近年、フリーランスとしての活動を模索する人も増えていますが、いざフリーランスとして独立するとなるとその先の不安も拭えないもの。そのため、本音では独立したいと考えていても独立をためらってしまっている方や、諦めてしまっている方も少なくないでしょう。

今回は、実際にフリーランスとして活動している小須田 こういちさんに、フリーランスになった経緯やメリット・デメリット、そして理念やこだわりなどについてインタビューさせていただきました。

小須田さんは2015年にフリーランスとして独立し、現在はWebライターを中心に活動していらっしゃいます。実際の現役フリーランサーの本音を語っていただきました!

――さっそくですが、フリーランスになった経緯や理由を教えてください

それって、家族や友達なんかからも必ず聞かれる質問ですよね?笑

一言でまとめるなら、会社勤めができない人間だったから――ですかね。

――ざっくりとまとめ過ぎじゃないですか! もう少し具体的にお願いします!笑

団体行動が嫌いというか、群れるのがイヤというか……。とにかく組織に属しているのが苦痛で仕方なかったんです。

どこの会社にも1人や2人くらいいますよね? そういう人って。笑

それでも、会社勤めをしているときは、それなりには楽しく仕事をさせていただきましたけど、自分の人生っていう時間を考えた時に、このままじゃもったいないなと。

組織に埋もれて仕方なく働いているより、自分のやりたいことをやってみよう! と思ったのがきっかけです。

個性を活かせない場所に我慢して居続けるのは苦痛で仕方なかったので。

勤めていた会社が倒産してしまった経験も何度もありますし、よけいにそういう気持ちが強くなってしまったのかもしれませんけど……。

――倒産はキツいですね~! しかも何度も経験されるって、滅多にあることじゃないですよね?

ある日会社に行ったら貼り紙がされていたこともありましたね。笑

あとは、辞めたあとに倒産してしまった会社もありますしね。

まあ、倒産云々に関してはフリーランスになる直接的な理由ではないですけど。

もともと子供の頃から本を読むのが大好きで、学校の図書館にある本をほとんど借りてしまったこともあるくらい、毎日のように本を読んでいました。

本を読み始めたら止まらなくて、寝る間も惜しんで読んだりしてましたし、お風呂でもトイレでも読んでました。本のジャンルも様々で、おかげでいろんな知識だけは蓄積されたかな? と思いますね。

だから、いつか文章を書く仕事がしたいと、漠然ながら思っていたんですけどね。読書に費やせる集中力を仕事に活かせないかな? と。

小説家とか、そこまでは考えていなかったですけど……。でもまさか、Webライターなんていう仕事に就くとは、想像すらしていませんでした!笑

――実際にWebライターとしてどのような活動をされていますか? 主な仕事内容について聞かせてください。

え~と……。

執筆ですね。

――だからそこをもう少し掘り下げて説明してください!笑

Webコンテンツの記事を執筆するのがWebライターなので、そこは皆さんもよくご存知だと思います。

その中にも色々な仕事があって――まあ結局はWeb記事であることには違いがないんですけど、個人のアフィリエイターからの依頼もあれば企業からの依頼もありますし、公的な機関に提供する記事を書いたりとかもあります。

取材や写真撮影をこなすこともありますし、紙媒体の依頼がくることもありますよ。

――Webライターでありフリーライターでもあるってことですか?

