フリーランスは新規のクライアント獲得より既存のクライアントへの営業が大切な理由

複業ナレッジ・ノウハウ

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスの山崎レモンサワーです。

複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。

フリーランスになるために、Web制作のスキルの獲得にいそしむサラリーマンの方は多いですが、フリーランスになるならWeb制作のスキルの獲得よりも「営業」に関して真摯に向き合う事の方が重要です。

むしろスキルはそこそこというより、スキルがほとんどなくても、営業のノウハウをとことん極めている人で、めちゃくちゃ稼いでいるフリーランスの方、めっちゃ知っています。

やはり自分でビジネスを始めるうえで、最も重要なのは「営業力」なのは間違いない・・・。

・・・と、フリーランス歴14年を超えるベテランフリーランスは強く思う訳です。

営業活動というと新規の顧客獲得であったり、新規の販路を開拓する以外にも、既存のクライアントに対するフォローなどの営業活動もあります。

そして後者の既存クライアントへの営業の重要性を日に日に強く感じてきています。

今回のテーマではフリーランスは新規クライアントを獲得するための営業ではなく、既存のクライアントへの営業が何より重要なんだという事を説明していきたいと思います。

フリーランスは新規のクライアント獲得より既存のクライアントへの営業が大切な理由

断言します。

フリーランスは新規のクライアント獲得より既存のクライアントへの営業を頑張ったほうが良いです。

長い期間、安定して収益を上げやすいという意味でも、働く際の幸福度を高くするという意味でもです。

まとめると、フリーランスで一番大事なのは営業で、その営業の中でも新規開拓よりも、既存客への営業活動の方が労力対成果が大きいと確信しているわけです。

「営業されるのは迷惑」は勘違い?

まずフリーランスの方で、とくに営業畑ではなく技術畑の方の思い込みで多いのが、既存のクライアントは営業を求めていないという思い込みです。

口を開けば、すぐにこれを買ってくださいとか、契約してくださいばかりであれば、疎んじられる可能性もありますが、営業とは基本的にはお客さんであるクライアントにメリットを提供する事です。

真摯な活動を心がければ喜ばれない訳がありません。

服屋で声をかけて欲しくない人もいれば、声をかけて欲しい人もいる

たとえば洋服屋に買い物に言って、店員に声をかけられた際、非常に煩わしく思う人がいる一方、積極的に声かけてもらいたいという人もいます。

そして、本音を言わない日本人は、どちらのタイプなのか自ら表明することがあまりなく、歓迎されているかされていないかあまりわかりません。

マクドナルドで注文の際、ついでにセット商品をススメてくれる店員さんもいますが、こちらの提案の場合はいかがでしょう?

洋服屋での声かけよりは、嫌がる人は少ないのではないでしょうか。

嫌がるどころか、提案してくれて嬉しいし、ついでに注文する人も多いのではないでしょうか?

とにかく、お客さんが嫌がっているかいないかは、直接、ダイレクトに伝えられるまでは、自分で勝手に判断しないようにしましょう。

貴重な営業な機会を自ら失うどころか、逆にクライアントががっかりしている可能性すらあります。

Webサイトは作って終わりではない・・・Webサイトの陳腐化を避け役に立つツールでありつづけさせる為の営業

営業は押し売りではありません。

スタンスとしては、あくまで、クライアントのメリットになることを提案するというのが大前提です。

つまりクライアントのメリット(デメリットの回避)になる事を提案するのであれば、営業行為自体、気後れする必要はありません。

とくに制作案件で制作・納品後に、とくに保守を請けていなければサイトを放置してしまいがちですが、基本的にWebサイトは更新もせずに放置すれば、機能やデザイン、セキュリティ面でのアップデートが行われず、サイトのクォリティは相対的に低下していき、同様にインターネット上での露出はどんどん減っていきます。(検索エンジンの検索結果の順位が下がっていく)

お金をかけてせっかく作ったWebサイトが、メンテナンスをしないせいで使い物にならなくなっていくのを食い止めるために、クライアントにアップデートを提案するような営業活動は実に素晴らしいアクションだと思います。

定期的な挨拶や状況伺いで疎遠になるのを避ける

制作案件では、制作後もサイトの保守などを任されるケースは多いです。

サーバ・ドメイン・サイトの保守を任せてもらえると、月々の決まった収益として計算できるようになるため、Web系フリーランスとしては、非常にありがたいのは、このような継続的に付き合っていける保守業務です。

ただ、当たり前のように月日が経過していく中で、たいした業務もなく、淡々と保守期間が経過していくと、クライアントとの関係性はどうしても希薄になっていきます。

疎遠になった得意先の保守契約は切られる

保守契約は保守が必要かどうかで判断されますが、じつは、それ以上にクライアントとの関係性が非常に重要です。

クライアントを放置し、当たり前のように保守費用をもらっているうちに、クライアントとの関係は疎遠になります。
そして疎遠になった得意先の保守契約は切られる運命にあります。

