フリーランスになりたいけど歳をとった時に仕事がもらえるか不安ですという質問に回答します

複業ナレッジ・ノウハウ

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスの山崎レモンサワーです。

複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。

最近は、本業のかたわらライフワークの一貫として、フリーランスになりたい人、ブラック企業から脱出したい人に向けて、フリーランスになって生計を立てるためのロードマップ的なレクチャーを展開しています。

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その中で、フリーランスになりたいけど歳をとった時に仕事がもらえるか不安ですという質問をいただきましたので、その質問者さんへ答えた内容を記事にまとめました。

50歳、60歳になった時にフリーランスには仕事はあるのか?

結論から言うとフリーランスは業種・職種にもよりますが、20代、30代、40代に比べて、歳をとると仕事は減る傾向にあります。

とくに変化の激しいWeb業界、そしてとくに受託案件の仕事の場合、年齢が高くなってくると発注者側がフィルタをかけてくる可能性は非常に高いと言えます。

平均年収で見ても、サラリーマンは40代以降も年収が下降せずにゆるやかに上昇していくのに対し、フリーランスの平均年収は40代でピークに達した後、50代以降は下降していくというデータがあります。

年齢 フリーランス 正社員
25~29歳 596万円 378万円
30~34歳 680万円 475万円
35~39歳 816万円 572万円
40~44歳 840万円 635万円
45~49歳 876万円 670万円
50~54歳 660万円 690万円
55~59歳 600万円 684万円

引用元:【2022年】フリーランスの平均年収は?年収1000万円を目指す方法を解説

受託案件がメインのフリーランスが40代以降、仕事が減少するということだけでなく、40代を超えると転職するときの難易度が急激にあがります。

案件仲介エージェントの営業や転職業界の営業、採用担当の人事の方などの話を聞くと、40代ですでに採用対象からは外れるという話もよく聞きます。

じぶんが発注する側に回った際の事を想像すると、確かに納得せざるを得ません。

とくにクリエイティブな仕事は多感な若者に発注したくなりますし、じぶんよりはるかに上の人に発注する場合、気を使って要望をストレートに伝えにくいなどの弊害も想像できます。

以上から、Web系メディア系などクリエイティブな仕事や、とくに受託で仕事を獲得する場合、歳をとっていくにつれ仕事を獲得しにくくなるのは間違いなく、まずはそれが現実と受け止めましょう。

それでもフリーランスになることをおススメする理由

はじめに、歳をとったときに仕事が減るのは間違いないことをお伝えしましたが、それでもフリーランスになることが、躊躇する理由にはならないことをお話しします。

サラリーマンなら歳をとっても大丈夫というのは幻想

フリーランスは歳を取った時に心配というご質問者は、ひとつ大きな誤解をしています。

それはサラリーマンなら歳をとっても安定しているという誤解です。

日本がジャパン As No.1と呼ばれた昭和という時代であれば、終身雇用制度や年功序列制度は完全に機能しており、当時であればフリーランスよりサラリーマンでいた方が良いとじぶんも断言します。

ただ失われた30年という平成の時代を経て、いまの令和の世の中では、とうに終身雇用、年功序列という日本式の雇用制度は崩壊しています。

前述の引用した表にはサラリーマンは50代も年収は落ちていないデータにはなっていますが、このデータはあくまで会社から振り落とされず、サラリーマンでいつづけられた人の話であり、これからは定年まで勤めあげること自体が難しくなっていくことを、見逃してはなりません。

サラリーマンという働き方のリスク

特に日本におけるサラリーマンという働き方の最大のリスクは、大きく次の点があげられます。

  1. 高度な分業化のせいで会社組織の業務の一工程を担当しつづけることにより、商売を俯瞰として見れなくなる。
  2. 広く広範囲の業務を転々とすることで、ジェネラリスト化することで、独立するためのスキルが身につかない。
  3. 日本の多くが自社のみで通用するガラパゴス化された社内ルールや社内スキルの精通が求められ、転職可能な汎用的なスキルが身につかない。

そして、それらに共通して言えるのが、年々と転職や独立が難しくなっていくという事です。

それでも、終身雇用と年功序列に守られていた古き良き時代の日本では良かったものの、いざ、会社から見限られ40を過ぎて社会に放り出されたとき、もちろん独立することなど到底無理な状況で、それどころか希望の条件で転職することも非常に困難なのが実情です。

それは終身雇用が崩壊した現代でもなお、サラリーマンは安定していて一生勤めあげられるという思い込みから、日々リスクヘッジの行動をとっていないことも一因となっています。

