炎上案件に近づくなっ!フリーランスが絶対近寄ってはいけない危険な案件の特徴とは?

複業ナレッジ・ノウハウ

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスの山崎レモンサワーです。

複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。

フリーランスでもサラリーマンでも同じことですが、長いこと仕事をしていると、退場不可避・・・下手したら死んでいたかもしれないくらいヤバい炎上案件に遭遇することがあります。

今でこそ、数々のにがく苦しい経験から、この手の案件を避ける嗅覚が身についてきたので、遭遇する頻度は少ないですが、若い時は定期的に遭遇しており、そのたびに金銭的ダメージを負ったり、心身の健康を大きく棄損してきました。

今日は、フリーランス歴14年のベテランフリーランスが、これまでの実体験から、絶対に携わってはいけない避けるべき炎上案件と招かれざるクライアントの特徴をお話ししていきます。

炎上案件とは?

炎上案件と言っても、何を持って炎上というのか、状況は案件によってさまざまです。
これまでのフリーランス人生のなかで、実際に自分が遭遇した、もしくは垣間見てきた炎上案件のシーンを紹介していきます。

CASE1:クライアントのリテラシー不足と制作側の説明不足からくる認識のズレ

クライアントと依頼を請けた制作側の認識のズレから、のちのちトラブルになるケースが多々見受けられます。

例えばクライアント側は、デザインの修正を無制限にしてくれるものだと思っていたら、実際は2回までであったり、作ってもらえると思っていたシステムが制作側に伝わっておらず作られなかったり、見積り後の仕様の追加・変更が頻発して、制作側がことあるごとに再見積もりを要求する事になり揉めたり・・・。

クライアント側がWeb制作に関してリテラシーが無いのは仕方のないところがあります。そもそもリテラシーが無いからこそ、外部に制作を依頼しているとも言えるわけですから。

ただ、見積り後に要件の追加や変更をしたら、再見積もりが必要になるくらいのリテラシーが備わっていないのは、問題です。

制作側は、想定される問題を予め洗い出し、しつこいぐらいクライアントに事前に説明する事で、ある程度は、この手のトラブルは防げるようになります。

CASE2:クライアントのキーマンが人格的に問題あり!?

トラブルの中で一番厄介なのが、このケースと言えます。

フリーランス・サラリーマン関係なく、社会の中で、ありえないふるまいをするサイコパス的な人物というのが、残念ながらある一定数存在しています。

パワハラ・モラハラ・人格否定なんでもござれのモンスタークライアント・・・そんな人との仕事を完遂できるわけがありません。

高報酬など、いかに条件のいい案件であっても、このような類の人が、案件をグリップしている場合、絶対にひき受けるべきではありません。
必ず炎上して報酬を回収できないばかりか、自分の心身の健康や時間など、大きな損失を被ります。

ただ、仕事を請ける際には、そのような人はいなかったとしても、案件の途中から、そのような厄介な人が、突然登場することもありえますので、こちらのケースも残念ながら完全に避けられるわけではありません。

CASE3:もともと炎上している案件の後継として仕事を請ける

はじめから新規で制作に携わる案件以外にも、もともとは別の制作者が受け持っていた案件の引継ぎ・後継として、更新・修正・運営代行などに入ってほしいという依頼がくることがあります。

なぜ前任の制作者から、後継として引き継いでほしいという依頼が来たか、経緯を徹底的に調査することが求められます。報酬など条件面は2のつぎです。

なぜなら、前任者が逃げざるを得なかった炎上案件である可能性があるからです。

出来れば、その前任の方にコンタクトを取って、経緯を聞くのがベストです。

そもそも前任者から何の引き継ぎも無い場合は、現状把握だけで多くの手間をさくことになります。

CASE4:下請けや孫請けでの受注で伝達時の不備

Web制作の現場では、下請けや孫請けといった案件も珍しくはありません。

下請け自体が悪い訳ではありませんが、連絡のやり取りを中間会社経由でしか行えず、クライアントとダイレクトに意識のすり合わせが出来ない場合、連絡のやり取りが伝言ゲームのような形になり、伝言ゲーム中に意思伝達の齟齬が発生する可能性が高くなる危険をはらんでいます。

とくに、中間の元請け会社が、お金のマージンを抜くだけで、大した仕事をせず、工程の管理がずさんになると炎上の可能性が一気に高まります。

クライアントから来た連絡の内容をほとんど確認することもなく、下請けに転送し、下請けから来た連絡を同じくたいして確認もせずクライアントに転送する・・・これでは、元請けが存在する意味が無いどころか、連絡にタイムラグや齟齬が発生するだけ非効率なダメ案件になっています。

下請けでしか仕事を獲得できない、営業力が乏しい事業者は、このあたりのリスクに常に気を配る必要があります。

CASE5:制作側の技術レベルが未熟で制作を完遂できない

駆け出しのフリーランスなどは、スキルが未熟であることは、ある程度仕方のなことだと言えますが、自分のスキルレベルにマッチしていない案件をひき受けてしまうのは、非常に危険です。