そこの定義は曖昧ですよね。笑

フリーで活動してるライターですから、「Webライターです!」って名乗らなくても、フリーライターでいいじゃん! とは思いますけどね。笑

そこは個人の好みの問題かも。笑

――たしかに!笑 呼称に関しては個人の好みでいいですよね? 名乗り方は自由ですもんね。

個人的にはWebライターよりもフリーライターでいたいですね。

何かの枠に囚われたくないので、呼称も自由さが際立っている「フリーライター」の方が好きなんです。笑

もちろん、スポーツに特化して詳しいならスポーツライターとか、サッカーライターやベースボールライターと名乗ったっていいでしょうし、医療に詳しければ医療ライターとかを名乗ったっていいわけですからね。

そこから一歩踏み込んでジャーナリストを目指したっていいでしょうし。

実際に仕事をもらえるかどうかは別にして、もうそこは個人の気持ち次第でどうにでもなる部分ですから。

――Webライターというと、私のイメージとしては副業という印象がどうしても拭えないんですけど、その点に関して小須田さんの考えを聞かせてください。

Webライターっていうと、恐らく、皆さんのイメージとしては、やっぱり「副業」ですよね。

はっきり言ってしまえば、かなり地味な仕事です。

自分がWebライターになったばかりの頃は本当に副業色の強い仕事で、それを主戦業としてこなしていくなんてとても考えられないくらいでした。

だから最初はアルバイトもしつつ、兼業でライターをしていました。

当時はライターとしてどんなに頑張ってもそれだけで生活できるようなレベルにはなかったです。スキル以前に環境がそうでしたからね。

500文字で100円とか、そんな時代でした。しかも、記事を書くにあたってのリサーチ時間なども含めると、とても非効率的な職業でした。クライアントとしても、「書いてくれればそれでいい」みたいな感じでしたから、今とは違って質の低い記事も非常に多かったです。

でも、最近ではSEOも大きく変化してきています。何より記事の質自体が求められる時代になりましたので、適当な記事しか書けないライターはどんどん淘汰されてきています。

報酬も昔とは考えられないくらいまで上昇してきてますし。

本気でライターとして向き合いたいと思える環境が整ってきているのは嬉しいですし、実際にWebライターのみで生計を立てている人は非常に増えてきていますしね。

Webライターに求められるスキルも高くなってきていますから、うかうかしていられないっていう危機感や緊張感も持って仕事に向き合っています。今や副業という一言では片付けられないくらいの職業にはなってきているなと、実感してます。

これから、専門性の高いスキルを持ったライターさんも増えていくと思いますし、そういったライバルと切磋琢磨できるワクワク感もあります。

――仕事に対する緊張感はいい意味で大事にしたいですよね! ちなみにWebライターの仕事というのはどうやって探すんですか? ペンネームとか使うことってありますか?

仕事の探し方は主に2通りだと思います。ひとつはクラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングを活用する方法、もうひとつが自分で売り込む方法です。

僕の場合はクラウドソーシングで請けた仕事は数えるくらいしかありません。

数年前までは、クラウドソーシングとは違う形式のライター求人サイトがあったんですけど、今お付き合いのあるクライアントはそこで仕事を受注したところがほとんどです。

あとは、ライターなどを募集している企業に直接応募したりもしていますし、他のライターさんの仕事を手伝うこともあります。

ペンネームもありますよ。笑

執筆するメディアによって使い分けることもありますし、ブログもペンネームで運営してます。

あ、名刺もペンネームです。

――ペンネームを使い分ける意味とは?

例えば、政治や経済の記事と趣味やペット系の記事とではサイトのコンセプトや記事から醸し出される雰囲気って全然違うじゃないですか? そういう雰囲気に合わせてペンネームを使い分けちゃうことはありますね。

あとは異なるクライアントでも似たような案件を請けてしまうこともありますので、その場合は違うペンネームを使用したりもしてます。別にいけないことをしているわけじゃないんですけど、なんとなくそこは配慮も必要かな? という感じで。

――仮に未経験の案件があった場合でも、興味があったら申込みますか?