その反面、もともと業務委託契約という、いつ仕事が途切れるかわからないフリーランスであれば、日々、リスクヘッジのために新しい収益源を探したり、自らの商品やサービスの開発にいそしんだりと、もともと不安定と覚悟を決めて仕事をすることで、「経営力」や「収入源の創造力」というものが磨き続けられるのです。

サラリーマンであっても、いつ転職の機会が巡ってきてもいいように、語学やプログラミングの学習など自己投資に余念がない人や、副業をはじめ自ら商売することの感覚を養っている人であれば、心配は少なくなります・・・ただ、大抵のサラリーマンは、今現在自らの所属している会社にしがみつくため上司に気に入られるための社内政治に注力するのみの人が大半です。

これらのことより、サラリーマンよりフリーランスの方がある意味、安定しているという主張もわかっていただけると思います。

フリーランスという働き方のアドバンテージ

フリーランスという働き方には、その他にもサラリーマンという働き方に比べ多くのアドバンテージがあります。

非常に多いので、箇条書きで列挙していきます。

  1. 自分の好きな職種・業種を自ら選択できる
  2. お客さんや一緒に働く仕事仲間を自ら選択できる
  3. 働く場所や働く時間を自由に選択できる
  4. 稼いだお金をなんの投資に回すか、消費するかなど使い道を選択できる
  5. 定年はなく、年齢に関係なく好きなだけ働く事ができる
  6. 確定申告など税務に触れる為、お金の流れや税金の知識がつく
  7. 自ら契約を結ぶ機会があるため法律にも強くなる
  8. メンタルコントロールがしやすく比較的にストレスが少なく過ごすことができる
  9. ストレスが少ない為、心身を健康に保てる上、ストレス解消のための散財を減らせる

キーワードは時間や場所、働く人、仕事の内容、お金の使い道など、すべてじぶんで決定できるということにつきると思います。
心身の健康を保てるという事は、それだけで、多くのお金と時間を犠牲にせずに済むという事と同義です。

また、神戸大学社会システムイノベーションセンターの西村和雄特命教授と同志社大学経済学研究科の八木匡教授は、国内2万人に対するアンケート調査の結果、所得、学歴よりも「自己決定」が幸福感に強い影響を与えていることを明らかにしています。

どちらの働き方がお金を、効率的に稼げるかという視点も大事ですが、それよりも幸福度が高い働き方というほうが、より魅力的に感じます。

もちろん、フリーランスという働き方にもデメリットもあるのですが、メリット・アドバンテージがこんなにも多いというのがわかっていただけたと思います。

とくにじぶんは働くという事を、単なるお金儲けの手段とは捉えておらず、楽しくなければ意味がないと考えているので、そういう意味でもストレスをコントロールして、じぶんの好きな条件で仕事を獲得しやすいフリーランスは非常に魅力的なのです。

フリーランスが50代、60代を迎える前にとるべき戦略

平均的なフリーランスが50代、60代になって仕事が少なくなり、収入が減るのはデータにもある通り、どうやら間違いなさそうです。

やはり能力的にも気力的にも体力的にも、衰えていくのが人間ですから、経営者側に回らない限りは、仕事のオファーがすくなくなるのは覚悟する必要がありそうです。

しかし、フリーランスの40代までの平均年収を見てみると、その分、サラリーマンよりだいぶ多いことも見逃せません。

会社組織にマージンを搾取されない分、稼いだお金は、すべて自分のものになるため、同じ仕事をしていても、当然サラリーマンの給与より、単価は高くなり、多くのお金を稼げるチャンスが多いという事です。

つまり自分が掲げるフリーランスの戦略・・・50代、60代を迎える前にとるべき戦略とは、40代で「あがってしまう」ということです。

「あがってしまう」とは、生涯に必要なお金を40代までに、稼ぎきってしまうという事です。

そんな事できるのは一部の成功者だけで、そんなことできるわけないとお思いでしょうか?

