しごとは弱いつながりからやってくる!?弱いつながりを広げるというフリーランス生き残り戦略
100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスの山崎レモンサワーです。
複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。
フリーランスになってから14年も活動していると、しごとがどこからやってくるかについて、サンプルが蓄積されていき、何かしら傾向があることが明確になってきました。
結論から言うと、良質なしごとは「弱いつながり」からやってくるというものです。
弱いつながり、強いつながりとは?
つながりとは人間関係の事で、強いつながりとは、例えば親子であったり兄弟であったり近い親類や、頻繁に行動をともにする親友や、大変お世話になっている恩師や先輩などが該当するでしょうか。
これに対して、「弱いつながり」は年に一度程度しか顔を合わさない叔父・叔母・いとこなどの親類や、共通の親しい知人を介して知り合ったようなたまに会う程度の知人、同じコミュニティに所属しながらもお互いを認識しているが挨拶程度の関係の人、SNSで共通の属性を持ちリプやDMで連絡を取り合う人、以前取引のあった仕事相手などなど、そんなところでしょうか。
そしてこれに対し、「弱いつながり」には該当しない「弱すぎるつながり」も挙げておきます。
「弱すぎるつながり」とは、同じ学校・職場にいるが双方まったく認識が無い関係、一度打ち合わせをして名刺交換をした程度の関係、Webサイトやブログ・SNSで片方が一方的に知っている関係、一緒のコミュニティで活動する知り合いではあるがどちらか一方が相手を快く思っていない関係といったところでしょうか。
ここで興味深いのは、しごとは「強いつながり」より「弱いつながり」から発展もしやすいということです。
興味深いですよね。イメージ的にはより「強いつながり」から発展すると思うところです。
なぜしごとは「強いつながり」ではなく「弱いつながり」からやってくるのか?
米国の社会学者、マーク・グラノヴェッターは自身の研究で、「弱いつながりの方が転職には有用である」ことを実証しました。
この研究では転職がテーマで進められましたが、フリーランスがしごとを得る際のきっかけという視点で見ても良いでしょう。
この研究では、転職したホワイトカラーの人をインタビューをした際、転職先の情報をもたらしたのは、会う頻度の高い人よりも「弱いつながり」の人である場合が多かったそうです。
ただし、ここでも注意なのがあくまで「弱いつながり」が大事で「弱すぎるつながり(数をこなすだけの名刺交換やSNSでフォローされているだけなどのつながり)」では無いという事です。
ではなぜ「強いつながり」より「弱いつながり」なのでしょうか?
考えられる原因を挙げていきます。
仕事とプライベートを分けたい
「強いつながり」は人生を歩むうえでの最後の寄りどころとも言える場所で、そこにストレスの発生要因になりかねない仕事の関係をもちこむ事を人間は避けようとするバイアスが働いていると考えられます。
もちろん強固な家族経営、親族経営を営んでらっしゃる方もたくさんいますが、やはり多数派は仕事と家庭は明確に区別したいと考えている人が大半でしょう。
ビジネスパートナーとはドライでいる必要がある
仕事上には、ときに非常とも言えるようなシビアな判断を下さなければならない時があります。
支払う費用に見合うサービスを提供してもらえないのであれば、契約を打ち切るなどのようなケースです。
ここに「強いつながり」特有の情が介入すると、非常な判断はしにくくなり、ビジネス上の支障になりかねません。
「弱いつながり」から発展した仕事であれば、要望をストレートに伝えたり、その要望を満たすことが難しい場合は、関係を解消することも、そこまで大きな心理的ハードルにはなりません。
逆に言うとベストなビジネスパートナーだと感じた相手とは、仕事とプライベートを明確に区別し、あえて必要以上に接近したりせず、適度な距離感をもって付き合っていく方が仕事が長続きすると言えます。
かといって、まったく知らない相手は敬遠したい
前項で新しい仕事は「強いつながり」より、「弱いつながり」から発展すると言いましたが、「弱すぎるつながり」ではないことの理由も明確にしておくべきでしょう。
「弱すぎるつながり」はそもそも仕事に発展することが稀なだけでなく、仕事に発展した際に思わぬ落とし穴にハマることが多いからです。
例えばクラウドソースプラットフォームやSNSで仕事を下さいと連絡をくれた相手に、どのような人かを判断できない時点で、仕事を投げたら、途中で連絡がつかなくなり仕事が完遂できなかったなどのトラブルをよく聞きます。
全てを知り尽くした「強いつながり」との仕事は敬遠される一方で、どのような人か未知数な「弱すぎるつながり」にも、怖くて仕事を任せられないというのが実情なのでしょう。
ちょうどいい弱さのつながりとは?