もちろんです。

いずれにしても、どんな案件だって最初は全部未経験なんですから、経験がある・ないは関係ないです。それはクライアントが判断することなので。

だから、やってみたいと思った案件にはとにかく申込むようにしてます。未経験であることもちゃんと伝えますし、それでも自分はやってみたいんです! という意気込みも同時に伝えます。

大事なのは、断られたって当然だから申込むだけ申込んでみよう! という気持ちです。やりたいと思った案件に対しては臆せず申込むようにしないともったいないですし、「だめならまた次がある、今回は縁がなかっただけ」と、割り切れますから。

そういう案件には縁がないなら、採用されるレベルになれるまで努力しよう! と思えますね。

――フリーランスとして働く上で大事にしていることは何ですか?

大事にしている部分は、謙虚な姿勢と他に感謝できる心ですかね。

これがないと、フリーランスとしては致命的じゃないでしょうか。

他のライターさんなんかとも話す機会がありますけど、やっぱり謙虚さと感謝を持った人は常に案件を抱えて忙しくされてます。個人的なイメージではありますけどね。

やっぱりどれだけの案件を請けることができるのかは、人柄で決まる部分も大きいと思います。

――ライターさん同士で情報交換などはしますか? あと、このライターさんはすごいな! と思える人、もしくは目指しているライター像などはありますか?

情報交換などをしたいと、相手が思ってくれるなら、いくらでも絡みたいです!笑

ただし、そう考えているライターさんがどれだけいるのかは、はっきり言って疑問です。在宅でできる仕事ですから、そもそも人と接することを嫌うライターさんだって少なくないでしょうしね。

でも、数名のライターとは交流があってたまには情報交換などもしてますよ。ほんとたまにですけど。笑

すごいと思えるライターさんや、目指しているライターさんなどはいないです。ただ、女性のライターさんの書く記事は非常に繊細できれいですから、ある意味で女性的な感性は持っていたいなという気持ちはあります。

心まで女性になる気はないですよ?笑

――ちなみに突っ込んだお話になっちゃいますが……。Webライターの報酬について教えてください。

ネット上では、「Webライターは儲からない!」とか、そういう記事を見つけることもありますけど、それって稼げないライターが書いてるんじゃないかって思います。

スキルや案件にもよりますけど、月収で60万円以上稼ぐWebライターさんもそこそこ居るんじゃないですか? 専門性の高い記事を書けるなら月収100万円なんていうのも全然夢物語じゃないですし。

少なくとも、一般的な案件であっても月収30万円前後は普通に稼げる環境ではあるはずなので、Webライターとして活動することを考えるなら、まずはそのあたりを参考にしてみるといいと思います。

――個人的な印象で申し訳ないんですけど、フリーランスの方って結構お金の話に敏感ですよね?笑

敏感かどうかはわからないですけど……笑

でもそういう会話は確かに多いですね。

お金の話は汚いものっていうのが世間的な風潮ですけど、それはお金を悪いツールだという前提で語るからであって、お金は良くも悪くもないフラットなものですからね。

使い方次第で良くも悪くもなるっていうだけですから。生きるためのツールならもっと貪欲に語ってもいいと思いますけど……。

なぜか日本人はあからさまにお金の話をするのを嫌がる傾向ですよね。

それも日本人らしさといえばそうなのかもしれませんけど、まあ、そういう話はいずれ機会があったらにしましょう!笑

――もしこれからWebライターを目指したいという方がいたとしたら、仕事探しにあたってアドバイスはありますか?

アドバイスできるほど偉くないです。笑

でも、強いて言えば、“卑屈にならないこと”ですかね。

これはさっきお話した謙虚と感謝っていう部分にも繋がりますけど。

フリーランスはとにかくアピールから売り込み、すべてを自分でこなさなきゃならないですし、卑屈になりそうな場面にも何度も遭遇します。

なので、卑屈にならないための対策というか心構えは持っておくべきかなと。

――卑屈ですか……。なんだか私も身につまされる思いです。笑 フリーランスになる前と今とでは何が違いますか? 変わったことはありますか?

