裕があればあるほど富む・・これはフリーランスあるある

「貧すれば鈍する、余裕があればあるほど富む」これは長年生きてきて気づいた真理です。

フリーランスあるあるとも言えます。

貧乏なフリーランスほど、楽して大金を稼げるみたいな怪しい話を信じて軽率な行動をとったり、詐欺に騙され大きな傷を負ったりします。

逆にある程度資産を蓄えたリッチなフリーランスは日ごろから思考にも余裕があるため、軽率な判断をしなくなり、それがより仕事において成功する土壌となるのです。

人は貧乏になると生産性が落ちるという研究結果があります。
記事:「貧すれば鈍する」はガチだった 最新研究が生産性低下を示唆

「貧すれば鈍する」はガチだった 最新研究が生産性低下を示唆

つまり収入が途絶えて、慌てて別のお金を稼ぐ手段を探そうとするときに、資産もゼロな状態だと賢い判断ができないということです。

少し矛盾するような表現になりますが、お金を順調に稼げるようになるためには、まずはお金を貯めなければなりません。

収入ゼロになったときの具体的なアクションプラン

さて、それではある日、突然、収入がゼロになったときの具体的なアクションプランについて考えていきましょう。

前提として、さきほどの2年分の生活費の蓄えがあるかどうかで対応も変わってくるでしょう。

2年分の生活費の蓄えがある場合

この場合は、最悪、収入ゼロが続いても2年間は生活していくことができます。

この2年間の間にリカバリ、具体的には新たな収入源を開拓・創出することができればいいわけです。

収入ゼロになるということは直近の仕事がなくなるわけですが、フリーランスは仕事が無くてもやることはたくさんあります。

農業でいうところの種まきをするフェーズです。

実際には収入ゼロになってから動くと遅いので、常日頃から収入ゼロを想定して動いていくことが望ましいです。

しかし2年の猶予があれば、なんとか新たな収入源を見出すのはそこまで難しい事ではないでしょう。

新しい収入源の開拓・創出を行う一方で、固定費の圧縮・削減に努めるのが良いでしょう。

引っ越しして家や事務所の家賃をおさえたりサブスクを見直したり、家の不用品を整理してお金に変え、再起のための準備を着々とすすめるのもいいですね。

2年分の生活費の蓄えがない場合

もし親類・家族に生活費の援助を頼めるなら、べつにそれは恥ずかしい事ではないので、頼めばよいと思います。

しかしフリーランス時代に2年分の生活費を蓄えることができなかったのであれば、正直フリーランスは廃業、もしくはいったん撤退という形をとって、転職なりアルバイトを見つけるのも賢明な選択かと思います。

日ごろから収入ゼロを想定して備えていれば焦る必要なし

生活費2年分の蓄えがあれば、2年間じっくりと策を練れるわけです。

2年間は長いので、焦らずに再起を図ることができます。

しかしこれが生活費半年分や3か月分しか蓄えが無い場合は、収入が途絶えた瞬間に相当な焦りに襲われることなります。

そして焦って熟考やじっくりリスキリング、サービス開発をせずに、目先のお金をもとめて目先の仕事に手をだすと碌なことにはなりません。

結局、すぐにまた収入ゼロが訪れるだけです。

それどころか多くのお金と時間と健康を奪われるリスクもあります。

備えがあればあるほど、余裕をもって自己と向き合い自分にあった生業をはじめることができるでしょう。

収入ゼロの日を想定して徹底的に対策すべし・・具体的なアクションプラン

収入は絶対にある日突然途絶えるものだと認識しておく

これがもっとも大事なことかもしれません。

どんなに自分のビジネスがうまく軌道に乗ったとしても、それは一時のものだと肝に銘じておくことが重要です。

そしてその順境は遠くない未来にある日突然、終わりが来ると覚悟しておくのです。

あのAmazonやGoogle、Appleでさえも、いつかそこまで遠くない未来に経営が傾き、歴史に幕を閉じる日がきます。

ましてや個人のビジネスなど、些細なことで収入がゼロになるリスクをいくつもはらんでいます。

しかしその認識を持っていれば、つねに先回りしてピンチに備えることができるでしょう。

プライベートと事業の固定費の圧縮

具体的な対策の一つ目は、やはりこれでしょう。

事業経費や生活費の固定費を極力圧縮しておくことで、人生の守備力が格段に上がります。

下記に固定費の一覧を挙げます。

・住居費:家賃、住宅ローン、保険料、税金など
・水道光熱費:電気代、ガス代、水道代など
・通信費:インターネット回線料、携帯電話料金、電話代など
・保険料:生命保険料、医療保険料、自動車保険料など
・自動車関連費:駐車場代、自動車保険料、自動車税など
・サブスクリプション:Amazon Prime、YouTube Premium、Netflixなど
・教育費:習い事の費用、学費など
・その他:クレジットカードの年会費、フィットネスクラブの会費など

