日本では、全就業者のうち複業をしている就業者は約 234 万人と言われています。この数字は、全体のおよそ3.6%に値します。こうみると、兼業・複業を行なっている人の数は少ないように感じますよね。一方で、複業を希望する就業者は約 368 万人いると言われており、これは全体の5.7%に値します。


すでに複業をしている人の数と、複業希望者の数を足しても、全体のおよそ10%にしかならず、日本での兼業・複業による働き方が根付くのは、まだまだ先のことになるのかもしれません。

ただこの数字は、あくまで現状です。もしかすると、今後は急スピードで兼業・複業する方や希望者が増加するかもしれません。

今回はこのような、兼業・複業に関する数字をもとにした「現状」を中心にお届けいたします。

企業に着目して兼業・複業の実態をみる

従業員を雇用する企業に着目して兼業・複業の実態をみると、まだまだ兼業・複業が就業規則等で原則禁止になっているなどといった「慎重な姿勢」がみられます。

具体的な数字です。

株式会社リクルートキャリア(以下、「リクルートキャリア」)が 2017年2月に発表した「兼業・複業に対する企業の意識調査」(以下、「2017 年リクルートキャリア調査」)では下記の理由から、「兼業・複業を禁止している」企業の割合が 77.2%であると報告しています。

「社員の長時間労働・過重労働を助長する」

「情報漏洩のリスク」

など

(n=1,147 社)

働き方改革の一環として、労働時間の削減を実施している企業がある中で、兼業・複業はその真逆である「労働時間の助長」を促してしまうと意識しているということです。また、情報漏洩へのリスク管理は、企業のコンプライアンスが厳重化されてきた流れがあるため、いまに始まったことではないと言えるでしょう。

このような現状の中、いかにして兼業・複業という働き方を推進していくのかという課題解決は、企業にとっては非常に困難なのかもしれませんね。

このほかにも、兼業・複業に関してはさまざまな調査が行われています。下記に、兼業・複業の実態を表すいくつかのデータを記載します。

上場企業における働き方改革の実態とは

日本経済新聞社と日経リサーチが、2017年1月に発表した「働き方改革を巡る意識調査」では、上場企業301社を対象に、兼業・複業への対応を調査しています。

結果は

認めており、届け出も必要ない」企業が1%

「認めているが届け出または許可制」企業が 17.9%。

と、兼業・複業を許可している上場企業は2割を下回っているようです。

一方で、気になる数字が「禁止している」と答えた企業の割合です。

本調査では、「禁止している」と答えた企業は全体の73.1%。

この数字だけを切り抜くと、上場企業においては「兼業・複業」に対する姿勢が非常に慎重であると見受けられます。

中小企業の現状はどうか?

人材不足などを理由に、経営難に苦しむイメージが強い中小企業。そんな中小企業にも「従業員の兼業・複業」について調査したのが「東京商工会議所」です。

東京商工会議所が2016年に発表した「東商けいきょう集計結果2016年度10~12 月期(中小企業の景況感に関する調査)」では、東京23区の中小企業を対象として調査。

調査結果は以下の通りです。

兼業・複業を「積極的に推進している」企業の割合は15.2%。

「現在は認めておらず、将来的にも認めない」企業の割合は43.0%。

(n=702)。

上場企業と比較すると、そんなに大きな大差は感じられません。

本調査は、東京 23 区の中小企業に限られていますが、従業員の複業に関する規制は、ここでもやはり「厳しい」と感じとれます。

企業の規模に関係なく「兼業・複業」への理解と実行は「まだまだ先か」

これまでお伝えしていきた兼業・複業の現状をみると、働き方への理解を促すだけでは推進されそうにありません。しかし、兼業・複業という働き方が今後の日本経済を支えることは間違いありません。あとはいかにして、企業や政府が正確な連携をとり、日本全体の労働市場・環境に変革を起こせるかです。

そこにはもしかすると、働く人(当事者)による「働き方」への理解や実行力も必要になるのかもしれません。働く人と企業そして政府(国)にとって最適で正確な方策は何なのか。今後も追求する姿勢を崩さずに「前へ」と進むことを期待したい。

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