会社員時代って、僕も周囲の友人や同僚も愚痴ばかりでした。先輩も後輩も、上司でさえも平気で会社や家庭の愚痴をこぼしてましたし、それが当たり前の環境だと思ってました。

そういうのが僕はとにかく嫌でした。空気感に耐えられないというか……笑

でもフリーランスになって、同業者の方やクリエイターさんなどと交流を持つ機会が多くなって、そしてよくよく周りを見渡してみると、色々と気付かされることが多かったですね。

皆さん、やっぱり気持ちにゆとりがあるんですよね。愚痴もない。誰かがぶっとんだ野望を口にしても誰も否定しない。それどころかそれを実現させるための案が次々と飛び出してくるんです。

どんなに忙しくても、みんな好きなことを仕事にしている人たちばかりなので、気持ちに余裕があるから、いろんな意見をしっかり聞いて受け止める余裕もあるんだなと。

普通なら、「そんなの無理に決まってんじゃん!」で済まされてしまうようなことでも、まるで日常会話のごとく聞き入れて肯定してくれる柔軟さがあります。

これまで、会社に勤めて稼ぐのが当然! とか、そういうのが当たり前とされてきたわけですし、今でも田舎なんかではそういう風潮が根強いですけど、そういう風当たりすら物ともせず自分の進みたい道を進める人たちですからね、やっぱり世間とは一線を画す感性を持ってるなぁ……と、感心します。

かくいう自分も、周囲からは考え方が変わってると言われて生きてきたので、そういう世界に飛び込んで、逆に安心感を覚えました。仲間だ! みたいな。笑

――ちょっとだけ他と感性が違うというだけで、生きにくい世の中だと感じる人も多いでしょうね……。ところで、先ほど「スキル」というワードを出されましたが、やはり書くだけでは仕事にならないということですか?

ライターですから、基本的には書くのが仕事です。

しかし、最近ではWebライターの請け負う仕事も幅が広がってきてますからね。

SEOを意識した記事を書くのは必須ですし、サイトで使用する画像を選定する作業は当たり前になっています。

また、画像加工、HTMLタグへの対応や、WordPressへのアップロード作業などもありますし、ライター側で構成を行うケースもあります。

なので、僕もHTMLやCSSの勉強もしましたし、WordPressについても勉強したり――かといってWebデザイナーさんほどの知識はありませんが。笑

もちろんSEOに関しても勉強を怠らないようにしてます。

また、取材ともなれば写真撮影もこなす必要がありますので、カメラそのものやRAW現像など写真編集の勉強も少しづつですがやっています。

どこまでがライターの仕事なのか? というのは、はっきり言ってクライアント側とライター側で見識が分かれる部分ではあるんですけど、少なくともこれらの作業もこなせないとWebライターとして仕事を請けるのは難しくなっていくんじゃないかな? とは思います。

クライアントに関しても編集の素人である場合がほとんどですので、ライターが編集業務の一部を負担することも珍しくないんです。

このあたりは、業務を効率的に進めていくために、受注前にクライアントとすり合わせを行っておく方がいいです。

僕の場合は、画像選定の追加料金やWordPressへアップロードする場合の追加料金、写真撮影をする場合の追加料金などについては、クライアント側にも理解を求めるようにしています。

――ただ書くだけじゃだめなのかぁ……。なんだかライターさんのお仕事のイメージが変わりました! クライアントに対して小須田さんから何らかの交渉なり提案をしたりすることはありますか?


どんな仕事でもそうですけど、やっぱり営業力は大事です。

もちろん、請け負う仕事の幅が広ければ広いほど、クライアント側の提案だけを受け入れていては稼げませんから、その場合はこちらから交渉することもあります。

だって、ほぼ1日費やしてしまうような取材記事で、アルバイトの時給以下の報酬じゃ割に合わないじゃないですか? こっちは仕事としてやっているわけで、遊びじゃないんですから。

それなりの報酬をいただけるのであればそれに沿って業務を行いますが、あまりにも報酬が見合わない場合は交渉して、それでも受け入れられない場合はお断りすることもありますし、執筆するにも記事の質を落とすこともあります。

――記事の質を落とすというのは?

