フリーランスはジェネラリスト(幅広い知識)とスペシャリスト(特定分野突出)のどちらが良いのか?
100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。
複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。
突然ですが、皆さんには後悔している黒歴史や、過去に戻ってなりなおしたいことはありますでしょうか?
自分には山のようにあります。
ただ後悔したところで、過去をやり直せるわけではないので後悔自体は何の生産性もない、それどころか自己肯定感を下げる行為です。
なので、自分的に後悔していることは、今後の反省に活かしたり皆さんにお伝えして皆さんの気づきに役立つで何かの役に立ったとポジティブにとらえたいと思います。
自分が後悔している過去の行動のフリーランスとしてのひとつが、成功者を目指したことです。
そして成功者を目指すべく、成功者やインフルエンサーの言動に影響を受けたり、行動をマネたりもしました。
そして長い年月を経て、それらは再現性が皆無で、明らかに人生の戦略ミスであったことに気づきました。
大きな成功をおさめる手段というのは再現性が無く、運の要素が限りなく大きいという気づきにいたりました。
そしてそもそも幸せな人生・働き方というものと「成功者になる」というものがイコールではないということにも気づきました。
そして今回の記事のテーマ「フリーランスはジェネラリスト(幅広い知識)とスペシャリスト(特定分野突出)のどちらが良いのか?」につながってきます。
最初に、結論から言うと成功をおさめたいのであればスペシャリストを目指し、幸せな人生・働き方を目指すならジェネラリストを目指してほしいということです。
そしてできれば「成功」ではなく「幸せな人生・働き方」を選んでほしいということです。
以降、この記事ではその理由について深堀していきます。
なぜか皆、「成功」が「幸せ」だと信じている
これ不思議なんですよね。
大きな成功をおさめることが幸せだと世間は考えているんですよね。
それは良い大学に入って大企業に入ったり、国家公務員になったり、スポーツ選手になってオリンピックに出たり、アーティストになって有名になったり、有名インフルエンサーになって影響力を持ったり、経営者になって大きなお金を手に入れたりと・・・世間が考える成功像とはそんなところでしょうか。
人生も半ばにきていろいろなものを見聞きしたり、さまざまな経験、さまざまな名著から得られる知識をもとに考えると、世間一般が考える「成功」と我々が感じる「幸せ」には大きな乖離があることに気づかされます。
「成功者」は意外に「幸せ」じゃない
多くの成功者や成功を目指して日々奮闘している人が必ずしも幸せそうでないことは、多少の人生経験があればわかってきます。
成功を目指すこと自体がいばらの道で針の穴に糸を通しつづけるがごとき所業であり、仮に成功したとしても幸せに直結するわけではないわけです。
意外にいわゆる成功像とはかけ離れているなんの変哲もない人が幸せそうに日々暮らしている。
そしてそのあたりのロジックをフリーランスの働き方に反映させないと、疲弊するばかりで幸福度はあがらないなぁと実感しているわけです。
成功は競争に勝つこと、幸せは競争しないこと
基本的に成功とは競争に勝つことの先にあります。
そして大きな成功ほどライバルが増え、競争に勝つことが難しくなっていきます。
また競争という行為自体、大きなストレスをともなうものです。
そして幸せはそもそも競争をせずに、もともと内にあるものに気づくことが重要と言われます。
そこに気づけばフリーランスの仕事の在り方にも反映出来てきそうです。
競争から降りた場所での仕事というものもこの世には必ず存在しています。
成功を目指すと人間関係など状態が持続しない
競争社会は人間関係が非常に殺伐としてきます。
競争社会に身を置けば、誰しもがライバルとなるため打算と損得での関係になります。
すべての人間関係が打算と損得が多少はからむじゃないかと言われればそうかもしれませんが、それでも打算と損得がほとんど絡まず、じぶんが近くにいて心地いいという人とだけ交流する人間関係は持続可能で、悩みの多くが遠ざかり、幸福度も大きく高まります。
大きな「成功」はほぼ運できまってくる
すべての成功者が不幸せとは言いません。
成功することで、多くの名誉と金銭を手に入れることもできますし、やはりじぶんの夢を叶え、周囲から大きな尊敬や羨望が集まり、活動の幅も広がるので、みんなが成功を目指すのもわからなくもありません。
しかし成功とは努力を一番した人が公平に手に入れることができるものという思い込みがありますが、これは間違いです。
成功するかどうかの要素のほとんどが運であるとしたら皆さんはどう思うでしょうか?