仕事が引き合いが来るとついつい嬉しくなって、何でもひき受けてしまいがちなのですが、結局、スキル不足で制作を完遂できない場合、クライアントの信頼を大きく失うばかりか、納期が間に合わない事によって、クライアントに大きな損害を負わせてしまう可能性すらあります。

また、もし請けた案件が自身で完遂が不可能になるような事を想定して、アウトソース先を確保するために日ごろから、優秀な同業のフリーランス・制作会社とのパイプを作っておくなどの準備も必要になってくるでしょう。

CASE6:圧倒的な見積り・納期設定のミス

案件の規模が大きくなってくると、どうしても工数の算出がむずかしくなってくるものです。

自分もフリーランスになる前に、システム開発会社でシステムエンジニアとして働いていましたが、その時の上司が行った見積りはずさんなもので、大きな赤字と納期内での制作不能といった事態を引き起こしていました。

もちろん、工数を事前に誤りなく正確に算出するのはほぼ不可能で、どうしても多少のズレは出てしまうものではあるのですが・・・

多少のズレ程度であれば、まだリカバリーできるのですが、仕事欲しさに無謀な見積もりにして仕事を獲得し、どう考えても割に合わない案件となってしまったり、納期内に完成させることができないことによって、クライアントからの信頼を失い、仕事を打ち切られるか、責任を追求されて報酬をもらうどころか、逆に損害賠償を請求されたりといった最悪の自体を招きかねません。

これは外部の要因というよりは、自身で経験を積むことによって見積りの制度を向上させれば、防げる問題なので、比較的危機レベルはマシな方でしょう。

炎上案件に遭遇するとどうなる?

精神的ストレスから睡眠不足になる

じぶんが携わっている案件が炎上すると、それはもう生きている心地がありません。

もうお金はいらないから、一刻も早く、この状況が終わってくれと、そればかりが脳裏をよぎる状況になります。

それほどまでに精神的に追いつめられ、消耗した精神を休息して回復させようにも、快眠することができず、すぐに目が覚めてしまい、気づけば炎上している案件のことばかりを考えてしまうようになります。

体に不調が表れ始める

精神状態と、カラダの健康状態は密接にリンクしています。

食欲不振になり、じんましんが出たり、免疫が落ちる事によって、風邪を引いたり、最悪大きな病気に見舞われる事になります。

組織ではなくひとりで裁くしかないフリーランスが、大きな病気になれば当然、仕事をする事は出来ませんし、炎上案件はさらに深刻な状況へと追い込まれます。

そして、お金や仕事は、自分の体の健康に比べれば、どうでもいいものだと、本当に大事なものに気づくのですが、時すでに遅しです。

プライベートが犠牲になり始める

仕事上で、大きなストレスが溜まると当然、プライベートへの悪い影響が出始めます。

とくに家族を持っている場合、家族サービスの時間は減り、家族間の仲もその分、ぎくしゃくしはじめます。

本来、しごとのストレスを解消してくれる大切な趣味の時間も削られ、ストレスが解消されないまま、しごとに向かう事で生産性は下降の一途をたどります。

仕事とはそもそもプライベートを充実させるためのものではないのかと自問自答したくなりますよね。

健全な事業活動が停滞するため稼ぎが不安定になる

炎上案件でもお金だけは潤沢に入ってきているという状況であれば、多少は救われます。(それでもゴメンこうむりたいですが・・)

ただし案件が炎上している状況下で、報酬だけ潤沢にもらえるという状況もなかなかに考えにくいものがあります。

また、炎上案件は、強制的にリソースの多くを割かざるをえないから「炎上」なのであって、炎上案件に従事している期間は、他の別案件での活動も制限され、収入が非常に不安定になります。

収入が不安定になるから、炎上案件にしがみつかざるを得ないという負のスパイラルな状況になりかねません。

人間不信と疑心暗鬼になり他の案件に支障が出る

大きな苦痛と代償を支払い、ようやく、炎上案件が終わってくれたとしても、それ以降の活動にも悪い影響を及ぼすのが炎上案件です。

それ以降、必要以上に人間不信と疑心暗鬼にかられるようになり、通常の判断ができにくい状態になります。

もちろん、同じ轍を踏まないように、次回からより注意をするというのは当然としても、警戒がすぎることによって、ビジネスチャンスを棒に振ってしまうということがあります。

これらのことを踏まえると、炎上案件から被る損失は、考えているよりも相当大きなものとなるのです。

炎上案件の見破り方と、炎上案件から遠ざかるコツとは?

フリーランスとして活躍していく中で一番重要だと思うのは、本業のスキルを高める事よりも、危機察知能力を磨いて炎上を避けつづけることだと確信しています。

大成功を達成するよりも、退場に結びつくような大失敗をしないということです。投資家のスタンスでも同じことが言えますね。

では実際、どのようなマインド・アクションで、炎上案件が避けられるでしょうか。

新規クライアントの案件は警戒して徹底的に調査する

炎上案件のほぼすべては、今まで取引の無い、新規のクライアントからもたらされます。

すでに何回も仕事を請けている常連のクライアントからの仕事であれば、炎上することはほとんどありません。

ゆえに、気を付けるべきは新規のクライアントから仕事の引き合いがあったときに、いかに招かれざる客からの仕事を断れるかが重要になります。

簡単に言えばそのクライアントがヤバいのか、ヤバくないのか・・・徹底的に調査しましょう。

調査項目1:クライアントの人格・リテラシーは問題ないか?