関係性が希薄になる前に、毎月、コンスタントに作業報告や状況のお伺いをたてる連絡をいれているかというのが非常に重要になります。

極端な話、ただの挨拶や雑談でも充分なのです。

充分というよりクライアントとの関係性を保つためには、必要不可欠なやりとりです。

挨拶や状況伺いだけで思わぬ仕事に発展する事がある

挨拶や雑談、状況伺いのようなコミュニケーションをなめてはいけません。

むしろ優秀な営業マンほど、今日は仕事の話はやめましょうなどと、あえてフランクな会話だけに終止するようにもっていったりするものです。

やはり人間は感情によって判断・行動するものなんでしょう。

クライアントとの関係性を良好に保つ、そこに新たな仕事へ発展するきっかけがつまっています。

じぶんも飲みにケーションで腹を割って話しをした担当者とは一気に距離がつまり、多くの仕事に発展することが多かったです。

必ずしも仕事の話しをもっていくだけが営業活動では無いという事ですね。

地方のお年寄りをまわる優秀なセールスマンも、基本的には世間話の聞き手に徹して、最初のうちは決して仕事の話しはしないそうです。

自ら依頼するまではいかないが提案されれば依頼してもいいという仕事はある

ニーズを掘り起こしたりはもちろんですが、もう一歩のところで判断に迷っているクライアントの背中を押してあげるのも営業の大事な活動です。

たとえば、Webサイトのセキュリティ面の強化は、クライアントの利益に直結するような類のものではない為、営業でプッシュしなければ、あまりクライアント側から自発的に依頼をされるような依頼ではありません。

最近、Wordpressの本体・プラグイン・テーマ・PHPバージョンのアップデートを放置したサイトが、海外のハッカーやスパムロボットの標的にされ、ホスティング会社が強制的にサイト上のファイルのパーミッションを変更したり、サーバコントロールパネルでのセキュリティ設定を変更し、その影響でサイトの動作が影響を受けて落ちるという事象が頻出しています。

これは日々のメンテナンスや、セキュリティ強化の施策を受ければ未然に防げるわけですので、クライアントが不利益を被らないように積極的に営業するのはやはりアリなわけです。

新規クライアントには一定のリスクがある

新規クライアントを獲得するための営業より、既存顧客への営業の方が大切であるという理由が、新規クライアントの獲得には一定のリスクがある為です。
(新規クライアントへの営業がいらないと言っているわけではありません。)

新規クライアントを獲得することに一体なんのリスクがあるのでしょうか?

既製品を販売するようなビジネスモデルでは新しいお客さんにモノを売ろうが、リピーターのお客さんに売ろうがたいして仕事内容は変わりませんが、Web制作の仕事では新規のクライアントからの依頼は既存のクライアントとの仕事の進め方にくらべ多くの変更がともなう可能性があります。

新規のクライアントが損失をもたらす「招かれざるお客さん」の可能性が多少なりとも存在しているという事です。

Web制作に理解や配慮をしめしてくれないクライアントとの仕事は大きなストレスのもとになりますし、最悪仕事が完遂されず、割いた労力に対する報酬を回収することができないなどの損失を被るリスクが一定程度存在しています。

それに比べ、すでに長い期間、協力して仕事を進め、利益を享受しあう関係になったお得意様の仕事は圧倒的にリスクが少ないと言えるでしょう。

全てのお客を平等に扱うは逆に不平等

どの業種でもお得意先は大事にすべし・・という経営方針の経営者は多いと思います。

それの極端な例が、「一見様お断り」ではないでしょうか?

京都の花街や格式の高い店に多い、この「一見様お断り」ですが、新規のお客さんは、信頼のおけるお客さんからの紹介でなければ受け付けないシステムです。

これは素性のわからない人に対しては極上のサービスを提供するのは難しい、長い付き合いから生じる信頼関係が不可欠という考えから浸透したシステムでしょう。

全てのお客さんを平等に扱うとは一見、差別がなさそうで響きが良いですが、自分には逆に不平等・不公平に感じます。

長年、じぶんに仕事を任せてくれている間柄のお客様とは信頼関係も成熟していきます。

そのようなお客さんを第一優先に仕事を進めていくべきなのです。

長年お世話になっている得意先を第一優先に仕事を進め、その余力で新規を開拓する、フリーランスはこのスタンスで間違いないと確信しています。

既存のクライアントの急な仕事を請ける為、仕事を埋めすぎない

日々、仕事を続けていると抱えているクライアントから突発的な仕事が入るものです。

突発的な仕事というのはたいてい緊急度の高いものです。

得意先の緊急の仕事であれば、なんとしてでも対応してあげたいところではありますが・・・スケジュール状況によっては、急に舞い込んだ仕事に対応できない可能性があります。