アメリカ合衆国の哲学者、政治哲学者、倫理学者、ハーバード大学教授である「ハーバード白熱教室」でおなじみ、マイケル・ジョゼフ・サンデルは、著書『実力も運のうち――能力主義は正義か?』(The Tyranny of Merit: What’s Become of the Common Good?)の中で、成功が「運」によって大きく左右されるという主張を展開しています。
その中の理由を少しだけ紹介すると
◆生まれ持った特権や環境
サンデル教授は、個人の成功が多くの場合、出身家庭や育った環境に依存していることを指摘しています。
富裕な家庭に生まれたり、質の高い教育を受けたりすることは、努力ではなく偶然の要素です。
生まれながらにして持つ特権が、人生のスタート地点で既に不平等を生むという考えですね。
◆天賦の才能
サンデル教授は、人々が持つ才能や知性も基本的には「運」によるものであると論じています。
私たちは自らの意思でその才能や能力を選んだわけではなく、これらは遺伝的または環境的な要因によって決まることが多いからです。
◆社会のニーズや価値の変動
ある時代や社会で重視されるスキルや才能も時代や状況によって変わります。
たとえば、IT技術が評価される現代に生きていること自体も運の一種です。
もし異なる時代に生まれていたら、その技術やスキルが高く評価されなかったかもしれません。
◆個人の努力の限界
サンデル教授は、努力自体も一部は運の影響を受けるとしています。
努力できる環境や健康状態、精神的な強さもまた偶然の産物であり、全ての人が同じように努力できるわけではないという点を強調します。
というわけで、成功というのは努力のたまものというよりは運のたまものという面が強いようです。
(世間は認めたがらないでしょうけど・・・努力の末に成功を勝ち取ったというストーリーが好きですからね)
運任せであるはずの成功をそもそも目指すことがフワフワした幻想のようなものと考えることもできるのです。
成功者やインフルエンサーの食い物にされる
成功を目指し、競争に勝たんとしている人は、成功者やインフルエンサーもしくは、偽物の成功者や偽物のインフルエンサーの食い物にされることがあります。
運が強烈に左右する成功する成功した方法に再現性などあるはずがないのに、成功する方法についての情報商材を買わされたり、その強烈な競争に勝ちたい欲につけこまれてリスキーな投資話にのせらされたりなどです。
成功を目指すことの危うさについて話してきましたが、それをフリーランスの働き方に落とし込むとどういうこといになるでしょうか?
これより「フリーランスはジェネラリスト(幅広い知識)とスペシャリスト(特定分野突出)のどちらが良いのか?」について話していきたいと思います。
スペシャリスト(特定分野突出)タイプのフリーランスになると
マネタイズしやすく成功する可能性は上がる
今の世の中は、幅広いスキルを持つ浅く広く身に付ける広範囲カバータイプより、特定のジャンルにところん秀でている特定ジャンル突出タイプの方がマネタイズに有利と言われています。
インターネットが普及し、とりあえず特定のジャンルで突出したスキルをもてば、多くに人に注目されることになり、注目を集められさえすればマネタイズすること自体は難しくなくない時代だからです。
しかし一芸にで秀でるためには、膨大な時間と労力をひとつのことを極めるためだけにひたすら費やす必要があります。
投資で言えばひとつの個別銘柄に全額ベットするようなものです。
当たれば大儲けできるのはできますが、その銘柄が倒産でもしたら目も当てられません。
人からの尊敬は集まり自己肯定感は上がる
人は多くのジャンルにそこそこのスキルや知識を持った人よりも、ひとつ特定のことのみでも周囲とかけ離れた突出したスキルや知識を持った人に対して尊敬を抱くことが多いです。
野球とサッカー・水泳・バスケットを平均以上にこなすスポーツ万能タイプより、野球だけしかできないが160kmの球を投げれるとなれば、後者の方が多くの称賛を受けることができ周囲はほっておかないでしょう。