いい加減に記事を書くということではないですよ。笑

質の高い記事を書く場合にはリサーチだってしっかりと行わなければなりません。

一次ソースを探して信憑性の裏を取ることも大事ですし、ネット上で思ったようなリサーチができない場合は電話で問い合わせたり図書館で必要な本を借りたり、必要があればネットや書店で書籍を購入したりすることもあります。

相応の報酬で依頼があるなら、そういう手間をかけて記事を書きますが、報酬が見合わなければなるべく手間をかけないように記事を書きます。じゃないと時間をロスした分だけもったいないですから。

最低限の行動に抑えるという意味ですからね。笑

取材であれば、それがインタビュー形式であろうとレポート形式であろうと、それなりの報酬であれば腰の座った記事を書けますが、お小遣い程度の報酬なら「さっさと終わらせて帰ろう」って感じにもなっちゃいますからね。

――なるほど。報酬などの内容もクライアントによりけりってことですね? ではWebライターとして、そしてフリーランスとして、こだわっている部分などはありますか?

そうですね……。

こだわりとしては3つあります。

1つ目はライターとクライアントの関係です。

僕の場合は、ライターもクライアントも対等でなければならないという考えが根底になるので、提案もしますし言いたいことは伝えるようにしています。

こだわりという部分ではそれが一番ですかね。

クライアントがどういう評価をしてくれているのか、そしてWebライターに対してどんな印象を抱いているのかは、レスポンスの速さや依頼時の対応でだいたい分かります。

こちらの交渉に対して真摯に向き合ってくれるクライアントもいれば、こちらの提案を一蹴するクライアントもいますよ。それなら書かなくて結構です! みたいな。笑

レスポンスにしても、ビジネス的には24時間以内の返信や48時間以内の返信がマナーとして一般的ですが、それが通用しないクライアントも多いです。

これはもう、マナーというよりモラル的な要素の問題って感じもしますけど、とても残念な気持ちになりますね。

レスポンスが遅いからとか、そういう理由でクライアントに食って掛かったりはしませんけど、でもこちらからは何も期待しないというか、何も求めないようにしてます。依頼があれば求められる作業をこなすだけって感じです。

逆に言えば、そっちの方がストレスが少なかったりもしますし、一長一短です。笑

2つ目のこだわりは文章の表記です。

Web記事の場合、記事内容の言葉ひとつひとつとっても新聞や雑誌のような紙媒体と違って統一性がありませんので、僕の場合は記者ハンドブックなどを利用して統一性を出すようにしています。

意外と知られていませんが、文字がびっしりで難しそうなイメージのある新聞だって、文章中の言葉に関しては読みやすさを重視してるんですよ? これってWeb記事とも通じるものがありますから。記者ハンドブックは結構参考になります。

もちろんこれも報酬によりけりですけど……笑

3つ目のこだわりは個人からの依頼はなるべく受けないことです。

これは、過去の事件がトラウマになってまして……笑

すべての個人様を信用しないというわけではないんですけど、過去に個人のアフィリエイターさんに報酬を踏み倒されて逃げられてしまったことがありまして。

まあ、ちゃんと相手の身元も確認していなかった自分のミスなんですけどね。相手を一方的に責めるわけにもいきません。こちらにも否があったわけですから、そこは真摯に受け止めてます。

なので、個人様からご依頼をいただいた場合は、こちらから契約書類のやり取りをさせていただける方に限らせていただいています。

それはもう過ぎたことですから、ひとつの経験として次に活かすしかないですから。

――個人の依頼者に逃げられた過去ですか……? そういうトラブルはライターさんだけではなくて、フリーランスで仕事をされている方全般に多いみたいですね。他に仕事上で面倒なトラブルに巻き込まれたことはありますか?