前述で、
「弱いつながり」は年に一度程度しか顔を合わさない叔父・叔母・いとこなどの親類や、共通の親しい知人を介して知り合ったようなたまに会う程度の知人、同じコミュニティに所属しながらもお互いを認識しているが挨拶程度の関係の人、SNSで共通の属性を持ちリプやDMで連絡を取り合う人、以前取引のあった仕事相手など。
「弱すぎるつながり」とは、同じ学校・職場にいるが双方まったく認識が無い関係、一度打ち合わせをしたが名刺交換程度の関係、Webサイトやブログ・SNSで片方が一方的に知っているような関係、同じコミュニティに所属してはいるがどちらか一方が相手を快く思っていない関係など。
と特長を挙げましたが、「弱いつながり」と「弱すぎるつながり」の違い・境目はどこにあるのでしょう。
結論から言えば、今回の話で大切とする「弱いつながり」の特長とは
「付き合いは深くないが、評判や共通の知人から得る情報からどのような人か判断できる間柄」ということに尽きるでしょう。
親友というほどの付き合いに深さも頻度もないが、素性がしっかり知れていて、評判も悪くない、どのような仕事をしていて、トラブルを抱えているということもない、たまに挨拶をしても気持ちのいい挨拶を返してくれる、世間話をしても気持ちのいい会話ができる・・・・そのような人たちが「弱いつながり」の人たちです。
これに対し「弱すぎるつながり」とは、顔と名前はなんとなく知っているが、芯の部分は何もわからず、現状、付き合う機会もない状態の間柄、他人に毛が生えた程度の関係性でしょう。
そして、仕事の大半は「弱いつながり」から唐突にもたらされるのです。
仕事につながる「弱いつながり」を発展させるには
ここまで、転職に有用だったり、フリーランスとして仕事を得るには、「弱いつながり」がめちゃくちゃ重要だという話しをしてきました。
であれば、当然この「弱いつながり」を広げていければという発想になる訳です。
かといって、やみくもに人の属性を考えず交流をもちまくったり、毎日パーティや飲み会に参加したり、怪しい経歴の人たちが跋扈する異業種交流会に参加して名刺を配りまくったりしても、ただの煩わしい交友関係が構築されるだけです。
場合によっては情報商材を売りつけてくるような招かれざる人との接点を持ちかねません。
広げるべきつながり・ネットワークはあくまで、信用のおける人、誠実な人でなくてはお話しになりません。
大前提を掲げた上で、どのようにして「弱いつながり」を広げられるか、またどうすれば仕事に発展しやすくなるかなどのコツを紹介していきます。
おなじく弱いつながりの人からの紹介
すでに「弱いつながり」に該当している人から紹介された人は、簡単な審査で同等の「弱いつながり」に昇格します。
頻繁に交流を持つ関係ではない「弱いつながり」とはいえ、信頼に値する人物か、好感の持てる人物かなど、どのような人物か分からない状態では「弱いつながり」にはなりえません。
つまり「弱いつながり」に属す人たちは、現時点で頻繁に交流はなくても、縁があれば仕事を依頼したりされたりしても良いだけの基準を満たした人たちのことです。
そしてこれら信頼のおける「弱いつながり」の人たちから紹介される人物は、その時点で、ある程度、信頼のおける人物だという判断材料になるわけです。
Web制作者のようなフリーランスは数多いるなかで、知り合いのWeb制作者を紹介してもらおうとする人が多いのは、まったく知らない人に依頼する際のリスクを感じ取っているからに他なりません。
つまりは「弱いつながり」をより広げようとした場合、シンプルに人に紹介しても恥ずかしくない人物でありつづけることが重要です。
自分がどのような仕事をしていて、どのようなスキルを持っているか発信しつづける
どれだけ「弱いつながり」を広げても、そこからひょんなことから仕事に発展したりすることがあるのは、自分がつながり内でどのようなナリワイをしているか周知されている必要があります。
あくまで「弱いつながり」なので、積極的に自分を売り込むというのは違いますが、リアルの友人関係でつながっている実名SNSなどで、自分の日々の仕事っぷりを投稿するなど、最低限の情報発信はしておくようにしましょう。
適度な距離感を意識し、距離をつめすぎない
しごとは「強いつながり」より「弱いつながり」から発展するということを話してきました。
親しくなれば親しくなるほど、より一緒に時間を過ごすほど、距離感は縮まり「弱いつながり」から「強いつながり」にシフトしていきます。
より親密な関係になることは素晴らしい事ではあるのですが、こと仕事上の人間関係に関しては必要以上に距離をつめずちょうどよい「弱いつながり」であり続ける事が重要になります。
「弱いつながり」というと響き的にはネガティブな響きがあるのですが、仕事上ではある程度の距離感がある間柄の方が、功を奏すことがあると心がけましょう。
さまざまなコミュニティへの積極参加