これら固定費(とくに住居費)を生きていくのに最低限なレベルまで圧縮すれば、収入が途絶えたとしてもあまり焦らなくてすむようになります。

しかも収入が途絶えなくても、固定費が圧縮された状態で日々を過ごせば、多くの金額を貯蓄や投資に回せるのは言わずもがなですので、人生の守備力を高めたいなら一にも二にも固定費圧縮です。

1年分、できれば2年分の生活費の貯金をキープする

固定費を圧縮出来たら、次は浮いたお金を貯蓄と投資に回し、生活費1年分、できれば生活費2年分の蓄えを用意したいところです。

ここまでくれば、仮に突然収入がゼロになったとしても、1年から2年は再起のための行動を起こすことが出来ます。

しかしこれは2年分の生活費をキープすれば、万事解決というよりは、フリーランスを継続するうえでのギリギリ最低点の条件と言えるでしょう。

預金や資産は多ければ多いほど精神的には余裕が出ますし、2年分の生活費を確保できたとしても継続して固定費は上げずに生活すべきでしょう。

収入源をひとつに集中させずに分散させる

さて次は収入をゼロにしないための対策です。

具体的には収入源をひとつに集中させずに分散するというものです。

受託案件中心のフリーランスであれば、他にせどりやアフィリエイトで収益を得ることを目指すというイメージです。

また受託案件もひとつのクライアントからほとんどの仕事をもらうと非常にリスキーなのでクライアントも分散したほうが良いです。

収入源を多く持ち分散すれば、すべての収入源が同タイミングでゼロになるというのは考えにくくなるため、これも非常に守備力が上がる対策です。

できればストック収入を増やし、自分が手を動かさなくても、チャリンチャリン懐にお金が入ってくる収入源を確保しておきたいところです。

自己投資と既存生業への投資

事業がうまくいくとついつい慢心し、自己投資や既存ビジネスへの投資を怠る人も多いです。

同じやり方で稼ぎ続けられるビジネスモデルというのはほとんどありません。

結局、ビジネスモデルを改善をしつづけることでしか収入は維持できません。

勝って兜の緒を締めよではないですが、完全FIREを達成するまでは、慢心せずに自分のビジネスを錬磨し続けましょう。

新しい生業開拓

どれだけ既存サービスへの投資を続けていったとしても、時代にマッチしていなければ終わるときは終わります。

とくに最近はAIが台頭したことで、多くのホワイトカラーが仕事を奪われることになりました。

このホワイトカラーの人たちは必ずしも自己投資を怠っていたわけではありません。

単に情報処理の作業ではAIにはどう頑張っても勝ち目がないのです。

そういう時は無謀なフィールドで諦めずにもがくより、新たに自分がお金を稼げるフィールドに身を移したほうが得策です。

新しい生業の開拓は常にアンテナをはって模索するようにしましょう。

人生のうちに何回かやってくる大きなチャンスを活かしきる

世の中は不条理が多く、平等とは到底言えないのが真理です。

成功の多くは運次第とも言えるでしょう。

ただそれでも、ここ日本で生まれ育った人の多くは、ある程度平等に成功のチャンスが訪れるといっても言い過ぎではないでしょう。

人により差はあれど、普段から努力を欠かさない人であれば、人生において大きなチャンスというのはいくつか訪れます。

フリーランスであればそのチャンスを活かしきり、生涯の生活費を稼ぎきるくらい成功を目指してほしいです。

フリーランスは不安定であるからこそ、チャンスを掴んだ時の収入も青天井で大きくなります。

ぜひ危機に備えてチャンスをつかんでください。

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この記事を書いた人

山崎岳史

東京都中野区のフリーランスでWeb制作を行っております。
Web制作会社から独立してから、13年が経ちます。

おもにマークアップやJavascriptのコーディング、Wordpressのカスタマイズなどフロント回りの開発が得意ですが、PHPとMySQLを連携させたシステム開発もよく行います。
ビジネス系メディアへの寄稿などライターとしても活動しています。

自分の最大の売りは、即レススキルと誠実さ(自分で言うなw)だと思います。

最近は、フリーランスや複業(複数の生業を持つ)という働き方の素晴らしさに気づき、この新しい時代の働き方の普及活動をしています。

このメディアでこの変化の早い世の中で、いかにすればフリーランスとして活躍していけるか有益な情報を発信していきます。

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