少なくないみたいですね。Webデザイナーさんなんかからもそういった経験談を聞くことがありますからね。

仕事上で面倒なトラブルですか……?

これはトラブルというわけではないんですけど、以前、ペットのキュレーションサイトで執筆させていただく機会がありました。

報酬自体は低めでしたが、僕は犬が大好きなので犬の記事を書けるというだけで満足だったんです。

ある日、クライアントから犬図鑑のような記事を書いて欲しいという依頼がありました。そして紹介する犬種ひとつひとつに画像を添付して欲しいという依頼でした。もちろん、その分は報酬にできる限り反映します! ということだったのでお受けしました。

結果的に僕が取り上げてまとめた犬種は60頭くらいで、それぞれグループ分けしてグループの特徴や犬種ごとの特徴を執筆しました。

海外の図鑑なども参考にしつつ翻訳作業に時間を取られたり、無料の画像サイトではなかなか画像が見つからない犬種に関しては有料サイトで入手したり、わざわざ海外からも画像を取り寄せたり、ブリーダーさんと直接交渉してブリーダーさんのホームページに掲載されている画像を使わせていただいたりしつつ、記事を完成させたんです。

丸2日以上かかって執筆して納品したんですが……。

――報酬が低すぎたとか? 掲載されなかったとか?

そう! そうなんです!笑

掲載はされたんですけど、報酬が……泣

それって時給の間違いじゃないの? っていうくらいの報酬でした。

その次の年くらいに、ある自治体の観光サイトの一部を執筆させていただいたんです。まあ、自治体のサイトといってもサイトを作成するのは民間の企業ではあるんですけど、その企業からの依頼で執筆させていただいたんですね。

そしたら、記事の報酬は言い値でいいというんです。これまで報酬というのはまずクライアントが提示してくるものだと思っていたのでさすがに驚きました。

先のキュレーションサイトと、その観光サイトとを比べれば、もちろんライターに支払える予算というのは後者の方が圧倒的に有利ではあるんでしょうけど、同じライターの仕事でも案件によってこれだけの差があるんだと思い知らされました。

そういう経験があるので、よけいにクライアントとの交渉は大事だなと、思うようになりました。

その後、個人のアフィリエイターさんが運営するペットのメディアで執筆させていただいたんですが、そこでも犬図鑑のような記事を書いてほしいと依頼されたんです。

でもそこではそれなりに報酬へ反映してくれまして。その時は本当に嬉しかったですね。

できれば依頼を請けたくない個人運営のメディアの方が、華々しく展開しているキュレーションサイトよりも報酬がいいなんて、なんとも皮肉でしたけど。笑

それ以外にも、小さなトラブルなら数えきれないくらいあります。それも、乗り越えれば経験値として身になりますから、結果オーライだと思いますけどね。

――フリーランスになると、今のお話のように様々な苦労も付きまといますよね? そういうことを乗り越える秘訣ってありますか? また小須田さんが今後やっていきたい仕事や目標はありますか?

乗り越える秘訣は……。

分かんないです!笑

まあ、とにかく物事の見方を一方向から見ないようにすることが大事ですよね。多角的に見ないと物事の本質なんて分からないです。

だから、人をけなしたり否定したり、また相手に対して卑屈になったりする前に、まずはゆっくりとその物事に対して見る目を養ってほしいなという思いが強いです。謙虚な姿勢と感謝の気持ちがあれば、そういう目だって自然に養われます。

物事を単純に考えることは大事ですけど、単純な視点で見るのはだめですよね。両者は似ていますけど、全然違います。

思考は単純に、視野は多角的に――これが大事です。

要は、苦労にぶち当たっても考えすぎるなということです。まったく考えないのもいけませんけどね……笑

このあたりのニュアンスは説明するのが難しいですけど、ライターなのに……すみません 笑

それと、失敗しても後悔はしないことです。反省はいいですけど、後悔はずっと心に残って引きずってしまいます。

反省は次の行動の原動力になりますから、後悔するような事態に直面しても、反省を心掛けてほしいです。後悔は自分の過去を否定することにも繋がりますので、個人的には好きじゃないですね。反省は未来に活かせますからね。