もちろん人それぞれ、生活水準や家庭環境によって、必要な金額も変わってきますし一概には言えないところもありますが、多くのフリーランスにとって40代までにリタイヤ可能な資産構築は再現可能だと考えています。

具体的には40代後半までに、5,000万円程度の資産を築きあげ、それを全世界か全米インデックス連動型投資に回せば、年間5~6%のリターンは見込めます。

税金を引いて、年間200万円といったところでしょうか。

全ての生活費をまかなうのには少ないかもしれませんが、50歳の時点で税引き後の不労所得が200万円あるというのは、非常に大きいです。
不足分があったとしても、自分のやりたい仕事のみ、ほそぼそと続けたり、資産を多少取り崩しながら生活し、年金の支給を待つという生活でも充分に寿命まで生きていける水準だと考えています。

歳をとることがネガティブにならない業種・職種を選ぶ

クリエイティブな仕事や、高度なスキルが要求されるシステム開発、最新のスキルを常に追い求める変化の激しいWeb業界・IT業界などは、年齢を取るとどうしてもついていけなくなるのは仕方のないところでしょう。

どんな業種でもある程度、勉強し続けなければならないのは当然としても、上記のような変化の激しすぎる業界や、アスリートや人気商売など、若い時しか成立しない仕事を選ぶと、歳をとることが心配になってしまうものです。

業種・職種によっては年齢が関係ないものが多く存在していますし、そのような仕事を選択することで将来の不安を少なくすることも、重要な戦略です。
これらの仕事こそ、SDG’S的な、持続可能な仕事と呼べるでしょう。

このように年齢を重ねることがネガティブにならない仕事について、つねにアンテナをはっておき、場合によってはスムーズに移行できるようにしておけば将来の不安を減らすこともできるでしょう。

人を雇い組織化し、経営者に専念する

私のまわりの多くのフリーランスも、この道を選択しています。

経営者側にまわれば、仕事は与えられるものではなく、自ら創り出すものに変化します。

それどころか、多くのお金を稼いで社会的成功や名声を手に入れるチャンスもあります。

ただ、それと引き換えに、相当のリスクと責任感が伴います。
人件費などの固定費が多くなり、事業がとん挫すれば資産を失ったり、雇った人の人生を狂わせるかもしれない恐れもでてきます。

多くの会社が独立してまもなく廃業を余儀なくされるデータも散見されますし、リスクをとって経営に乗り出す際は、非常によく戦略を練ったうえ、よほど確信を持てない限りは手を出すべきではないかもしれません。

収入源を多角化する「複業ワーカー」という働き方

これはフリーランスかサラリーマンかを問わず、すべての人におススメの働き方です。

サラリーマンでも最近は副業を認める会社が多くなってきましたが、よくよく考えれば当然の流れです。
いざとなっても会社は守ってくれないわけですから・・・むしろ副業が禁止されているのであれば速攻転職を考えた方がいいレベルです。

ちなみにここであげた「副業」と、推奨している働き方の「複業」は異なります。

「複業」は、その名の通り、複数の仕事を持つことです。
本業をいくつも並行して持つイメージに近いでしょうか。

あえて一つの本業に割くリソースを制限し、収入源を意図的に増やすのです。

一つの収入源に依存すると、その収入源が断たれたときの影響が大きく、すぐにリカバリーが効きません。

幸福度的にも収入源は分散すれば分散するほど高まる傾向があります。

この複業推進メディア「ウィズパラ」でも、繰り返し推奨している働き方でもあります。


この複業ワーク推進メディア「ウィズパラ」を運営する株式会社パラワークス(Wantedly
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)では、優秀なスキルを持つ複業志向を持つ方からのコンタクトを常に募集しております。

デザインスキル・プログラミングスキル・マーケティングスキル・広告運用スキル・ディレクションスキル・ライティングスキルなど必要としているスキルは多種多様。

転職ではなく複業ワークという働き方に興味があるエンジニア・デザイナー・マーケター・ディレクターの方は、ぜひ問い合わせフォームからお声がけください。

ParaWorks社長中村さんの「ウィズパラを運営する僕の”建前”と“本音”」もぜひ合わせてお読みください。思わず連絡したくなりますよ。

ウィズパラを運営する僕の”建前”と“本音”


この記事を書いた人

山崎岳史

東京都中野区のフリーランスでWeb制作を行っております。
Web制作会社から独立してから、13年が経ちます。

おもにマークアップやJavascriptのコーディング、Wordpressのカスタマイズなどフロント回りの開発が得意ですが、PHPとMySQLを連携させたシステム開発もよく行います。
ビジネス系メディアへの寄稿などライターとしても活動しています。

自分の最大の売りは、即レススキルと誠実さ(自分で言うなw)だと思います。

最近は、フリーランスや複業(複数の生業を持つ)という働き方の素晴らしさに気づき、この新しい時代の働き方の普及活動をしています。

このメディアでこの変化の早い世の中で、いかにすればフリーランスとして活躍していけるか有益な情報を発信していきます。

この記事を書いた山崎岳史個人に仕事のご依頼やご相談、世間話や飲みのお誘いなどがある場合は、コチラまでお気軽にご連絡ください。

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