プロ野球に入れるくらいまで卓越した能力を持てば、年収は数千万円から数億円まで、誰もが憧れる夢のある世界です。
多くのことを卒なくこなす優等生タイプは、大成功も手に入れられませんし意外に尊敬もされないものです。
能力のバランスが悪いため苦手なことはアウトソースするしかない
何かひとつのことに突出した能力を持ち、他を圧倒するためには、他のことに費やす時間を犠牲にしなくてはなりません。
なのでその秀でた一芸以外は、苦手なことが多くなります。
これは非常にバランスが悪い状態です。
バランスが悪い状態では、人生を無難に渡り歩くには非常にリスキーな状態と言わざるをえません。
高額の年棒を稼ぐNBA選手がバスケの能力がいかに優れていたとしても、マネーリテラシーや常識が欠如していたために引退後多くの元選手が破産してしまうそうです。
これが成功を追い求めてひとつの能力を高めることに執着した末路なのかもしれません。
突出しているスキルが時代にマッチしなくなったら終わる
また一時でも成功が約束されているのであれば、他のことを犠牲にしてでも一つのことにフルコミットしてスキルを磨き続けるのもいいかもしれませんが・・・
その肝心の成功も、自分がコントロールできない外的要因によって簡単に左右されてしまいます。
いかに万人がマネできない唯一無二の能力を身に付けようとも、世間・社会に一切にニーズがない能力であれば、成功することはできません。
音楽やアートで、一時、流行に乗りもてはやされたとしても、たかだか数年で陳腐化して過去の人になることもザラにあります。
成功とは本人の努力に加え、外部要因・運がどんぴしゃでかみ合った時に一時与えられるもののようです。
得意分野以外にリテラシーが無いので大きな落とし穴にハマる
マイケルジャクソンしかり、小室哲哉さんなど時代の寵児ともいえるほどの成功者も大きな転落に見舞われてしまっています。
(どのような転落であったのかは、ここでは深堀しませんので興味がある人は、調べてみてください。)
これはまさに自分が得意としている分野では他を寄せ付けない能力を発揮できたとしても、能力のバランスが悪く他の常識的な判断が欠落していることから起きてしまったと考えることができます。
リベ大の両学長は、お金に関する5つの力(貯める・稼ぐ・守る・増やす・使う)を身に付けることが重要で、このうちひとつだけでも欠けると大きな減点になってしまうと説いています。
人生もこれと同じで、多くの常識やリテラシー・スキル・能力をバランスよく身に付けておくことでしか回避できない危機や、獲得できない幸せというものがあります。
ジェネラリスト(幅広い知識)タイプのフリーランスになると
そのため、わたしがフリーランスにおススメするのはずばりジェネラリスト(幅広い知識)タイプのフリーランスになることです。
世間一般が考える「成功」からは遠のく
一芸をとことん追求するスペシャリストになることは、大きな成功を手に入れる可能性が高くなります。
その逆に多くの分野で幅広く平均以上の点数を頑張って取ろうとするジェネラリスト(幅広い知識)タイプは、大成功をおさめる可能性という意味では、低くなります。
また世間的に注目される機会もすくなくなりますし、周囲から得られる尊敬という意味でもなかなか得られにくいでしょう。
しかしそれら成功の可能性を放棄したとしても、承認欲求の誘惑を断ち切りジェネラリスト(幅広い知識)タイプのフリーランスになることをおススメします。
収入は大儲けすることはなくなるが無難な収入は手堅く稼げる
ジェネラリスト(幅広い知識)はビジネスでバズって大儲けという可能性が無くなるかわりに、コンスタントにそつなく手堅く稼ぐことができます。
営業・マーケティング・デザイン・ライティング・プログラミング・経理ほか実務作業、専門知識を極めなくとも最低限のリテラシーを広く持っているため、不必要なアウトソースをすることもなく、そこそこのクォリティでそつなくこなすことができます。
そして大事なのは幅広いリテラシーを持つからこそ、点と点が線となり大きな成果をもたらしたり、落とし穴(失敗)を未然に回避することができるのです。
人より突出していることが無いので自己肯定感は高まりにくい