あと、今後やっていきたことですけど、とにかく生涯現役でいたいんです。せめて70代後半くらいまでは仕事をしていたいです。年金とかなんて、全然期待してないですし、そういうのをあてにするような生き方はしたくなかったので、だからこそフリーランスという生き方は本当に自分に合ってるなと、つくづく思います。

今はライターとしてさらに幅を広げたいので、今でも取材の仕事を請けたりすることがありますが、もっともっと取材をこなせるライターになりたいと思って、日々奮闘&勉強中です。パソコンの前でだけで生涯は終わりたくないです!笑

元々が営業マンなので、やっぱり外を走り回っていると落ち着きますし、取材で人と接するのが好きなんです。飛び込み営業も好きでしたから、取材に行ってもノンストレスで仕事できるのが唯一の自慢です。笑

昔の営業職って、今では考えられないくらいパワハラ三昧だったじゃないですか? 超体育会系でしたよね?

それはそれで苦い経験もありますけど、培われたものの方が大きいですからね、そういう経験も存分に活かさないともったいないですもん。今では当時のパワハラ上司にも感謝できます。笑

ライター業務以外でもやりたいことはあります。たくさん。笑
老後のことも考えて、今から準備していきたいことなどもありますし。

夢や目標はありすぎるくらいがちょうどいいと思ってますから。まだまだたくさんの夢や目標を作っていきたいです。

新しいビジネスを起業しようとまでは思いません。そこまでの目的は持っていないです。

でも、なにかのきっかけでそういう方向に走ることもあるかもしれません。こればかりは流動的ですから。いつそうなってもいいように、すぐにでも行動を起こせる自分では居続けたいと思ってます。

――小須田さんがフリーランスになって、ココは良かった! と感じる瞬間はどんなときですか? 逆に壁を感じたのはどういう時ですか? 仕事のモチベーションを保つ方法や息抜きなどについても教えてください。

魅力はいろいろありますけど、出勤の必要がないことですかね。笑

あとは上司の顔色を伺わなくて済むところ。

これに関しては本心から良かった! と感じます。

それと、働く時間も仕事も自分で決められること。これもメリットですね。

あ! これやってみたい! と思ったら即行動に移せますし。

でも、フリーランスだからって特別なことは何もないです。目立とうとも思いませんし、日々の業務を当たり前のようにこなしていくのは、会社員だろうがフリーランスだろうが同じことです。

ただ、そこに少しの自由があるかどうか。この点が大きく違いところかなと。

でも、その当たり前のことを当たり前にするのが本当に難しい。それが一番の壁でした。

会社勤めをしているときは周囲の目がありますから、半ば強制的にこなしていかなければならないプレッシャーもありますからね。だからこそ日々の仕事をこなしていけた部分もあります、

でもそのプレッシャーから開放された途端、当たり前のことを維持していくことが本当に難しかったです。自分に甘くなってしまうんですよね。

そういう、ある種の悪循環にハマるフリーランスも少なくないんじゃないかと思いますよ。

モチベーションを保つ方法は色々ありますけど、体を動かすとやる気が湧きます。筋トレでもいいですし、掃除なんかもいいですね。以前はマインドフルネスも、自己流ですけど取り入れたこともあります。

まったく仕事とはかけ離れたことをするとモチベーションが上がります。

息抜きの方法は、まあ、それぞれに好きなことをするのが一番じゃないですかね。笑

僕の場合は自然や空の写真を撮りに行ったり、僕は地方在住ですけど、都内に人を見に行くのも好きです。結構息抜きになるので、月に数回は都内をうろついてます。

それ以外では、思い立ったときに旅行をすることかな。

――自然と都内ですか?笑 ずいぶんとかけ離れてますね? 旅行はどんな所へ行かれるんですか?

