インボイス導入まで1年、副業300万円問題!?フリーランスニュース2022年10月まとめ
100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスの山崎レモンサワーです。
複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。
毎年、この時期になると、もう10月なのか、信じられない、なんて1年経つのが早いんだ・・・と打ちのめされますよね。
フリーランスに限った話ではありませんが、外部環境の変化のが激しさに一個人としては翻弄される今日この頃です。
今回は2022年10月のフリーランス関連ニュース・最新事情を紹介していきたいと思います。
収入金額が300万円を超えない副業は雑所得になる?!
2022年10月を騒がせたニュースとしては、「収入金額が300万円を超えない副業は雑所得になる?!」と話題になっていた国税庁の「所得税基本通達の制定について」の一部改正案に対し7000件を超える多くの反対意見がパグリックコメントが寄せられたとの事を受けて、大幅に修正された「所得税基本通達の改正」が公表されました。
これがいかに副業や複業ワークをこれからはじめようという人にとって大きなニュースなのか改めて振りかえってまとめていきます。
国税庁が「副業の収入が300万円を超えない場合、原則として雑所得とする」という内容でパブリックコメントを求める
これは一体どういうことなのか?
今まで副業は、原則「雑所得」ではあるものの線引きがあいまいで、明確な判断基準がありませんでした。
雑所得で申告するよりも事業所得の方が「損益通算」「繰越控除」「青色申告による最大65万円の所得控除」といったメリットも多いことから、事業所得で申告する人が多いのが実情です。
「雑所得」と「事業所得」では税率が違いますし、その他税制上のメリット・デメリットが異なるのはご存知の通りです。
線引きがあいまいなら、わざわざ「損益通算」や「繰越控除」ができない「雑所得」で申告せず、メリットが大きい「事業所得」で申告するのは当たり前の話ですよね。
しかしここにきて国税庁は、所得税基本通達において副業収入300万円以下の場合、事業所得では申告できず、雑所得として申告させることを考えているようです。
なぜこのような改正案が検討されているのか・・?
今まで事業所得と雑所得の線引きをあいまいにしていたことで、不正な節税対策がはびこっていると考えているわけです。
例えば、副業で必要経費を多く出して故意に赤字にした上で、給与所得と損益通算して節税するなどのやり方です。
不正な節税行為を防ぐために、副業収入300万円以下は雑所得にしようとしているわけです。
副業として事業を行う場合には、事業所得申告のメリットを受けられなくなるわけです。
少し前から国は一貫して国民全体に副業を推進しているわけですが・・・国の方針と逆行しているようにも見えますね。
パブコメで批判殺到
「副業収入が300万円を超えない場合は事業所得ではなく雑所得」とした国税庁の通達案にパブリットコメントで7,000件にもおよぶ反対意見が殺到し、大幅に修正されることになりました。
主な反対意見としては
「300万って・・ハードルが高すぎる」
「事情はそれぞれなのに、一律の基準をつくるのはおかしい」
「国は副業推進って言っておきながらこれかよ」
「開業届が提出されているのであれば、副業であっても、事業所得と取り扱うべき」
などの反対意見が多かった様です。
これは個人的な考えなのですが、300万円という金額に達しないければ、雑所得扱い、300万円を超えれば事業所得でOKの理由がまったくもって意味不明・・・。
そもそも何をもって本業で、何をもって副業なのかもあやふやですし。
税制上のメリットが少ない雑所得扱いにされて副業に勤しもうというマインドを保てるものかねぇ・・と。
多くの反対意見が届く・・・改正案が修正
多数の意見が寄せられた事が国税庁を動かすことに成功しました。
結果として、「副業収入が300万円以下であっても、帳簿書類の保存があれば事業所得とする」という改正案の修正に至ったのです。
まぁ、この帳簿の保存に関しては、フリーランスとしてすでに仕事をしている人にとってみれば当たり前の話しですが、サラリーマンの人でこれから副業をはじめようという人には、きちんと帳簿につけて申告する重要性について再認識した方が良いと言えるでしょう。
それにしても、今回の件で民意というか、反対意見が行政に反映される日本はまだまだ捨てたものじゃないなと、素直に感じました。
インボイス導入まで1年・・・どうする?最新のフリーランスや企業の動態は
そもそもインボイスとは何ぞやという人は、このメディアでも何回か記事にして解説しているので、下記の解説記事をご参照ください。
「インボイス制度の開始でほどんどのフリーランスは収入が減ります・・・みんなはどう対策する!?」インボイス制度は、まぁ、とにかく、わかりにくく複雑で雑多な処理を強いる制度ですが、簡単に言うと国税庁は免税事業者であるフリーランス・自営業者から、消費税を納税させようという意図が見え隠れします。
今まで年間の売り上げが1,000万円を超えなければ、免税業者のままでいられたものが、インボイス発行できるようになるには、課税業者になる必要があります。
そのまま免税事業者のままという選択もできるのですが、インボイス発行ができるようにならないと、フリーランスの仕事が減るという懸念がある訳です。
まぁ、本来は納付すべきな一時的に預かっている消費税を、今まで納付を免除されていたと考えられなくもないので、このような流れも・・致し方なしかなぉと感じています。
ただ、今回の制度に対応するかどうかは強制ではなく任意なので、フリーランスの大半がどのような対応をするかが重要だと考えています。
フリーランスのみんなはどう対応する?