会社組織に所属して、終身雇用を貫ける人であれば、自分の会社への忠誠や、自分の会社の人たちとの人間関係にフルコミットしていくのでも良いかもしれませんが、フリーランスでは仕事上以外でも、いかに様々なコミュニティ・ネットワークへ所属するかは、仕事やプライベートの幸福度や成功の確率を上げる上で、絶対的に必要な行動になります。
サラリーマンであっても、とうに終身雇用は崩壊しており、独立しないまでも、さまざまな職業をかけ持ちしたり、転職を繰り返して自らキャリアを形成していくうえで、この様々なコミュニティ・ネットワークへ所属する努力というのは必要不可欠です。
コミュニティ・ネットワークは健全なものであれば、とくべつ仕事に関係なくてOKです。というより仕事と全く関係ないほうが仕事に発展するケースが多いとさえ感じます。
例えば音楽やスポーツ、料理など趣味のコミュニティへの参加、例えば町内会への所属や地域のお祭りなどの催しへの参加、例えばSNS上で同じ属性の人たちが参加しているSNSグループやオフ会などへの参加などです。
弱すぎる関係からの昇格
前項で多くのコミュニティやネットワークに自らの身を所属させるのが「弱いつながり」を発展させていくコツだと話しましたが、単に所属するだけでは意味がありません。
それでは多くの人に名刺を配りまくって、営業した気になっている営業マンと変わりません。
所属した先で、自分自身に意味や価値を見出してもらうべく、自分のキャラを確立し、自分のナリワイを発信し、日々誠実に挨拶し、ともに楽しみ、ときに共通の課題を解決していくことが重要です。
なので数多く所属することも重要ですが、たまにしか参加できないようであれば、意味が無いので、あくまでも積極的に参加できる数にとどめておきましょう。
弱いつながりを維持するための定期的コンタクト
さて、実際にある程度「弱いつながり」を発展する事ができたとします。
しかし、この「弱いつながり」というのは、しごく簡単に「弱いつながり」から「弱すぎるつながり」に降格してしまいます。
そのおもな要因は、会う間隔や連絡を取り合う間隔があく事によって一気に疎遠になるためです。
「弱いつながり」どころか「強いつながり」ともいえる小中高校時代・大学時代の親友も、3年も会っていないと、極めて疎遠になり、「弱すぎるつながり」にまで降格し、いざ連絡を取ろうと思っても連絡先すらわからなくなるなど皆さんも実感があるのではないでしょうか?
もちろん住む場所や、仕事や学校、共通のコミュニティが変われば、疎遠になるのは当然なのですが、元気でやってるかどうかなど些細な連絡を定期的に入れたり、食事や飲み会を定期的に設けたりすることで、「弱いつながり」は持続可能です。
そのためには、忙しすぎる環境の中に身を置かず、つねに自身に余白を持ち続け、週末は趣味のコミュニティに参加したり、用事が無くてもかつての仲間に定期的にコンタクトをとったりすることで、いつの間にか社会的に孤立しているというような状況を回避しましょう。
まとめ
今日はつながりとか縁という、じつにふわっとした抽象的なお話をさせていただきましたが、長い期間、フリーランスとして活躍できるか、さらにプライベートを充実させられるかは、いかに日ごろから人とのつながりを大事できるかにつきると感じざるを得ません。
若い時にはわからなかったのですが、43歳にもなるとある程度、人生が俯瞰で見えるようになり、成功や失敗の要因を、長い期間で見た因果関係で判断できるようになってきました。
小手先のスキルを高める事よりも、人との良好な人間関係を発展させていくという日々の姿勢が、盤石なフリーランス人生の礎となると確信しています。
ぜひ、「強いつながり」を心のよりどころとしつつ、「弱すぎるつながり」ではなく、「弱いつながり」を発展させていく事に注目してみてください。
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この記事を書いた人
山崎岳史
東京都中野区のフリーランスでWeb制作を行っております。
Web制作会社から独立してから、13年が経ちます。
おもにマークアップやJavascriptのコーディング、Wordpressのカスタマイズなどフロント回りの開発が得意ですが、PHPとMySQLを連携させたシステム開発もよく行います。
ビジネス系メディアへの寄稿などライターとしても活動しています。
自分の最大の売りは、即レススキルと誠実さ(自分で言うなw)だと思います。
最近は、フリーランスや複業(複数の生業を持つ)という働き方の素晴らしさに気づき、この新しい時代の働き方の普及活動をしています。
このメディアでこの変化の早い世の中で、いかにすればフリーランスとして活躍していけるか有益な情報を発信していきます。
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