何事もそつなくこなすジェネラリストは、その時点で素晴らしいバランスタイプなのですが、人は何か周囲より突出した能力に恋焦がれるようです。
今はSNSなどを見ればすぐにチート超人たちのパフォーマンスが目に飛び込んできます。
そしてそんな超人たちに比べればジェネラリストである自分は何物でもない、何も持っていないと・・・自信を失いがちです。
まぁ、結論から言うとこれらはすべて勘違いで、自信を無くす必要は1ミリも無く、それどころかそんなチート超人たちよりも持続可能な幸せを手に入れられるのは、じぶんたちジェネラリストなのだと気づくべきなのです。
持続可能な幸せを手に入れやすい
これまで述べてきたように、成功と幸せはまったくの別物です。
成功とは競争に勝つことであり、量的なものであり、人と比較する事であり、諸行無常の儚さであり、持続可能ではありません。
幸せは人とは関係なく、各個人個人の価値観であり、内に見出すものであり、そもそも備えているもののありがたさに気づくことであり、大きな苦痛を回避し、それを持続させることです。
幸せが何か気づき、大きな苦痛を回避し、それを持続させるためには多くの知恵、リテラシーが必要になります。
ジェネラリストのように広範囲で多くのことを学び、点と点が線となるような気づきがベースになると人生の防御力が高くなり人生の転落を回避できるんです。
まとめ
経営の手法として、得意なことにリソースを集約して、苦手なことは全てアウトソースするのが合理的だという考え方があります。
もちろん経営とは成功を目指すべきものであり、成功を目指すのであれば、多角化手法よりも上記のような得意なジャンルにリソースを集中する経営手法の方が合理的です。
この資本主義社会で株式会社組織を経営するならそのようなスタンスを求められますが、我々フリーランスは経営者でありひとりの個人でもあります。
成功と幸せのバランスを考えて行動する必要があります。
成功だけに目がくらみ、バランスの悪い攻撃力のみのパラメータでダンジョンをつきすすむと人生の落とし穴にハマってしまう可能性が高くなります。
本業以外にも多くの学び・経験を積極的に取り入れ、バランスの良いパラメータをもったジェネラリストを目指すことをおすすめします。
この複業ワーク推進メディア「ウィズパラ」を運営する株式会社パラワークス(Wantedly
ページはコチラ)では、優秀なスキルを持つ複業志向を持つ方からのコンタクトを常に募集しております。
デザインスキル・プログラミングスキル・マーケティングスキル・広告運用スキル・ディレクションスキル・ライティングスキルなど必要としているスキルは多種多様。
転職ではなく複業ワークという働き方に興味があるエンジニア・デザイナー・マーケター・ディレクターの方は、ぜひ問い合わせフォームからお声がけください。
ParaWorks社長中村さんの「ウィズパラを運営する僕の”建前”と“本音”」もぜひ合わせてお読みください。思わず連絡したくなりますよ。
この記事を書いた人
山崎岳史
東京都中野区のフリーランスでWeb制作を行っております。
Web制作会社から独立してから、13年が経ちます。
おもにマークアップやJavascriptのコーディング、Wordpressのカスタマイズなどフロント回りの開発が得意ですが、PHPとMySQLを連携させたシステム開発もよく行います。
ビジネス系メディアへの寄稿などライターとしても活動しています。
自分の最大の売りは、即レススキルと誠実さ(自分で言うなw)だと思います。
最近は、フリーランスや複業(複数の生業を持つ)という働き方の素晴らしさに気づき、この新しい時代の働き方の普及活動をしています。
このメディアでこの変化の早い世の中で、いかにすればフリーランスとして活躍していけるか有益な情報を発信していきます。
この記事を書いた山崎岳史個人に仕事のご依頼やご相談、世間話や飲みのお誘いなどがある場合は、コチラまでお気軽にご連絡ください。
この記事がためになったなぁという人は、SNSで紹介いただいたり、下記のSNSアカウントをフォローしていただけると嬉しいです。