株式会社Lboseがおこなった全国のフリーランスを対象に「インボイス制度の導入に関する調査」で、差し迫るインボイス制度で、フリーランスのみなさんがどのように考え、行動していくかがだいぶ可視化されました。
「インボイス制度の導入で副業フリーランスの約3割がフリーランスを辞めると回答。」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000031581.html
このアンケート調査の中では、インボイス制度の導入で副業フリーランスの約3割がフリーランスを辞めるというかなり衝撃な結果が出たりしています。
インパクトはでかいけど、別に廃業までしなくても・・・と思わないでもないですが。
その他の結果の要点としては下記のようになっています。
・フリーランス全体の75%が「インボイス制度を知っている」と回答
・フリーランス全体の35%がインボイス制度が導入されたら「課税事業者として活動する」と回答
・フリーランス全体の33%がインボイス制度が導入されたら「免税事業者として活動する」と回答
・免税事業者として活動する際は64%が「提供するサービスの単価を変更しない」と回答
・副業フリーランスの26%がインボイス制度が導入されたら「副業を辞め、本業に専念する」と回答
・専業フリーランスの14.9%がインボイス制度が導入されたら「企業に入社する」と回答
出展:株式会社Lbose PR TIMS 「インボイス制度の導入で副業フリーランスの約3割がフリーランスを辞めると回答」
自分が興味ある結果としては、課税事業者としてインボイス発行できるようにするという人と、免税業者のままで活動するという人が、半々くらいという結果です。
たいへん興味深い結果です。
ちなみに自分は・・・いちフリーランスとしてインボイス制度にどう対応するか
結論から言うと、自分はインボイス制度がはじまったとしても「免税事業者」のまま活動します。
理由は、免税事業者のまま活動するなら仕事を打ち切ると言われたら、クライアントが割りを受ける分だけ値引きに応じるつもりでいるからです。
そして、値引きの打診をしても、打ち切られる分には、自分の提供するサービスが与える満足度がそもそも高くないのだと納得しますし、その際は打ち切られても構わないと考えているからです。
基本的には、クライアントはかなり分散できていますし、一社当たりの金額も大きくはないので、インボイスが発行できないから仕事を打ち切られることは、ほぼ無いと予想しています。
大企業からコンスタントに大きな金額感の仕事を受注している場合を除けば、インボイス発行に対応しなくても大きな問題はないと考えています。
さらにインボイス制度をじっくり調べて対応を決めたいフリーランスの方への参考記事紹介
【税理士さんへ10の質問】インボイスの嘘&本当をズバッと解説
https://note.com/frepara/n/n635bc33bede7?magazine_key=mdf175e9b1156
ケーススタディで学ぶ!インボイス制度のメリット・デメリット
https://note.com/frepara/n/n147ee928bfb9?magazine_key=mdf175e9b1156
フリーランスなら必ず知っておきたい! インボイス制度が始まると、つまり何がどうなる?
https://note.com/frepara/n/n1154f6fc18e2?magazine_key=mdf175e9b1156
インボイス制度導入目前!専門家が語る「個人事業主が法人化するメリット・デメリット」
https://note.com/frepara/n/n2004c007da14?magazine_key=mdf175e9b1156
フリーランス保護のための新たな法律案「フリーランス新法」とは?
「フリーランス新法」とは、臨時国会で提出される予定のフリーランス保護のための新たな法律案です。
フリーランスの取り引きを適正化し安定的に働ける環境を整備するため、発注者側に業務を委託する際の遵守事項などを定めたものになります。
フリーランスは報酬の支払遅延や一方的な仕事内容の変更といったトラブルが多く、発注者への依存度が高い傾向にあるため、取り引きを適正化するのが目的です。
思えばわたしも苦労した口です。
独立当初、業界はまだまだ無法地帯でフリーランスの扱われ方は雑の一言でした。
ようやく、フリーランス保護の動きが活発になってきたなぁと、国も仕事してくれてるんだなぁと感動しきりです。
フリーランス新法のポイントについては、下記のページで詳しく解説されているのでご参照ください。
「参考記事:【速報】フリーランス新法のポイント・背景を掘り下げ解説!」
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この記事を書いた人
山崎岳史
東京都中野区のフリーランスでWeb制作を行っております。
Web制作会社から独立してから、13年が経ちます。
おもにマークアップやJavascriptのコーディング、Wordpressのカスタマイズなどフロント回りの開発が得意ですが、PHPとMySQLを連携させたシステム開発もよく行います。
ビジネス系メディアへの寄稿などライターとしても活動しています。
自分の最大の売りは、即レススキルと誠実さ(自分で言うなw)だと思います。
最近は、フリーランスや複業(複数の生業を持つ)という働き方の素晴らしさに気づき、この新しい時代の働き方の普及活動をしています。
このメディアでこの変化の早い世の中で、いかにすればフリーランスとして活躍していけるか有益な情報を発信していきます。
この記事を書いた山崎岳史個人に仕事のご依頼やご相談、世間話や飲みのお誘いなどがある場合は、コチラまでお気軽にご連絡ください。
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