地方の中小企業は人材供給で活性化できる?

複業ニュース

働き方改革の目的。

それは、生産性の向上やワークライフ・バランスなどの充実などさまざまありますが、今回は、成長産業のひとつである“地方の中小企業”を取り上げていきます。急速に深刻化している地方の人手不足は歯止めがかからない状況ですが、本稿ではマクロ的な視点で地方の働き方改革について記したいと思います。


成長産業である地方の中小企業は、公益的な事業分野への人材供給で活性化する

少子高齢化が進む中、都市部への人口集中などに伴って、環境保護や高齢者・障がい者の介護・ 福祉、そして子育て支援など、働くこと意外にも課題が山積みになっている地方情勢。

このような地域社会の課題を、昨今では市民が主体となって解決させようと活動している動きが目立ってきています。例えば、事業の手法で社会的課題を解決へと導くソーシャルビジネスや、コミュニティビジネス、さらには、NPO・NGOなどがあげられます。しかしながら、そんな合理的な手法でも、なかなか活動(事業)が加速しない状況があります。その理由が、人材不足です。

生産活動をおこなう年齢人口の減少が不可避な日本においては、一人当たりの生産性を向上させなければなりません。あわせて現代では、成熟産業から成長産業への労働移動の円滑化が、今後の日本の経済成長のためには不可欠であるとも言えます。

そんな中、人材不足に悩む地方の中小企業や、前述したソーシャルビジネスなどの団体等は、都市部の成熟産業で働く従業員に対して、本業を維持しながら「兼業・複業」という形態で、地方でも働いてもらうという方策を実行しています。都市部で働きながら地方の企業・団体でも活躍できる人材にとっては、たとえ遠隔でも、新たな産業で働く機会を得ることができると注目されています。

また、このような兼業・複業は、本業があるが故に、ある一定の生活が確保できることから、公益的な分野で自己実現(活躍の場)の機会を求めているとも言えます。

 

思った以上に進まない兼業・復業の実態

地方の中小企業が成長産業として注目されている一方で、日本においては兼業・複業を推進あるいは容認する企業の割合は、まだまだ十分とは言えません。

近年、兼業・複業を推進あるいは容認する企業が増加傾向にあるものの、期待されているほどの成果があがっていない理由が「制度的課題・論点」です。

 

制度的課題・論点

兼業・複業を考える個人や企業に立ちはだかる最大の原因は、本業である企業が兼業・複業を、就業規則などで原則禁止していることにあると言われています。本来であれば、兼業・複業は労働者の自由であるはずなのですが、実態はそうではありません。

具体的には原則禁止している理由の55.7%は 「従業員の長時間労働・過重労働を助長する」です。続いて「情報漏洩のリスク」 「労働時間の管理・把握が困難なため」と続きます(「2017 年リクルート調査」)。就業規則等による兼業・副業禁止については、そもそも法的に有効か否かについての議論が生じていますが、いずれにしても、このような就業規則を作成する企業の観点に立つと、やむを得ないという印象を受けてしまうのも本音。

しかし前述したように、地方の中小企業においては、人材供給で活性化できる要素がたくさんあります。特に公益性の高い事業ほど人材が不足しているわけですので、人材不足は緊急的な課題といっても過言ではありません。

 

どうやって兼業・複業のハードルをクリアにするか

一気に解決させることは現実的ではありませんが、人材供給のスピードを速める工夫は怠ってはならないでしょう。公益性の高い事業あるいは産業には、社会的な障害などに悩む人たちが多く解決が急務です。都心部に集中している優秀な人材を、地方に移動させることができれば、間違いなく日本の経済・生活価値を向上させることができます。

そのためには、遠隔で仕事ができる環境の整備や、情報管理の徹底・あるいは就業規則の改定などをひとつずつクリアにしていく必要があります。何から手をつけていくのかを、正確にそして的確に考えて実行していきたいものです。

寄稿・取材協力を頂ける方はこちら ワーカー登録ボタン 企業ご担当者様へボタン
ワーカー登録バナー ワーカー登録バナー
あなたにオススメの記事
複業ニュース
公務員副業
2018.09.29
公務員が副業する時代へ 〜禁止の理由3つと認められている副業…

公務員の副業は原則として法律で禁止されている。(地方公務員法38条・国家公務員法104条) 主な禁止の理由3つ 1.他の仕事で肉体的・精神的に本業に集中できず、仕事(国の公務、地方自治体の公務)に支障が出ることをふせぐた […]

複業ナレッジ・ノウハウ
トラブル報酬契約法律
2022.02.14
納品したのに支払ってもらえない!?報酬を回収できない時フリー…

フリーランスが見舞われるトラブルの中でもよくあるのが、実際に成果物を納品しても報酬を支払ってもらえないというケースです。
今日はこの報酬不払いの問題について未然に防ぐ方法や、いざ不払いが起きてしまったときの対応などを解説していきたいと思います。

複業ナレッジ・ノウハウ
フリーランス幸福度複業
2022.10.27
フリーランスの仕事が舞い込み幸福度も上げる行動パターン10選

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスの山崎レモンサワーです。 複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現す […]

複業ニュース
Franzツールフリーランス複業
2018.08.19
複業・フリーランスの仕事を快適にするまとめツール「Franz…

複業・フリーランスをしていると色々な会社や人と連絡をとるようになり、 会社や人によって使っているツールが異なるために、多数のツール、 もしくは同じツールでもアカウントの異なるものを使っていることがあると思います。 Sla […]

ページの先頭へ