個人事業主の開業届け提出のメリット・デメリット
個人で商売をしよう。独立して(フリーランスで)仕事をしていこう!と思っている人は
年々増えています。
事業を始める準備の段階で「企業」「個人事業主」と調べていくと「確定申告」と同時に
「開業届け」と言う言葉を目にします。
「開業届け」はおおまかに言うと税務署に㈰誰が㈪どんな仕事を㈫どこで行っているか?
を届出る(提出する)ものです。
確定申告とは?
個人事業主の場合はサラリーマンと違って、1年間働いて年間収支(損益)が決まってから、
その1年間(1/1〜12/31)での「確定」した損益に対して「税金」を納めます。その申告を確定申告と言います。
それでは具体的に【開業届け】のメリット・デメリットについて説明します。
【開業届け】による4つのメリット
確定申告の際「青色申告書」で節税できる!
確定申告には「白色申告」と「青色申告」があります。
このふたつの違いはいろいろありますが、簡単に言うと「お金の流れ(入出金の詳細)がちゃんとわかるようにしっかりと帳簿をつけている場合は税金面で優遇します」というのが青色申告です。
そして青色申告書を使って確定申告するには「開業届け」が必要です。
つまり開業届けをすると、青色申告でいろんな節税対策ができるというのが【開業届けの最大のメリット】です。
青色申告をしっかりとするだけで65万円の特別控除があります。さらに家族に働いてもらった分の給与を経費に換算することもできます。
例:
奥さんに経理を任せて、銀行口座の入出金や小口現金の詳細を帳簿につけてもらう。
その奥さんへ報酬として毎月10万ずつ給与を払っていれば、年間で120万円分の経費が認められるわけです。もちろん奥さんでなくとも他の家族もOKです!
それ以外にも40以上の節税効果があると言われています。
こういった節税効果の大きい青色申告は「開業届け」を提出していないとできません。
※なお、青色申告をするためには青色申告承認申請書の提出も必要です。
赤字の繰越し。
年度によっては赤字になることもあるかもしれません。
特に初年度は赤字というケースもあり得ます。設備投資をしたり、新プロジェクトが年度を
またがってしまって結果として赤字になることもあります。
そんな時に1年単位で計算した赤字を翌年以降(最長3年分)のものと合算して納税することができます。
※これは青色申告のメリットですが、青色申告をするのは「開業届けの提出」が大前提!
㈫屋号の名義で銀行口座を作ることができる→社会的信頼度がUP!
屋号を正式に決めて、その名義で銀行口座を作ることができます。これはクライアント側から見ても、営業面からも、社会的に見ても大きな信用となります。法人登記をしていなくても、屋号で口座を作ることができます。
※「開業届け」を提出して、屋号を決めて【ホームページを持つこと】+【屋号の名義の銀行口座を持つこと】で、金融機関からの融資の際の信頼度もUPします!
モチベーションが上がる!
税務署に「開業届け」を提出するのは原則として開業してから1ヶ月以内ですが、届出をしなくても特に罰則はありません。
ただ、「私はこれを生業(なりわい)としている」と届け出ることで仕事に対するモチベーションがあがります。従業員を雇うなら、外注を出すなら、なおさらです。
開業届を出すことによるデメリット(注意!)
会社を退職してこれから企業をしようと思っている人の中には失業手当をもらっている人も少なくないと思います。
そのような場合、開業届けを出すと失業手当の受給がなくなりますので注意してください。
【開業届けを出す】=事業をしている=【失業してる状態ではない】ので、失業手当の受給資格はなくなります。
失業手当は「仕事をしていないorする仕事が見つからない」人への社会保障ですから。
まとめ
・「開業届け」を出して、帳簿をしっかりつけると青色申告による節税ができます。
(これは大きいメリットです)
・開業届けを出すことで、さまざまな面で社会的な信用作りとモチベーションを高めていくことができる
・現在失業手当をもらっているのであれば、再就職するのか? 時期を見て企業するのか? を決めてから行動するのが賢明です。