じぶんのキャパを考えもせず、仕事を取れるだけ取ってスケジュールをパンパンにしてしまうと、大事なクライアントの大事な仕事に穴をあける事になってしまいます。

仕事は自分のリソースの80%程度にあえてセーブしておくくらいがちょうどいいのです。

既存のクライアントへの営業内容具体例

フリーランスは既存のクライアントへの営業が何より重要だとわかったので、いま抱えているクライアントへの日ごろの営業アクションについて考えてみましょう。

現行サイトの問題点・課題のリサーチ

過去に自らが制作し納品したサイトや、別の業者が制作したクライアントのサイトの問題点や課題をリサーチし、キレイな資料にまとめあげ改善提案をしてあげると喜ばれます。

そのまま仕事に発展しなかったとしても、自らのサイトが抱える問題点や課題がクリアできるものであるとの意識を芽生えさせられるだけでも、大きな収穫です。

また、いったん手の離れた案件であっても常にアフターフォローで気にかけてくれているのだなぁとクライアントからの信頼も得られ、次の新規の仕事も任せられるかもしれません。

経年にともなうサイトの陳腐化にともなうサイトリニューアルの提案

どれだけ最新のシステムや、当時主流のデザインにてしっかりと作り上げたサイトでも5年、8年、10年と経つとどうしても古臭い感が生じてきます。

クライアントの飽きも生じてきますしね。

見た目だけの話しだけであれば、許容もできますが、スマホへの対応が不十分であったり構築したシステムが時代遅れであったり、そもそもセキュリティホールやバグがあったりと、経年とともにサイトの問題点がボロボロと表れだしてくるものです。

その経年にともなうサイトの陳腐化と顕在化してくる不備をクライアントからの指摘として待つのではなく、自らリニューアルを提案するのが望ましいです。

自らリニューアルを提案する手間を惜しめば、クライアントはリニューアルをしない事による機会損失・経済的損失を被るかもしれませんし、リニューアルを機に別の業者に鞍替えされてしまったりするかもしれません。

Webシステム追加の提案

お客さんの業務フローを徹底的にヒアリングして把握していると、Webシステムを導入して上げる事で一気に効率化の手助けすることが可能です。

手動で集計しているアンケート、PDFとメールで行っている料金シミュレーションなどをWebシステムにてサイト上で展開することによって、クライアントのユーザの満足度は格段に高まることになります。

日ごろからクライアントの業務内容、フローについて徹底的に把握する姿勢をつらぬけば、そのお悩みWebシステムで解決できますよと提案して喜ばれるシーンが増えるでしょう。

プラグイン・テーマ・Wordpress・PHPバージョンなどアップデートの提案

過去、Wordpressベースで制作したサイトが、制作後メンテナンスなどが放置され、とある日、サイトが動かなくなったと駆け込み寺のように連絡が来る事があります。

自分のクライアントでこのような事例に遭遇させるのは避けましょう。

例え、制作後の保守に関してはノータッチであったとしても、サイトの運営方針や現状を確認させてもらい、現状を説明することでクライアントにメンテナンスを放置する事のリスクを認識してもらうのが望ましいです。

バックアップ体制、サイト運営体制など運営面での提案

プラグイン・テーマ・Wordpress・PHPバージョンなどのアップデートをきちんとできていたとしても、サーバ上のデータがなんらかの要因で消失する可能性はゼロではありません。

稀ではありますが、100%ホスティング会社の過失で、サーバのいくつかでデータが全消失した事件も記憶にのこっています。

人為的な過失などでもデータが消失する可能性もありますので、日々データのバックアップとリストア体制の構築をしておくことが望ましいです。

もし、クライアントがこのあたりの予備・予防がおろそかであればぜひ提案してあげましょう。

新サービスの告知・提案

新しいSEOサービス、SNS広告出稿代行、メディア記事ライティングサービス、動画企画・撮影・編集サービスなどなど、フリーランスがあたらしいサービスを打ち出したとしたら、まずは既存のクライアントに提案してみましょう。

Webサイトにさらなる価値を付加できるサービスを展開できるようにしていきましょう。


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この記事を書いた人

山崎岳史

東京都中野区のフリーランスでWeb制作を行っております。
Web制作会社から独立してから、13年が経ちます。

おもにマークアップやJavascriptのコーディング、Wordpressのカスタマイズなどフロント回りの開発が得意ですが、PHPとMySQLを連携させたシステム開発もよく行います。
ビジネス系メディアへの寄稿などライターとしても活動しています。

自分の最大の売りは、即レススキルと誠実さ(自分で言うなw)だと思います。

最近は、フリーランスや複業(複数の生業を持つ)という働き方の素晴らしさに気づき、この新しい時代の働き方の普及活動をしています。

このメディアでこの変化の早い世の中で、いかにすればフリーランスとして活躍していけるか有益な情報を発信していきます。

この記事を書いた山崎岳史個人に仕事のご依頼やご相談、世間話や飲みのお誘いなどがある場合は、コチラまでお気軽にご連絡ください。

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