クライアントが制作側へのリスペクトが一切なく、ものづくりに対するリテラシーもゼロで、おまけにサイコパスであったら、どんな優秀なフリーランスであっても仕事は完遂できません。

ただ、初見の打ち合わせで、クライアントがどのような人物で信用できる人なのかを見極めるのは非常に難しいです。

さっそく仕事の細かい内容の話しに終止して、どのような人物かまったくわからないまま仕事に入ってしまう時もあります。

しかし、ここは、炎上案件の苦労を思い出し、クライアントが少なくとも仕事を円満に行うのに必要最低限の資質を備えているかを見極めるまで、安請け合いするのは避け、じっくりと話し合いを重ねることをおススメいたします。

調査項目2:案件の要件は完遂可能か?

案件の要件的に自分ひとりで完遂可能かをじっくりと見極める必要があります。

設定されている納期には余裕があるか?

案件の要件・仕様は、自分のスキルレベルで開発が可能か?

仮にアウトソースするつもりであっても、事前に確認が不足していると、受注した後に、ふたを開けたら対応できるパートナーが一切おらず、途方に暮れるというような状況になりかねません。

じぶんはまだ発注をもらっていない打診を請けた段階であっても、確信が持てない要件・仕様については、実際に検証環境を作って実際にシステムを組んでみて、これであれば、発注を請けても大丈夫だと確信を持ってから仕事を請けるようにしています。

もちろん時間もかかりますし、検証の手間だけかけて仕事がもらえなかったなんてこともありますが、長期で見れば案件の炎上を回避し、クライアントの信頼を損なう事もないので、やはりこのあたりは慎重に行動しています。

調査項目3:違う業者が制作したサイトの更新の場合は経緯を徹底調査

自分は別の業者さんが作ったサイトの改修依頼や運営代行の依頼が来たときは、サイトの要件や仕様、改修内容、運営内容の詳細を確認する前に、前任者が離れて、自分に依頼をしようとした経緯を念入りにヒアリングするようにしています。

以前は、この経緯のヒアリングをすっぽかした為に、多くの地雷に遭遇した経験があります。

例えば、前任者の仕事があまりにずさんで、運営や改修に必要な情報が残っておらず、結局一から作り直す羽目になったり、

クライアントがあまりに理不尽で、前任者が鬱寸前になり、逃げ出した案件だったなどがあるからです。

もちろん、他の業者に依頼する上で、不都合な情報などは説明してくれない事も考えられるので、まずは疑って見極めるようにしましょう。

調査項目4:まずは案件を小さく分割して少しだけ請けてみる

上記に、炎上案件を見極めるコツを話してきましたが、それでも、完全に見極めるのは至難の業です。

100%避ける事は不可能といっても過言ではありません。

そこで、一番、効果的な対策としておススメするのは、はじめてのクライアントからの依頼は、案件を分割し、ごくごく小さい作業から引き受けるというものです。

例えば大規模なWebサイトの依頼があった場合は、まずはあえてトップページのデザインの依頼に限定し、双方、仕事の進め方に違和感を感じず、満足できるのであれば、段階的に工程ごとに仕事を進めるというものです。

仮にしょっぱなから炎上したとしても、工程をごくごく小規模に限定しているおかげで、双方、ダメージが少ないうちに離れることができます。

今まさに炎上案件にまきこまれてしまった人へ

今まさに炎上案件の真っ最中という方は、気が気じゃない毎日を過ごされていると思われます。

いっこくも早く炎上案件から逃れることだけを考えてください。

もちろん一度ひき受けた事なので、その契約は最後までやり通して、出来る限り円満に終わらせることにこしたことはありません。

ただ常識とはかけはなれた対応を取られたり、自分の命を削ってまで従事するくらいなら、仮に裁判になったとしても、仕事を断るのも一つの判断かなと思います。

お金や仕事よりも、自分の健康と健やかに過ごす時間にはるかに価値があると再認識して、危機を回避していきましょう。


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この記事を書いた人

山崎岳史

東京都中野区のフリーランスでWeb制作を行っております。
Web制作会社から独立してから、13年が経ちます。

おもにマークアップやJavascriptのコーディング、Wordpressのカスタマイズなどフロント回りの開発が得意ですが、PHPとMySQLを連携させたシステム開発もよく行います。
ビジネス系メディアへの寄稿などライターとしても活動しています。

自分の最大の売りは、即レススキルと誠実さ(自分で言うなw)だと思います。

最近は、フリーランスや複業(複数の生業を持つ)という働き方の素晴らしさに気づき、この新しい時代の働き方の普及活動をしています。

このメディアでこの変化の早い世の中で、いかにすればフリーランスとして活躍していけるか有益な情報を発信していきます。

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