写真は練習のつもりだったのが、いつの間にか趣味になってしまった感じです。でも写真家と呼べるほどの腕はないですけどね。あくまでも自己流で楽しんでるだけです。

都内に関しては――結構ゴミゴミしてる所が好きなんです。カフェに入って通りを流れる人ゴミをボーッと見てるだけで癒やされる。変わったヤツなんです。笑

旅行は国内メインです。旅行先でも執筆したりしますしね。ほんとに気まぐれで、ある日突然旅行に行こうと思い立って、すぐに新幹線のチケットを取って旅行に行きます。行き先も適当に決めます。ダーツの旅みたいな感じです。

つまり、やることなすこと常に変わってるってことですね、笑

――変わり者だからフリーランスを楽しめるという感じでしょうか? では最後に、これからフリーランスになろうと考えている方にメッセージをいただけますか?

感性の問題だと思います。昔から変わり者だと言われてきましたし、それが苦痛だったこともあります。でも今は、それはただ周囲の人と感性が違うだけだと納得することができてます。それがたまたまフリーランスという生き方にマッチしてただけなのかもしれません。

僕の場合、リスクを負うからこそ人生にも価値が生まれるという考えなので、リスクを恐れないでチャレンジしたいと考えるならフリーランスはおすすめです。

でも、価値観はそれぞれですから、リスクを嫌って組織で安定した生涯を過ごしたいと思うならそれも全然ありです。会社に対する責任や家庭に対する責任だってあるでしょうから、その責任感さえ働く力に変えられるならなおさらのこと、現状のままでいいと思います。

僕は独身だからこれだけ自由にできるのかもしれないし、逆に家庭があっても家族に背中を押されて好きなことにチャレンジする人もいます。家庭があるとかないとかは理由にはならないのかな? と、最近では考えるようになってきました。

家族に対して自分がどれだけ信頼を得られる存在なのか? という部分が大事なんじゃないかと。いつも謙虚に、家族に感謝できている人と、いつも家族に対して横柄に振る舞っている人とでは、得られる信頼感はまったく違いますもんね。そういう部分が、最終的な決め手になるのかも。

会社に勤めていればボーナスもあるし、退職金をもらえる企業だってあります。だから、そうした安定を求めるならそのままで十分じゃないかと思います。敢えてフリーランスをゴリ押しする理由はそこにはないですからね。

でも、どうしても会社勤めが合わない人もいますよね? そういう人は、本当に生きづらさを感じてると思います。僕自身がそうでしたから。

実際にそれでうつ病や引きこもりになってしまう社会人もいますし。それでは本当にもったいないと思います。

社会が自分に合わないなら、自分に合う環境を自ら作ればいいという単純な発想で、僕はフリーランスになる道を選びました。フリーランスになるのに悩みは一切なかったです。でも、フリーランスになった場合の自分はどうなるのか? ということに関してはしっかりと考えました。

僕は現在40代です。ライターとして完全に独立しようと考えたのが40代も目前に迫った頃くらいですから、タイミングとしては遅かったのかもしれません。でも、後悔は全然ないです。

自分の人生ですから、僕は多少のリスクを負ってでも好きなことをしたかった。だからフリーランスという道を選んだだけのことです。そこで一歩を踏み出したタイミングが、たまたま40代目前という年齢だっただけです。

自分の人生を誇れるなら、どういう道を選んでも間違いじゃないと思います。

でももし、現状のままではいずれ後悔してしまうと思うなら、働くことに対しての意味を見失うようなことがあるなら、ぜひフリーランスという選択肢があるんだということは知っておいてほしいです。

40代だからとか、年齢にこだわる必要はありませんから。学歴も年齢も関係なくチャレンジできるフィールドが、フリーランスという職業だと思います。

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